「踏み台昇降運動」という運動、皆様学生時代に行った覚えはありませんか?台を昇り降りして脈拍を計り、その結果から持久性を求めるために行っていたアレです。
実はこの踏み台昇降運動、シニアの転倒予防のための運動として現在注目を浴びているのです。なぜ踏み台昇降運動が転倒予防に繋がるのでしょうか?
■踏み台昇降運動は足の筋肉強化に最適
踏み台昇降運動は行ってみるとわかるのですが、足の筋肉を効率よく使うことのできる運動です。踏み台昇降運動によって鍛えられる筋肉は主に3つです。
●大腿四頭筋
太ももの前側にある大きな筋肉で、主に膝関節を伸ばすのに作用し、立ち上がったり歩いたりする時に大切です。
●腸腰筋
腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉です。股関節を曲げるのに作用する筋肉で、歩く時足が床にひっかからないように、下肢全体を持ち上げる時に大切です。
●中臀筋
お尻にある筋肉です。股関節を横に開くのに作用する筋肉で、歩く時や立ち上がる時の安定性に関与します。
これら3つの筋肉のどれかが衰え始めると、つまづいたり転倒の原因となります。これらを効率よく鍛えることができるのが、踏み台昇降運動なのです。
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■踏み台昇降運動のやり方
【準備】
5cm~20cm程度の台を準備します。安定性があり、両足を乗せても余裕がある台を選びましょう。また、階段でも代用できますが、足腰が既に弱っていると感じる人には高すぎる場合がありますので注意しましょう。
【やり方】
①踏み台に片足を乗せる
②もう一方の足を台に乗せ、台の上に立つ
③先に乗せた足を降ろす
④もう一方の足を降ろす
1セット10回~20回目安に、一日3セット程度行います。早くやることが重要なのではなく、話ができる程度のゆっくりとしたスピードでテンポよく行うのがポイントです。また、前傾姿勢にならないよう、背筋を伸ばして行うことも重要です。
※足腰に過度の痛みがある場合は行わないでください
■筋肉を鍛えるだけじゃない!様々な健康効果
踏み台昇降運動は、有酸素運動の一つでもあります。近年では足の筋肉を鍛えるためだけでなく、肥満の解消や糖尿病の予防改善のための運動療法として、地方自治体、病院やリハビリ施設などでも取り入れられています。
【その他期待できる健康効果】
- 心肺機能の改善
- 骨粗鬆症の予防
- 血中コレステロールの減少
- 基礎代謝の向上
- 認知症の予防
普段運動の習慣がない方でも、家でテレビを観ながらでもできますので、是非踏み台昇降運動を取り入れて、健康維持に努められることをお勧めします!