『 冬のライオン 』

ワールドカップを初めて知ったのは、たしかキャプテン翼です。日本が予選も勝ち抜いたことがない時代、少年は野球ばっかりでサッカーをするやつなんてめったにいない時代でした。

オリンピックよりも多くの人が見るFIFAワールドカップは、4年に1度サッカーの世界一の国を決める祭典です。

 

これだけ世界中でサッカーが人気があるのは”貧乏人のスポーツ”だからだと言われています。


ルールが単純で、ボールかボールのようなものがあれば誰でもどこでもできるスポーツはおそらくサッカーくらいです。頭が悪かろうがお金が無かろうが、平等に誰もができるからサッカーは愛されているんだと思います。 

 

ロシアは出場できなくなりましたが、今年は中東カタールで予選を勝ち抜いた32チームが出場します。


開催国を決めるところから色々あった今大会ですが、暑すぎるという理由で各国のリーグ戦の最中という季節はずれの開催、オイルマネーでつくりあげた最新設備のバブリーなスタジアム、海外から来た労働者の人権侵害、、、とまあ色々な問題を抱えながら始まろうとしています。

戦争が終わらなくても、ミサイルが頭上を飛ぼうともワールドカップは開催されます。

サッカーはワールドカップの度に様々な変更があります。
前回の大会からVAR(ビデオアシスタントレフェリー)が導入されたことがありましたが、今大会から変わったことの1つはサッカーボールの真ん中にセンサーが埋め込まれたことです。

ボールに埋め込まれたセンサーから1秒間に500回のデータが送信されます、さらにスタジアムの設置された無数のカメラからもデータが連動することによって、半自動でオフサイドを判定するシステム「セミオートメイテッド・オフサイドテクノロジー」が採用されることになりました。


簡単なルールの中で唯一難しいオフサイド、これまでも微妙な判定により多くの幻のゴールが生まれてきましたが、今大会からレフェリーとラインズマンだけでは判断が難しいオフサイドの判定にもこのテクノロジーが役立つのでしょう、きっと、たぶん。


そして放映権料の高騰の影響でテレビの放送はかなり少なくなりました。

その代わりにライブストリーミング形式インターネットTVプラットフォームの『ABEMA』が全試合を放送してくれるようですから、時代を感じます。こんな調子では次回からは見れるかどうかも分かりませんが、とりあえず今回はABEMAとウマ娘に感謝です。

 

そして今大会の注目チームはまず前回大会優勝のフランスです。前線にはバロンドールを受賞したベンゼマ、早くてうまいエムバペ、クレバーなグリーズマンとタレント揃いですが、中盤はカンテやポグバを怪我で欠くので連覇はかなり難しいような気がします。

そして日本と同じグループのドイツはどんな状態であろうがいつも強いですし、スペインは世代交代の時期ですが大好きなペドリやガビ、ファティなどの新しい選手がでてきてかなり強いです、日本は”おしん”のように耐えて耐えて少ないチャンスに賭けるしかないと思います。


ブックメーカーでは一番人気がブラジルですが、フィルミーノやコウチーニョが選ばれないほどの、胸焼けするほどの豪華なメンバーが揃っていますから当然といえば当然だと思います。


また今大会が最後になると言われている史上最高の選手メッシがいるアルゼンチン、そして5度目のワールドカップになるロナウド率いるポルトガル、ありとあらゆるトロフィーを獲得してこれまで世界に君臨し続けてきた2人が、未だに手にしたことがないのはワールドカップだけです、今回どちらかが手にしても全く不思議ではありません。


その他にはパーフェクトな選手デブライネがいるベルギーも可能性があり、前回準優勝のモドリッチがいるクロアチア、アフリカサッカー最強のセネガル、そして今回個人的に注目しているのはサッカーの母国イングランドです。

スミスロウは出れないですが才能あるフォーデンをはじめプレミアリーグで活躍する選手達がバランスよくいて、前評判が低いわりにはかなり魅力的です。

 

『Be supporters!』

Be supporters!」とは「サポーターになろう!」という意味ですが、「福祉施設を利用する高齢者が、サッカーJリーグのクラブのサポーターになろう」という参加型プロジェクトのことです。


サントリーウエルネス株式会社がJリーグの複数のクラブと連携し2020年12月にスタートしたこの取り組みは、高齢者や認知症の方など、普段は周囲に「支えられる」場面が多い方々が、サッカークラブの「サポーター」となることで、クラブや地域を「支える」存在になることを目指し、「支えられる人から、支える人へ」をコンセプトに発足したんだそうです。

「Be supporters!」のホームページによると

日本各地の高齢者の方々が選手・クラブ・地域とつながり「普段歩行器を使っている方が“推し”の選手の写真を見るために、足を自力で踏み出した(90歳)」「イニエスタが大好きで、スペイン語の勉強を始めた(86歳)」「認知症が進行し、真顔のことが多い方が笑うようになった(90歳)」など、誰もが予想しなかった物語が数多く生まれているようです。

神戸新聞NEXTの記事に載っていたヴィッセル神戸の107歳のサポーター竹本繁野さんは「命つきるときまでサッカーをたのしみなさい」というエールを選手に送っています、それにしても言葉の重みが凄すぎる。


好きなチームのユニフォームを着てマフラータオルを首にかけて応援すると、形から入っているだけなのになぜか気持ちが高まります。そして頑張っている人を応援することは自分自身の心の持ち方にも大きな意味があるような気がします。なんだか素晴らしいなぁと思います。

いつもワールドカップの時期は睡眠不足で過ごしていますが、今大会は比較的見やすい時間帯の放送もあるので、シニア世代の方々にもワールドカップを見て、少しでもこのお祭りを楽しんでもらったり、日本代表以外の好きなチームや”推し”を見つけるのもいいかもしれません。

 

1183年、クリスマスが近づくイングランドでの話です。

国王で”冬のライオン”と呼ばれるヘンリー二世が、十六年も幽閉中の王妃や、三人の王子、王の愛人やその弟も城に集めます。そこでおこる王位継承をめぐる争いを描いた「冬のライオン」はブロードウェイで上演され何度もリバイバルされ、映画化もされた作品です。

この冬はまるで映画のようにサッカーの王位をめぐって、国を挙げた戦いがいよいよ始まるんだと思うとワクワクします。

そういえば子供の頃に見ていたキャプテン翼のエンディング曲も「冬のライオン」という名前でした。変な名前だなぁと思っていましたが、放送から39年後の伏線回収があるのではないかと、冬のライオンになるのはレオ・メッシなのか、イングランド代表(スリーライオンズ)なのか、まあ何を書いているのか分からなくなってきましたが、早く戦争が終わってお祭りが始まってくれますように。

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