『 ミーアキャット 』

いつもならば年末年始は山梨のキャンプ場で過ごしていましたが、子どもの大学受験があり久しぶりに自宅で新年を迎えました。

受験は人生の大きなイベントのひとつだとは思いますが、どのような結果になろうとも大きな壁に真剣に向かいあっていくことは大切なんだとあらためて思います。

 

そんな姿を見ていると自分は挑戦しているのだろうか?と柄にも無く考えました。今年はたくさん失敗して、いつも以上にたくさん恥をかいて生きていこうと決めました。

 

『 レカネマブ 』

あと2年で700万人になると予測されている認知症ですが、その中の約60%がアルツハイマーです。

新年早々FDA(アメリカ食品医薬品局)は、日本とアメリカの製薬会社が共同で開発した「レカネマブ」をアルツハイマーの治療薬として承認したと発表しました。

アルツハイマーになった患者の脳では「アミロイドβ」と呼ばれる異常なたんぱく質がたまっていて、これによって神経細胞が壊れると考えられています。

「レカネマブ」はその「アミロイドβ」が固まる前の段階で人工的に作った抗体を結合させて取り除こうというもので、神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行そのものを抑える効果があるといわれています。前回話題になったアデュカヌマブ以上に学術的に効果が証明されたようですから期待してしまいます。

 

ただ、壊れてしまった神経細胞を再生させることはできないため、発症する前の「軽度認知障害」の段階に使用することが重要だとされています。

軽度認知障害には ”物忘れ” も含まれるわけですが、物忘れなんてしょっちゅうありますし、そうなると認知症の一歩手前っていつなんだろう?正確に分かる人なんているのかなぁ?

と考えるとこれまた難しい問題ですが、国内でも今年から使われるようになるかもしれないとのことですから、これからも目が離せないレカネマブです。

 

『 ミーアキャット 』

仕事ではサプリメントの卸をしていますが、近年はサプリメントを含めた栄養の摂取やバランスのとれた食事だけでは健康寿命を伸ばすことは難しいと強く感じています。運動や休養、そして精神的な部分も欠くことはできません。

昔ある方に「ホリスティック」って大事ですよと教えてもらったことがあります。ホリスティック(Holistic)とは「全体」という意味ですが、語源はギリシャ語の全体性という意味のホロス(Holos)、そしてそこから「whole」(全体)や「health」(健康)という言葉が生まれたんだそうです。

 

つまりある部分だけが良くてもダメで、健康とは本来もっと全体的に考えていくものかもしれません。

身体にいいモノばかりを食べたとしても心が病んでいては健康にはなれないし、精神的には問題が無かったとしても運動を全くしないと健康になれるはずはありません。

そう考えると、受験とも似ているのかもしれません。ある教科だけがいい点数がとれたとしても合格はできないわけですから、巷で良く聞く”これさえやれば健康になれる”なんていう方法などある訳ないということなんでしょう。なにごとも楽せず勉強を続けていかなくてはなりません。

「なぜ勉強しないといけないの?」子どもから言われたことがある質問の、その答えは無数にあると思いますが、大きな理由の1つは生きていく術を身につけるためなんだと思います。

アフリカの砂漠や草原に暮らしているミーアキャットは、”キャット”と名前にありますが猫ではなくマングースの仲間です。立って日光浴をしている姿が有名なミーアキャットですが、子育てをすることでも有名です。

群れで生活するミーアキャットは子どもが生まれると、自分の子どもではなくても群れの仲間が育児を手伝います。子どもを危険から守り、食事を運び、エサの探し方や天敵から身を守る術を教えます。これは人間以外の動物では珍しいことなんだそうです。

子どもが大人になり、生きていく為の術を学ぶことが ”今までの勉強” なんだとすると、生きていく時間が倍になったいまは、健康で長生きするための ”これからの勉強” をしていく必要があるんだと思います。

 

健康寿命とは日常的に医療や介護に依存せずに、自分自身で生命を維持でき、自立生活が可能な状態での生存期間を意味します。

WHOが発表した2022年版の世界保健統計(World Health Statistics)によると、男女平均の健康寿命が最も長い国は日本で74.1歳で、世界平均は63.7歳。 逆に健康寿命が最も短い国はアフリカのレソトで44.2歳です。

1位になった理由としては日本の平均寿命が男女平均84.5歳と世界的に見てもかなり長生きなことや、国民皆保険制度による医療の充実、身体に優しい日本食、そんなことも関係しているようです。

あと2年もすれば、3人に1人が65歳以上になる時代が来ます。介護保険制度の変更や、医療費や社会保障費の問題など中身を見れば手放しでは喜べない現状だと思います。

健康寿命から平均寿命の間、健康ではないその約10年間をいかに短くしていくのかは、どの世代にとってもこれから関わってくる大きな課題ではあります。

 

昨年末に岡山駅の新幹線乗り場にある、電話ボックスみたいなzoomなんかをする個室、なんて呼ぶのか知らない個室に入り打ち合わせをしました。

サプリメントを中心とした全国に展開している健康教室をベースに歩き方教室を展開していくこと、そしてそこから新たな展開を考えていくことが主な内容でした。

今まで以上に幅広い人たちに健康寿命を伸ばす活動ができないだろうかと、まあそんな話をしました。

そろそろただ販売するだけの場所から、本当にやりたいことに本当に役に立つ内容に歩き出したいなぁと思っています。

今いるこの場所は決して嫌いではありません、それはシニア世代の方と直接触れ合う時間の中にリアルだからこそ伝わることや、同じ空間にいるからこそ感じられることがあるからです。

必要な栄養も運動の仕方もそれぞれ違う、その人に合ったものを伝えてアドバイスする、それはこれからも続けていきたいですが、一方では限界を感じてたのも事実です。

そんなやりたかったことを、ありそうでなかったものをちゃんとちゃんとの学校も含めてやっていきたいと思います。

 

三流シェフ』という本をジャケ買いしました。

昨年末に「オテル・ドゥ・ミクニ」を閉じた世界的な料理人、三國清三シェフの今までとこれからが書かれています。料理なんてよく分かりませんが面白くてあっという間に読み終えてしまいました。

北海道の増毛(ましけ)という港町にある貧しい家で育ち、世界的な料理人になるまでが描かれています。

腕のいい漁師だった父親に言われたという一言が印象的でした。冬の大荒れの海で、凍えながら船を漕いでいるときに

「大波が来たら逃げるな、船の真正面からぶつかっていけ」

逃げようとして波を横腹に受ければ船は沈む、大波が来たら逃げずに舳先を真っ直ぐ波に向けて思いっ切り漕ぐしかない。

そんな言葉がグサっと刺さりました。年男だ、今年は頑張ろう。

 

 

 

WHOが発表した2022年版の世界保健統計(World Health Statistics)

『 FINAL 』

サッカーを見過ぎて、ほとんど睡眠をとらずに体調を崩しました。講演で早口で話をすると動悸があり少し苦しくなるので、出張の合間に病院に行って診てもらいました。

病院で症状を説明すると「人前で話すると誰でもドキドキしますよ」と同世代くらいのお医者さんから笑顔で言われました。

「いや、毎日人前でしゃべってるので、、」と言うと「じゃあ念のため心電図とレントゲンとりましょうか?」とまた楽しそうな顔で言われました。それからしばらくして診察室で心電図の結果を見せてもらいながら言われました。「これは、全く悪くないですね」

ほっとするのとなんだか恥ずかしいのと複雑でしたが、とりあえずはこれでひと安心だと森保監督のように深くお辞儀をして出張に出かけました。

大丈夫と言われたのですが、しばらくは安静にしようとしていると、取引先の女性スタッフに言われました。

「病院で大丈夫って言われたんだから平気ですよ、ほんとに男の人ってビビりですね」そう言われるとそんな気がしてきました。前から知っていましたが、やはり男なんかより女の人は強くて偉大です。

 

正直オフサイドディレイにはイライラした日々でしたが、もう明日から寝不足の生活から解放されると思うと少し寂しい気もします。

地位も名誉も手に入れたスーパースターたちが、緊張しながら死にものぐるいで戦ってきたワールドカップもいよいよ決勝になりました。

選手の他に監督やコーチ、試合には出られない選手、選手の食事や身の回りのサポートをするスタッフ、現地に駆けつけたサポーターやテレビにかじりついているファン、支援するスポンサー、そんな人達も選手と一緒になり、チームとして国を背負って戦っています。

あのチームワークが単なるフットボールの試合に深みと重みをあたえています。

そんなワールドカップもいよいよ大詰めです。アルゼンチンとフランスとの決勝では脇を固めるフリアンやグリーズマンも気になりますが、やはり今回はメッシが神になるのか?エムバペが新時代を開くのか?ここが最大の見どころでしょう。

フランスが戦力的には上だと思いますが、今回だけはメッシに優勝してほしいと思います。

 

『 生産的フラストレーション 』

青森県の八戸に来ています。そういえば昨日までいた岩手は大雪でしたが、八戸はそんなに雪が降らないようですっきりと晴れていました。

ホテルの近くにあるスーパーでお土産の南部せんべいを買いに行くついでに、探している本がないかと八戸ブックセンターに立ち寄りました。

そこまで大きくない店内には普通の本屋さんでは見かけないような面白そうな本が不規則に並んでいて、気がつけば長い時間ウロウロして、結局目当ての本とは全く違う本を買っていました。

なんとなく買った「子どもは4万回質問する」という本には、好奇心が低下しない人のほうが認知機能低下が起こりにくいことや、教育心理学者スーザン・エンゲルによると好奇心は4歳から衰えていることなどが書かれていました。そうだなぁ、そういえば質問してないなぁと考えさせられる内容でした。 

いまは分からないことがあればスマホ1つで事足ります。

インターネットの普及は質問の答えを最短距離で、しかも答えだけを教えてくれます。一方でそれは算数の問題集の答えだけを見て写しているようなものかもしれません。

本屋で探していた本だってAmazonだとお目当ての本だけが自宅に届きますが、探しにくい本屋で本を探すことや、その結果として買うはずもなかった新しい本との出会は本屋さんでしか出来なかった体験でした。

偶然買った本によれば、私の八戸での本屋さんの出来事は、当初買おうとしていた本まで最短距離で行けなかった(見つけることも出来なかったですが)ということが「生産的フラストレーション」であり、ネット社会ではその生産的フラストレーションの機会を奪われているということでした。

目的地も大事ですが、そこまで自分の足で歩いていく道の中にも同じくらい大切なものがあるんだと思います。それは面倒でストレスもたまる代わりに、目的以上に大切なものに出会える可能性があります。

 

友人と3人で始めたこのシニア支援のプロジェクトも、目的のシニア支援はもちろんのこと、そこでしかなかった出会いがあり、そこでしか体験出来なかったことがありました。

うまくいくかどうかよりも仕事の合間に出来ることをやろうと取り組んだときの経験のほうに価値があるような気がしています。

 

年齢を重ねるということは、数字だけの変化ではなく肉体的にも精神的にも変化はあります。

その変化は人によってまちまちで、何歳かで仕切りがあるような分かりやすい変化ではなく、なだらかな陸続きで気がつかないうちに変化していくものだと思います。

時に変化は受け入れたくないことでもありますし、フラストレーションが溜まることでもあります。

変化を恐れてしまうと年を重ねていくことは失うことが多く引き算のようですが、実際にはそれより得るもののほうが多いのではないでしょうか、けれどもそれは誰にも分かるような分かりやすさがありません。

そんな一見分かりにくい価値を、誰もが分かる価値にしていくことが遠回りのようでじつは大切なんじゃないかと思っています。

当たり前ですがみんな平等に歳をとります、心臓が動いてくれている間にやれることをやろう、好奇心を捨てずにやれることをやろうと思っています。

といっている間にあっという間にFINALになってしまいました、あー、すいません。

頑張れ、ちゃんとちゃんと、頑張れ、アルゼンチン。

 

『 冬のライオン 』

ワールドカップを初めて知ったのは、たしかキャプテン翼です。日本が予選も勝ち抜いたことがない時代、少年は野球ばっかりでサッカーをするやつなんてめったにいない時代でした。

オリンピックよりも多くの人が見るFIFAワールドカップは、4年に1度サッカーの世界一の国を決める祭典です。

 

これだけ世界中でサッカーが人気があるのは”貧乏人のスポーツ”だからだと言われています。


ルールが単純で、ボールかボールのようなものがあれば誰でもどこでもできるスポーツはおそらくサッカーくらいです。頭が悪かろうがお金が無かろうが、平等に誰もができるからサッカーは愛されているんだと思います。 

 

ロシアは出場できなくなりましたが、今年は中東カタールで予選を勝ち抜いた32チームが出場します。


開催国を決めるところから色々あった今大会ですが、暑すぎるという理由で各国のリーグ戦の最中という季節はずれの開催、オイルマネーでつくりあげた最新設備のバブリーなスタジアム、海外から来た労働者の人権侵害、、、とまあ色々な問題を抱えながら始まろうとしています。

戦争が終わらなくても、ミサイルが頭上を飛ぼうともワールドカップは開催されます。

サッカーはワールドカップの度に様々な変更があります。
前回の大会からVAR(ビデオアシスタントレフェリー)が導入されたことがありましたが、今大会から変わったことの1つはサッカーボールの真ん中にセンサーが埋め込まれたことです。

ボールに埋め込まれたセンサーから1秒間に500回のデータが送信されます、さらにスタジアムの設置された無数のカメラからもデータが連動することによって、半自動でオフサイドを判定するシステム「セミオートメイテッド・オフサイドテクノロジー」が採用されることになりました。


簡単なルールの中で唯一難しいオフサイド、これまでも微妙な判定により多くの幻のゴールが生まれてきましたが、今大会からレフェリーとラインズマンだけでは判断が難しいオフサイドの判定にもこのテクノロジーが役立つのでしょう、きっと、たぶん。


そして放映権料の高騰の影響でテレビの放送はかなり少なくなりました。

その代わりにライブストリーミング形式インターネットTVプラットフォームの『ABEMA』が全試合を放送してくれるようですから、時代を感じます。こんな調子では次回からは見れるかどうかも分かりませんが、とりあえず今回はABEMAとウマ娘に感謝です。

 

そして今大会の注目チームはまず前回大会優勝のフランスです。前線にはバロンドールを受賞したベンゼマ、早くてうまいエムバペ、クレバーなグリーズマンとタレント揃いですが、中盤はカンテやポグバを怪我で欠くので連覇はかなり難しいような気がします。

そして日本と同じグループのドイツはどんな状態であろうがいつも強いですし、スペインは世代交代の時期ですが大好きなペドリやガビ、ファティなどの新しい選手がでてきてかなり強いです、日本は”おしん”のように耐えて耐えて少ないチャンスに賭けるしかないと思います。


ブックメーカーでは一番人気がブラジルですが、フィルミーノやコウチーニョが選ばれないほどの、胸焼けするほどの豪華なメンバーが揃っていますから当然といえば当然だと思います。


また今大会が最後になると言われている史上最高の選手メッシがいるアルゼンチン、そして5度目のワールドカップになるロナウド率いるポルトガル、ありとあらゆるトロフィーを獲得してこれまで世界に君臨し続けてきた2人が、未だに手にしたことがないのはワールドカップだけです、今回どちらかが手にしても全く不思議ではありません。


その他にはパーフェクトな選手デブライネがいるベルギーも可能性があり、前回準優勝のモドリッチがいるクロアチア、アフリカサッカー最強のセネガル、そして今回個人的に注目しているのはサッカーの母国イングランドです。

スミスロウは出れないですが才能あるフォーデンをはじめプレミアリーグで活躍する選手達がバランスよくいて、前評判が低いわりにはかなり魅力的です。

 

『Be supporters!』

Be supporters!」とは「サポーターになろう!」という意味ですが、「福祉施設を利用する高齢者が、サッカーJリーグのクラブのサポーターになろう」という参加型プロジェクトのことです。


サントリーウエルネス株式会社がJリーグの複数のクラブと連携し2020年12月にスタートしたこの取り組みは、高齢者や認知症の方など、普段は周囲に「支えられる」場面が多い方々が、サッカークラブの「サポーター」となることで、クラブや地域を「支える」存在になることを目指し、「支えられる人から、支える人へ」をコンセプトに発足したんだそうです。

「Be supporters!」のホームページによると

日本各地の高齢者の方々が選手・クラブ・地域とつながり「普段歩行器を使っている方が“推し”の選手の写真を見るために、足を自力で踏み出した(90歳)」「イニエスタが大好きで、スペイン語の勉強を始めた(86歳)」「認知症が進行し、真顔のことが多い方が笑うようになった(90歳)」など、誰もが予想しなかった物語が数多く生まれているようです。

神戸新聞NEXTの記事に載っていたヴィッセル神戸の107歳のサポーター竹本繁野さんは「命つきるときまでサッカーをたのしみなさい」というエールを選手に送っています、それにしても言葉の重みが凄すぎる。


好きなチームのユニフォームを着てマフラータオルを首にかけて応援すると、形から入っているだけなのになぜか気持ちが高まります。そして頑張っている人を応援することは自分自身の心の持ち方にも大きな意味があるような気がします。なんだか素晴らしいなぁと思います。

いつもワールドカップの時期は睡眠不足で過ごしていますが、今大会は比較的見やすい時間帯の放送もあるので、シニア世代の方々にもワールドカップを見て、少しでもこのお祭りを楽しんでもらったり、日本代表以外の好きなチームや”推し”を見つけるのもいいかもしれません。

 

1183年、クリスマスが近づくイングランドでの話です。

国王で”冬のライオン”と呼ばれるヘンリー二世が、十六年も幽閉中の王妃や、三人の王子、王の愛人やその弟も城に集めます。そこでおこる王位継承をめぐる争いを描いた「冬のライオン」はブロードウェイで上演され何度もリバイバルされ、映画化もされた作品です。

この冬はまるで映画のようにサッカーの王位をめぐって、国を挙げた戦いがいよいよ始まるんだと思うとワクワクします。

そういえば子供の頃に見ていたキャプテン翼のエンディング曲も「冬のライオン」という名前でした。変な名前だなぁと思っていましたが、放送から39年後の伏線回収があるのではないかと、冬のライオンになるのはレオ・メッシなのか、イングランド代表(スリーライオンズ)なのか、まあ何を書いているのか分からなくなってきましたが、早く戦争が終わってお祭りが始まってくれますように。