嬉しさのあまり、思いっきりジャンプして頭をコンクリートにぶつけ、星がチカチカ飛んで、その頃からあまり喜びを表現しなくなった気がします。
うまくいっているときにも喜ばず、慎重に、油断しないようにしてきたのも、今にして思うとその影響なのかもしれません。
そんなこともあってか全身を使って喜びを表現している子どもの姿にはどこか羨ましさがあります。そしていい歳しても子どものように喜んだり泣いたり出来るような大人でもありたいとも思います。
子どもに「なぜ勉強しないといけないの?」と聞かれたら「死なないため」と答えてきましたが、学ぶことは学校での授業だけではなく、生きているとそこいら中にある気がします。
食べることを教わって、歩くことを教わって、病気になり健康の有り難さを教わって、大切な人との別れから永遠はないことを教わったり、普段の生活の中にはいつでもどこかに学びがあります。
『 エビバディシンギン 』
本来なら一昨年の12月に幸田さんと行く予定だったイエモンのライブがコロナで延期になり、昨年の11月に東京ドームで振替的なライブがありました。
今回はオンラインで観ましたが、東京ドームでは入場者数を制限してマスクを着用し距離をとり、声も出せない、拍手だけのライブでした。
シーンとした東京ドームで始まったライブは観客のいつもの歓声や歌声がない異様な雰囲気と緊張感がありました。
名曲「ジャム」が始まりますが、一緒に歌う人はもちろん誰もいません。
そんな中ボーカルの吉井和哉がロビンが叫びました「エビバディシンギン!」え?、と思った瞬間、東京ドームに観客の歌声が鳴り響きます、歌ってはいけないはずなのに、、
これは事前にファンがカラオケボックスなどで収録された歌声を集めて流した演出でした。
コロナの色々な制限の中でもあきらめない、そこに関わるたくさんの人達の願いみたいなものが歌声になっていたような、感動的なシーンでした。
『 学 』
本来なら動物はすぐに死なない為に学ぶのかもしれません。なんだか最近は人間もやっぱりケモノだなぁと思うことが多々ありますが、やはり人間には他に学ぶ理由があって欲しいなぁと思うのです。
同じものを見て、同じような経験をしたとしても人それぞれ感じるものは違います。違うことはとても面白いし、救いがある気がします。
辛い時には誰もが暗い気持ちになりますが、辛いときに明るくできる人がいて、涙を笑いに変えるような人がいるわけです。
自分のフィルターだけを通して物事を見ていると、どうしても一方通行で同じ色にしか見えなくなりがちです。
世代や価値観の違う自分以外の人の考えや生き方を知ることは、コロナで灰色になってしまった景色をカラフルに変えてくれる力があると思います。
『 人の図書館をつくりたい 』
ちゃんとちゃんとの学校で取り組んできた”長生きの新たな価値”を見つける『100歳図書館』では、本番に向けて慣れないペースアップをして準備を進めています。
写真を使いながら人生の経験を語っていただく語り部である炎心(えんしん)さんと、サポートしてくれるたきびとさんと一緒に写真選びや人生の経験の一部をお聞きしています。
そして本番ではないのに、もうすでに毎回のように学びがあり、心を揺さぶられています。
なぜこんなに、今まで知らなかったはずの人の話に感動するのだろうか?
それは実体験だからなんだと思います。
話を聞いている側は自分も体験したような、まるで映画や本を見たような気持ちにもなります。
話をしている側は自分の生きて来た道を振り返って、いまの自分と過去の自分とのつながりを再確認します。
情報にあふれた今の時代は誰もが物知りで、知らないことはスマホがあればすぐにでも調べることができます。
そんな時代に足りないものが、実体験ではないかと思います。100歳図書館には古くて新しい学びがあります、そしてなんだかその空間が愛おしくて好きになります。
それはリアルな人生の匂いみたいなものが、そこにあるからなのかもしれません。
人はずっと昔から炎を囲んで語り合っていたのではないでしょうか、相談したり励ましたり、ラジオもテレビもネットもない今以上に全く先が見えない中でも、みんなで前を向くためのエネルギーみたいなものを会話の中に探していた気がします。
人はやっぱり1人では生きていけないのではないでしょうか。
こんな時に楽な人なんていないと思いますが、困難に直面するときにはそれと同じくらいのことを学んでいるはずです。
そしてこんなときだからこそ、「誰かの人生がどこかの誰かを元気にすることだってある」と信じて100歳図書館をスタートしたいと思います。
2月7日は、ちゃんとちゃんとの学校の新しい挑戦のスタートになります。
少しでもこの図書館の魅力が誰かに伝わりますように。
100歳図書館についてはこちらをどうぞ。