メッシがやっと優勝しました。
所属チームのバルセロナではありとあらゆるタイトルを勝ち取ったメッシが、初めてアルゼンチン代表としてのタイトル、コパアメリカを獲得しました。
おそらく地球史上最高の選手であるメッシが、どれだけ活躍してもマラドーナを超えられないと言われている理由に代表チームとしての実績があります。ワールドカップをとったことがあるマラドーナとそうではないメッシ。
アルコールやドラッグに溺れ、めちゃくちゃだったマラドーナですが一方では権力に立ち向かう反逆児であり、常に貧しい人達の英雄でした。マラドーナと対照的な真面目で寡黙なメッシですが、お互いに認め合う関係だったようです。
マラドーナが昨年亡くなったとき、メッシはいつものようにゴールを決めて珍しくユニフォームを脱ぎました、その下に着ていたユニフォームはメッシがバルセロナの下部組織に入る前のユース時代に所属していたニューウェルズ・オールドボーイズのものでした。
それはかつてマラドーナがたった1年だけ在籍していチームであり、メッシがいまだに将来プレーするのが夢だというチームです。そして脱いだバルセロナの10番のユニフォームもかつてはマラドーナが着ていました。
近いようで近くないこの2人の関係は誰にも分からないですが、ライバルというよりはメッシはマラドーナを偉大な父親のように思っていたのかもしれません。
昨年亡くなったマラドーナのためにも、アルゼンチン国民とチームが団結し、コロナでめちゃくちゃになりながらも、無冠のメッシがブラジルサッカーの聖地マラカナンで宿敵ブラジル代表を破っての優勝は鳥肌ものでした。
同時期に開催されたユーロで優勝したイタリアと、コパアメリカで優勝したアルゼンチンが対戦するかもしれないと話題になっています。
「コパ・ディエゴ・マラドーナ」と名付けられたこの試合はマラドーナの第2の故郷、ナポリのマラドーナスタジアムで開催予定です。
そしてどうでもいいですが、メッシはタトゥーをかなり入れています。
皮膚の中に針で色を刺し入れていくタトゥーですが、その色素は体内のマクロファージが食べてその色素がマクロファージの中にとどまるから色がつき、マクロファージの寿命が長いから一度入れたタトゥーはなかなか消えないんだそうです。
ただし最近ではそれは少し違うことが分かってきました。実際にはマクロファージは寿命が長いわけではなく、死んだら色素を次の新しいマクロファージに受け渡しているようです。
まるで親から子へ引き継いでいるように。
『 ファーザー 』
出張ばかりで家にいないときに、子どもが不登校になったようです。おそらく僕がいてもたいして変わらないのだろうと、”長い人生そんなときもあるさ”といったら奥さんに怒られそうですが、そう思っています。
そして今子供に手紙を書いています。目の前でいうより手紙だから言えることや手紙だから伝えられることもある気がします。
書きながら、あ、こんな自分もいつの間にやら父親なんだと思っています。
そして父親ならこんな時なんて言うだろうと思ったりします。
父親は遊びの天才でした。賞味期限切れの大量の生卵をもらって来て子供達と一緒に石垣にぶつけたり、わけのわからないものを拾ってきたり買ってきたりして分解したりして子供向けのおもちゃをつくったり、いつも怒っている母親と違って、めったなことでは怒らない父親は自由な人でした。
父親で覚えていることは、小学生の頃に社会見学でゴミの回収を見に行ったときのことです。
「くさくても、絶対くさいと言わないように」と先生からは言われていたのに「くさい」と言ってえらい怒られたことがありました、だってくさかったからです。
そんな中父親だけは「それは間違いじゃない、くさいもんはくさいんだから、嘘つく必要はない。これからは”くさいのにありがとう”って言えばいい」と、なるほど、そうだなぁと子ども心に思ったことを覚えています。
あ、こんな書き方をしましたが、まだ死んでません。
おそらく父親なら学校に行かないことにも「どうでもええわ、生きてれば」と笑って終わりだと思います。
そして出張中の合間に観てやろうと思っている映画があります。アンソニー・ホプキンス主演の「ファーザー」です。
この作品で史上最高齢の83歳でアカデミー主演男優賞を受賞したアンソニー・ホプキンスは、まさか自分が受賞するとは思わず、受賞が発表された時には故郷のウェールズに帰りベッドで寝ていたようです。そして午前4時にたたき起こされたと話題になったりしていましたが、年老いて認知症を患った主人公の視点で 記憶や時間が混乱していく様子を描いているようです。
観たい映画が多いこの夏ですが、認知症の主人公、そして83歳のアカデミー主演男優賞が話題の『ファーザー』はぜひ観てみたいなぁと思います。
『 認知症 』
認知症は脳の病気や障害など様々な原因により認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態のことを指します。
その認知症の中で最も多いものがアルツハイマー型認知症です。
米国食品医薬局(FDA)が6月8日、アルツハイマー病(AD)の病理に作用する初めての、そして唯一の治療薬を承認したというニュースがありました。
アメリカの医薬品大手バイオジェンと日本のエーザイが共同開発した「ADUHELM」(一般名:アデュカヌマブ)です。アデュカヌマブはアルツハイマー病の根本的な原因とされているアミロイドβプラークを18ヶ月で59~71%も減少させるようです。
アルツハイマーは突然なるというわけではく、10年から20年前から脳内にアミロイドβというタンパク質が蓄積され始め、徐々に進行していくという説があり、このアデュカヌマブはその原因物質であるアミロイドβを減らしてくれるようです。
そしてこれから日本でも使われる可能性はありますが、今のところ問題はその価格です。
4週に1回の点滴を1年半、1回の点滴の費用は47万円、うーん、名前も難しいし、使うのも難しい。
今のところ推定で認知症は602万人くらい、2025年には700万人くらいになり、65歳以上の5人に1人は認知症になるのではないかと言われています。
そして認知症の一歩手前の状態を軽度認知障害 MCI (Mild Cognitive Impairment) 呼んでいます。
軽度認知障害とは「認知障害」はあるものの、日常生活において周囲に影響を及ぼすほどの支障をきたしているか、そうでないかが認知症と違いになります。
具体的に言うと、少し前に聞いたことを忘れて何度も確認を繰り返すことや、最近の大きなニュースの内容の記憶があいまいだったりする、なんていうことがあるようです。
こういう軽度認知障害の状態を放置すると5年間で約50%の人が認知症を発症するといわれていますから、認知症の予防にはやはり軽度認知障害の時からの心掛けが必要なんだと思います。
『 平均年齢 』
国立社会保障・人口問題研究所の『2018年の都道府県別人口の平均年齢、中位数年齢及び年齢構造指数』によると日本人の平均年齢は47.2歳、そして中位年齢(0歳から順にならべてちょうど中心になる年齢)が47.9歳。
世界の平均年齢が30歳で、日本は平均年齢においても世界で1番になるようです。
100年前と比べて、人生の時間は倍になりました。
人生をもうひとつもらえると思えば、もう何歳だからこうしなきゃいけないとか、こんな歳してみっともないとか、そんなことを言っている時代は終わったのかもしれません。
年齢や偏見に縛られない時代を歓迎する反面、長く働くことを考えると、健康寿命を延ばすことの意味も今まで以上に大切になると感じています。
そして歳を重ねるごと、その人にしか出来ない仕事がたくさん生まれてくるはずですし、仕事という概念にとらわれないようなものも生まれてくるのではないかと思います。ちゃんとちゃんとの学校で取り組んでいる100歳図書館もそんな可能性を秘めていると思っています。
長生きなら、やっぱり楽しみながら生活する環境づくりも工夫も必要だと思います。
「 残念だけど嫌なことは大人になってもどこに行っても必ずあるよ。
つらいときにつらいって考えるのは誰でもできるから、そんなときは逆に楽しむしかないよ。
周りや誰かに期待したって変わらない時は変わらないけど自分だけは変えられるから、今が嫌ならいろいろ試してみりゃいいんじゃない?」
子どもにはそんな手紙を書きました。
お金を出しても買えない肩書きであり、いつまでもなくならない肩書きが”父親”なのかもしれません。
マクロファージのように頑張らないと。