1万枚の写真を、人はどれくらい記憶出来るのか?
そんな研究をしたのが、カナダのビショップス大学のリオネル・スタンディングという心理学者です。1万枚の写真を1枚につき5秒ずつ見せていき、どれくらい記憶できるか?
結果は、簡単に記憶できたようです。仮に100万枚で試したとしても、73万1400枚は思い出せるだろうということでした。
と、昨日読んだ『 世界最先端の研究が教える すごい心理学 』という本に書いてありました。
まさに”百聞は一見に如かず”ということがわかる実験で、言葉や文章を読むより、視覚のほうが断然記憶に残りやすいんだと思います。
『 写真 』
昔のアルバムを引っ張りだしてみると、刺繍のついた分厚い表紙に古びたビニールのカバーがしてあり、独特の匂いと、ページを開く度に写真を閉じるセロファンがバリバリと音をたてて、なかなかいい出来栄えの古さです。
生まれたときのミノムシみたいな写真があったり、はいはいをして家を荒らしている場面や、狭い風呂に父親と兄と入っている写真があったりします、あとアルバムを見ると、隣から母親がいちいち説明をするので、覚えているはずがない1歳くらいのことを覚えている気でいたりしますから、まあ面白いです。
写真があると会話が始まり、写真があると昔話が始まり、写真があるとその時の自分に戻ります。
実家を離れて月日が経ち、子供から大人になり、親になり、立場が変われば、昔と違う自分自身を演じなければならなくなります。
昔の自分とは変わった部分と、変わらない部分があります。でも、時にはそのルーツみたいな部分に触れてみるのも僕は好きです。
「そんなことはどうでもいいじゃないか」と昔の自分に元気づけられたり、「つまんない大人になったなぁ」と子供のころの自分に言われているような気にもなったりします。
『 人生最高の1枚 』
私たちが、ずっとやってみたいと思っていることの1つがシニアの写真展です。
ただ、普通の写真展ではなくその方の『人生最高の1枚』を引き伸ばして展示します、そしてたった1枚のその写真にまつわる、その人にしかない人生の物語の一端を語っていただくような、そんな写真展です。
昔の写真を見て蘇る記憶があります、昔の町や学校、幼なじみや、片想いだった人、思い出の場所、お世話になった人、もう無くなってしまったもの。
また今では考えられないような経験や、想像を絶する苦労をされていたりする方も多いですから、例えばその人と全く関係がない若い人がその話を聞いて勇気づけられたり、感動して涙を流す人がいたりするかもしれません。
何気ないお年寄りの昔の話に、実は価値があるんだとずっと前から考えていました。
そして話をする方も、有名人であれば話は別ですが、普通は自分自身の人生の一場面を誰かに話す機会は、あまりないと思いますから、それは話をする方にとってもいいことでもあると思いますし、もしかしたら映画になるような素敵な話や、絶対にすべらない話がたくさん出てくるかもしれません。
その写真展を、今年いよいよ開催出来ることになりましたので、またお知らせします。
『 非現実的な考え 』
冒頭の心理学の本に、面白い実験がもう1つありました。アメリカのニュージャージー州にあるラトガース大学のネイル・ウェスティンは私たちがどれだけ”非現実な考え”をしているかを、258名の大学生に対して実験しました。
実験では「将来、あなたが大人になった時、飲酒上の問題を抱える可能性はどれぐらいあると思いますか?」という質問と「将来、他の学生が飲酒上の問題を抱える可能性はどれぐらいあると思いますか?」という2つの質問をします。
アルコールのトラブルが自分に起きる可能性から、他人に起きる可能性を引き算してみるとマイナス58.3%だったようです。
つまり人は”自分だけは大丈夫”だと思っているようです。
他にも「自分が将来自殺未遂する可能性」と「他人が自殺未遂する可能性」を調べるとマイナス55.9%、「結婚後数年で離婚してしまう可能性」がマイナス48.7%、「40歳以下で心臓発作に見舞われる可能性」がマイナス38.4%、「性病にかかる可能性」がマイナス37.4%…と、やはり人間は自分の都合のいいように考えがちです。
それは自分自身の心が不愉快にならないように、あえて非現実的な考えをするようになっているようです。
「自分だけは病気にならない」とか、「自分だけは交通事故は起こさない」とか、多くの人が知らず知らずのうちにそう思っているということですから、思い込みは怖いものです。
もしかしたら自分も病気になるかもしれないとか、もしかしたら自分も事故をおこすかもしれないと考えることも時には大切です。
よく「自分を信じろ」とかいいますが、都合のいい自分をあまり信用しすぎないことも、大事かもしれません。
『 ジャム 』
ジャムといえばイエローモンキーな私ですが、ロックやジャズなどで演奏中に行う即興演奏もジャムといいます。
集まったり、一緒に練習したり、従来の曲に新しいアレンジを加えていくこと、今までの曲に新たな味付けをしていくことがジャムなんだそうです。
そのジャムの語源は、パンに塗るジャムにからきているようです。
よく思うことは、長生きの時代には、もっと楽しみがあっていい、もっと面白いほうがいい。
もし「早くああいうおじいちゃんになりたい」「早く素敵なおばあちゃんになりたい」、そう思ってくれる人が増えたら、もしアンチエイジングばかり追いかけるのではなくて、歳をとることがカッコいいと思えるようになれば、もしかしたら、解決していく問題は決して少なくはないはずです。
長生きの時代につけるジャムのように、新たな価値観をつくっていくのが、ちゃんとちゃんとの学校でありたいと思っています。
シニアのジリツ支援プロジェクト『ちゃんとちゃんとの学校』では7月13日、初めて東京を飛び出し岡山でちゃんとちゃんとの学校を開催します。
私達は様々なプロジェクトを、サポーターの方々の支援のもと活動しています。
2019年度から『ちゃんとちゃんとの学校』の記念すべき1期生のサポーター募集をスタートしております。
シニアのジリツ支援に関心がある方ならどなたでもご参加いただけますので、是非皆様のご参加をお待ちしております。
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