スズメの半分もない世界最小の鳥、毎秒50〜80回も羽ばたき、その音がブンブンと飛ぶハチの羽音に似ていることからハチドリといわれている鳥がいます。
南アメリカの先住民に伝わる「ハチドリのひとしずく」という物語があります。
日本では10年以上前に文化人類学者で環境運動家の辻 信一(つじ・しんいち)さんが訳し話題になりました。
【 森が燃えていました
森の生き物たちは われさきにと 逃げて いきました
でもクリキンディという名のハチドリだけは 行ったり来たり
口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは 火の上に落としていきます
動物たちはそれを見て
「そんなことをして いったい何になるんだ」と笑います クリキンディはこう答えました
「私は、私にできることをしているだけ」】
地球規模で環境破壊が進む中、たった1人の努力ではどうにもならないかもしれない、ただそれでも出来ることをやることの大切さを考えさせられる話です。
『 ボヘミアンラプソディ 』
イギリスの伝説的なロックバンドQUEENのボーカリスト、フレディマーキュリーの半生を描いた映画が大ヒットしています。
昔よく聴いていたQUEENの歌とフレディマーキュリーの華やかで悲しい生き様に感動する映画で、特にラストのライヴエイドのコンサートは圧倒的です、その完全な再現は実際のライブエイドをYouTubeで見ればさらにわかります。
『 ライヴエイド 』
今から33年前、1985年7月13日に行われた20世紀最大規模のチャリティーコンサートがライブエイドです。
アフリカの飢餓救済のため、”1億人の飢餓を救う”というスローガンのもとにQUEENや、デヴィッド・ボウイ、U2、ミックジャガー、など世界中のミュージシャンが集結したライヴエイドはロンドンのウェンブリースタジアムに7万2000人、フィラデルフィアのJFKスタジアムに10万人の観客を集め全世界同時中継で130の国、190万の人が視聴し、あのWe are the worldもこのときに作られたという伝説的なチャリティーコンサートです。
『 ボブとミッジ 』
ブームタウン・ラッツのリーダー、ボブ・ゲルドフとウルトラヴォックスのヴォーカリスト、ミッジ・ユーロは雑談の中でテレビで見たエチオピアの飢餓問題について話題になり、何かできないかとイギリスとアイルランドのミュージシャンが集まり作ったのが『バンドエイド』というチャリティープロジェクトです。
バンドエイドの成功をもとにボブ・ゲルドフが世界中のミュージシャンを呼びかけてあの『ライヴエイド』になっていきます。20世紀最大規模のライヴエイドも最初は2人の雑談から始まったと考えると凄い話です。
『 老人ハイスクール 』
12月22日、23日に三重県文化会館で上演された『老人ハイスクール』を観るために私と幸田さんは三重県の津に行ってきました。
老人ハイスクールは「老人と演劇」OiBokkeshi(オイ・ボッケ・シ)と三重文化会館の「介護を楽しむ」「明るく老いる」をテーマにしたアートプロジェクトです。
今回「老人ハイスクール」に出演される方は19歳〜90歳の公募メンバーで、その大半は演劇をやったことがない人々です。
そして構成と演出をする菅原 直樹(すがわら・なおき)さんは岡山で介護に演劇を取り入れたワークショップや、高齢者とともに演劇をつくる活動をしている俳優で介護福祉士でもある多才な方です。
来場者で賑わっている受付では、明るいギターの生演奏が鳴りひびき、楽しく棺桶に入る入棺体験ができたり、最後に伝えたいラストワードを入れる可愛らしいポストがあったり、暗くなりがちな”死”を明るく考える空気がそこにはありました。
超満員で椅子を増設しながら、とうとう待ちに待った開演です。いきなり度肝を抜かれました。とても大半の人が初めて演劇をするとは考えられないレベルでした。よくテレビドラマに出てくるいぶし銀の俳優に引けを取らない、味わい深い、濃いキャラクターの人ばかりで、本当に楽しそうに舞台に立っている姿はキラキラ輝いて魅力的でした。お客さんも笑い声が絶えない不思議なあたたかい空間でした。
演劇ユニットの名前にもなっているOiBokkeshi(オイ・ボッケ・シ)(老い・ボケ・死)に、目を背けるのではなくどう向き合うか?避けて通ることの難しい問題に対して演劇の手法を取り入れることによって、介護者や介護される方もよりスムーズに気持ちよく過ごせるのではないか?
そんなヒントがたくさん出てくる見事な「老人ハイスクール」でした。
終演後に菅原さんとはお話をさせていただいて、タイミングが合えばちゃんとちゃんとの学校にも参加いただけるとの有難い言葉をお土産に津を後にしました。
菅原さんのように、このプロジェクトを始めたからお会いできた方々がいます、そういう方々は常に新しい挑戦をされていて、はじめるのはいつも小さな小さなスタートだと思います。熱意だったり考え方だったり、そのエネルギーが周りに伝染し、細胞分裂を繰り返し、大きな何かになるんだなぁと最近よく思います。そのためには挑戦を続けていくことが大切なんだとも、あらためて感じた気がします。
『 クリキンディ 』
何事も永遠に続くことは無いと思うことが昨日ありました。当たり前だったことがなくなるのはやっぱりつらいことですが、それはきっと後になって振り返ると意味があることなのかも知れないと思っています。今までの当たり前に感謝して新しいスタートを切ろうと思います。
いよいよ今年も終わろうとしています、来年にはクリキンディのような小さくても意味があるシニアの自立支援の活動を、どんどんチャレンジしていけたらと思っています。
今年も1年間、ちゃんとちゃんとの学校を応援いただきありがとうございます。皆さまの応援で成り立っているこのちゃんとちゃんとの学校もなんとか1年無事に終わることができました。本当にありがとうございます!
来年は4年目をスタートするこのプロジェクトを、また引き続き応援していただけると幸いです。良いお年をお迎えください。