本日11月11日は「酉の市」の一の酉です。(二の酉は23日)
東京近郊の方以外は「酉の市」と聞いても、あまりピンと来ないかもしれません。酉の市とは、東京都台東区の浅草鷲神社(あさくさおおとりじんじゃ)や新宿の花園神社、目黒区にある大鳥神社など、日本武尊を祀る神社を中心に、11月の酉の日に立つ市のことです。当日は縁起熊手を売る露店が立ち並び、開運招福、商売繁盛を願う人々で賑わいます。
「酉の市」と聞くと、浅草が発祥の地かと思われがちですが、その始まりは現在の足立区花畑(旧 武蔵国南足立郡花又村)にある大鷲神社の近隣農民が、鷲大明神に感謝した収穫祭が発祥だと言われています。1735年頃に花畑大鷲神社で始まった酉の市は1773年頃に衰退を始め、同じ頃に千住の勝専寺と浅草の長国寺で酉の市が賑わい始めます。
この変遷の理由としては、花畑では大勢の人が集まり、そこで賭博が行われるようになったが、賭博が禁止されたことと1771年に長国寺に、鷲大明神(鷲妙見大菩薩)が移され祀られると、浅草は最も有名な酉の町として知られるようになり、現在に至るということです。
弊社も本日、一の酉に行ってまいりました。平日の昼間で小雨が降っているのにも関わらず、大勢の人で賑わっていました。熊手の露店が立ち並び、あちこちから威勢のいい掛け声が飛び交います。
まずは古い熊手を納め所に、一年間福を取り込んでくれたことに感謝をしつつ納めます。その後新しい熊手を購入。購入後はお店の人が切り火を切ってくれてから、威勢のいい掛け声とともに皆で手締めをして完了です。
最近ではこの江戸時代から続く酉の市の風習も、徐々に薄れてきているように感じます。ハロウィンなどの新しい風習を取り入れる事もダメではないでしょうが、こうした古くから続く日本の伝統行事も大切にしていけるといいなと思います。
『春を待つ 事のはじめや 酉の市』芭蕉の弟子其角が詠んだように、新春を迎える、一足早い年の瀬の始まりを告げる行事「酉の市」、是非皆様も足を運んでみてはいかがですか?