平成最後の『ちゃんとちゃんとの学校』を開催しました。
昨年末から始まった『ちゃんとちゃんとの学校』シーズン2は、シーズン1の “シニアのジリツを学ぶ” というスタイルから、”シニアのジリツを学ぶ➕実際に授業をつくっていく” という、より実践的な内容で進めています。
シーズン1から参加いただいている、まるでファミリーのような方々と、今回初参加の方々などと一緒に、10連休前にもかかわらず集まっていただき、ゆるくまじめにシニアの自立支援を共に考える、素晴らしい時間を過ごすことができました。
『 超高齢社会に対して出来ることは 』
2025年、令和6年には、3人に1人が65歳以上になる日本ですが、65歳以上の約半数が75歳以上です。
75歳からは要介護になる方が急増し、また認知症も同じように増えます。もちろんそういう状態ではない方であっても、年齢と共に身体の衰えはおこるわけです。
年齢が全ての原因ではありませんが、ここ数日報道されているような悲惨な交通事故も含めて、超高齢社会を生きていくことが、日常になることを実感している方も多いのではないでしょうか。
『 2019のチャレンジ 』
今回はまず私から『ちゃんとちゃんとの学校』で2019年度に開催予定のものを、いくつかご紹介しました。
【ウォーキングイベント】
5/18(土)に山梨県中央市で開催する予定の、『ちゃんとちゃんとの学校ウォーキングイベント』をご紹介しました。
昨年末に開催した『ちゃんとちゃんとの学校@東京大学』に参加していただいた加藤寛啓さんは、山梨で健康関連商品などの販売を行う企業グリーンパスの代表を務めています。
顧客にシニア層の方々も多くいるため、その方々に本当に喜んでいただけるようなことが出来ないか?、また地元の地域の方々にも参加していただけたらということで、ちゃんとちゃんとの学校が企画するウォーキングイベントを開催することになりました。
そして、どうせやるならシニアの方々に怪我をしにくい歩き方や、膝に負担のかからないような歩き方、正しい歩き方を学んでいただいた上で、歩こうじゃないかということになりました。
そこで『ちゃんとちゃんとの学校』シーズン1で講師に来ていただき、大好評だった鈴木学さんが “ちゃんとちゃんとの歩き方” を参加者の方々に教えてくださることになりました。
鈴木学さんは骨格を162パターンに分類し、その人に最適なシューズや歩き方などを提案できるフィットファクターの開発者でもあり、スポーツ骨格サイエンティストでもあるスペシャリストです。
当日は私と幸田さんも参加させていただく予定ですが、あまり学ぶことがない、正しい歩き方を学ぶ貴重な機会ですので、ご興味のある方は是非ご参加ください。
【ちゃんとちゃんとの学校@岡山・倉敷】
そして7月13日には、幸田さんの地元でもある岡山で『ちゃんとちゃんとの学校@岡山・倉敷』を予定しています。
倉敷の美観地区にある倉敷物語館にて、今回は初めて東京を飛び出して『ちゃんとちゃんとの学校』を開催予定です。
そして9月の上旬に予定しているシニア写真展、そしてヒューマンライブラリーの企画は、岡山県倉敷市帯高に残る、美しい能楽堂まである古民家「つくぼ片山家」で開催予定です。
どんな人にも、それぞれの歴史がありストーリーがあります、例えばある人の人生の一場面が誰かを元気にしたり、勇気づけたりすることがあるのではないかと思っています。
シニアの方々の昔の写真を展示しながら、人や街の歴史について子供たちに語っていただくような体験、それは本を一冊読むよりも深く心に残るかも知れません。
210年も前につくられたという歴史ある古民家で、昔の写真を見ながら、人生の1ページを振り返る、それはデジタル化された情報では伝えきれないものを、繋いでいくことになると思います。
【大阪開催】
そして『ちゃんとちゃんとの学校』を、なんと大阪でもスタートしてくことになった報告をさせていただきました!
私も生まれは兵庫ですから、大阪は目と鼻の先ですが、大阪には以前からちゃんとちゃんとを応援してくださる方もいて、スタートすることになりました。大阪開催に向けて5月13日には中心になる方々と食事会をする予定です、今から楽しみです。
【多古町ツアー】
そして、以前から何回かお伺いさせていただいている千葉県多古町の、いま全国から熱い視線を集めている、地域包括ケアシステムの新しいカタチ『タコ足ケアシステム』を引き続き紹介しました。
ゆるくて、そしてなにより楽しくて、人の魅力や繋がりで地域を変えていくカタチは、誰から見ても魅力的です。
今までにない、遊び心にもあふれた取り組みを、是非ちゃんとちゃんとの皆様と視察?(遊び?)に行きましょう! と話をさせていただきました。
もうずいぶん前から参加したい方々もいらっしゃったので、近々 “ちゃんとちゃんと多古町ツアー” をやりますので、みんなで楽しく行きましょう。
【フードプロジェクト】
そして当プロジェクト発起人の一人である、ミタニホールディングスの三谷さんを中心にしたフードプロジェクトを説明させていただきました。
高齢者の方々の低栄養、新型栄養失調に対して、その対策になるようなフード開発を行います。
そして「ちゃんとちゃんとの学校」でやるなら、日頃シニアに関わる立場の人達だからこそ作れるようなものを作り、今年の内に打ち合わせや試作、試食会などをして商品化を目指します。
フードプロジェクトはどうしても、食や栄養に関する知識や、高齢者の方々の身体に関しても、精通している方に関わっていただきたいということで、お願いさせていただいたのが河野ひなさんです。
河野ひなさんは、救命医療の現場で活躍され、またナチュラルフードコーディネーターや、漢方養生指導士でもある凄い人です。
そんな河野ひなさんに、三谷さんを中心にするフードプロジェクトのサブリーダーとして、関わっていただくことになりました。
フードプロジェクトも、その他のプロジェクトも含めてですが、私と幸田さん、三谷さんだけでは、なかなか難しい状態ですので、みなさんのお力をお貸しください。
お仕事の合間の少しの時間を、ちゃんとちゃんとに、シニアの自立支援に、使っていただけたら幸いです。
『 ちゃんとちゃんとのジリツとは? 』
今回は幸田さんのほうから、ちゃんとちゃんとの学校の目指す「3つのジリツ」について説明がありました。
ひとことで「ジリツ」といっても様々な自立があります。自立の定義は難しく、どういう人がその言葉を使うかによって意味合いが変わります。
ちゃんとちゃんとの学校では、3つの「ジリツ」が必要だと考えます
1つ目が「自律」
年齢を重ねても身の回りのことが自分で出来ること、また誰かの助けを受けながらそれが出来ること、介護の方々から考えるようなジリツもここに入ります。
2つ目が「自立」
年齢を重ねても、スポーツや、趣味、旅行など、好きなことがちゃんと出来る、それは元気なアクティブシニアの方々から考えるジリツになります。
3つ目が「地立」
年齢を重ねても、誰かに必要とされる、地域に貢献できる、そういう元気なシニアがそこにいることは、地域の大切な人の資源です、地域と関わって社会を元気するような方々のジリツになります。
このうち、どれか1つがかけても “豊かな老い” とは言えないのではないでしょうか?。
そして何よりも、それぞれのジリツは、介護の世界、アクティブシニアの世界、社会に貢献するシニアと、分かれてしまっている気がします。
本当は “豊かな老い” という目的は同じなわけです。
そういう業界の壁を壊して、それぞれが繋がり、協力していかないと、世界に先駆けて直面している超高齢社会は、乗り越えられないのではないでしょうか。
そういう目に見えない壁を壊して、 “3つのジリツ” が、つながるような意味を含めた「ジリツ」を目指していくのが、ちゃんとちゃんとの学校です。と幸田さんから、熱いお話がありました。
『 シニアの「自立支援 」介護福祉の視点から 』
今回は、介護福祉のエキスパート清水絵理さんからの特別授業でした。
清水さんは、ちゃんとちゃんとの学校の初回からずっと参加いただいていますが、授業をしていただくのは今回が初めてです。
清水さんは、大学で社会福祉学を学び、その後、高齢者介護の現場で働き始め12年になられます。
介護福祉士、ケアマネジャー、介護職員初任者研修・実務者研修講師、福祉サービス第三者評価委員などを経験され、昨年からは大学院で老年学を専攻中されています。
また「食」と認知症、介護の関連性に着目し、介護現場で働きながらも料理研究家として食に関する活動も始められています。
今回清水さんに授業をお願いしたのは、介護福祉の最前線にいる方からのお話は、ちゃんとちゃんとの学校では過去にやったことがないということ、そして清水さんが考えるシニアの自立支援を、純粋に知りたかったということがあります。
優しく丁寧に説明していただく中にも、介護現場でしか分からない、そこにいなければ感じることのできない話が、散りばめられていて引き込まれます。
同時に介護は大変な仕事にもかかわらず、その大変さより、むしろ明るく話す話し方からは、利用者の方への愛情が根っこにあることがわかります。
そして認知症の方に対しての、理解を改めさせてくれるような、考えさせられる内容もありました。
そこには介護に携わる人とそれ以外の人の間にある、捉え方の違いが、大きな溝がやっぱりあるなぁと痛感しました。
最後に生理的な欲求を満たす「自律」は、好きなことが出来る「自立」と分かれていない、繋がっている、ということを伝えていただきました。とにかく考えさせられる、清水絵里さんからの特別授業でした。
『 壁はどこに?』
アイオライトという群青色の石があります。菫青石(きんせいせき)ともいわれ、ギリシャ語で『青』を表す『アイオ』、『石』を表す『ライト』から名付けられたようです。
1000年以上も前に、西ヨーロッパを中心にいたバイキングが、方角を割り出すために航海に使っていたアイオライトの最大の特徴は、見る角度によって色が変わることです。
バイキングは、日光の当たる角度により色が変わるというアイオライト特徴を生かして航海に利用したようです。
同じ石であっても、見る角度が違うだけで、色が変わるということは不思議なもんです。
「シニアのジリツ」も見る角度によって意味が変わります、様々な形のシニアの自立支援は、たくさんの業種や、違う立場の人たちがそれぞれの価値観でシニアの自立支援を目指しています。
その世界によってジリツの考え方が違う、当たり前です。そしてルールに縛られた世界には当たり前のように壁があります、ある意味必要なことかもしれないですが、それは高齢者のために作った壁なのか?そこが重要です。
またその壁は、思い込みの壁は、実は個人個人にも根強くあるのかもしれません。
決まった答えがないシニアのジリツ、ひとつではない答えに対しては、多くの考えを知ること、また知ろうとすることが、スタートになるはずです。
シニアのジリツを支援する、「ちゃんとちゃんとの学校」は4年まえから始まって、皆様の応援のおかげで、なんとか令和の時代も続けていきます。
また令和もゆるくまじめにやっていけたらと思っていますので、よろしくお願いいたします。
ちゃんとちゃんとの学校終わりに、入るといきなりラストオーダーの居酒屋に入り、幸田さんと2人で飲むビールが、なぜか美味しいので、それも楽しみにしながら、また次回も6月に開催させていただきます。
もう始まってしまいましたが、良いゴールデンウィークをお過ごしください。