『 手紙 』

 「花火大会が雨で中止になったから、来れたんだよ」とニコニコと話をしてくれたのが星島美子さんとの出会いでした。

昨年の7月、小雨の倉敷で開催した「ちゃんとちゃんとの学校@岡山」に降ったり止んだりの雨のおかげで来ていただいた星島さんは、僕にとっては初めてお会いしたときからの大ファンです。

それから2ヶ月ほどしてから星島さんと再会します。

 

『 2回目 』

ちゃんとちゃんとの学校もお手伝いさせていただいたNPO法人 つくぼ片山家プロジェクトさんの主催で開催された「100歳図書館 @ 倉敷 /わたしものがたり 」というイベントがありました。

100歳図書館とは1冊の本を読むように、人生の一場面を人生最高の1枚の写真を使いながら語り、そして対話するというイベントです。

自分自身にしかわからない人生のストーリーが、本来交わることのない他の誰かの人生を豊かにするかもしれないというこの100歳図書館で、写真を使いながらストーリーテラーとしてお話をしていただいたのが星島さんでした。

星島さんのお話は圧倒的でした。聞いている私たちはお話を始めた星島さんの世界にタイムスリップして、心を揺さぶられて、涙を流しながらお話を聞いていた参加者の方もおられました。

年末に東京で開催するちゃんとちゃんとの学校の1年の締めくくりのイベントに星島さんに来ていただいたら最高だろうなと思いましたが、岡山からはるか離れた東京までわざわざ来ていただくなんて申し訳ないという気持ちもあり悩みました。

それでもそれ以上にどうしてもちゃんとちゃんとの皆さまには星島さんに会っていただきたいという気持ちが勝り、ご無理だけはされないでくださいとお伝えし、もし可能であればといらして下さいとお願いをさせていただきました。

ちゃんとちゃんとの学校の1年を締めくくるイベント「ちゃんとちゃんとの学園祭」まで1ヶ月を切った頃だったとおもいます、幸田さんからメールがありました「星島さん、来ていただけるみたいです!」

 

『 3回目 』

12月15日、千代田区にある東京でも有数のアートスペースアーツ千代田で「ちゃんとちゃんとの学園祭&アワード」を開催しました。

当日は2019年のちゃんとちゃんとの学校で行われたシニア支援の活動を表彰するアワードと、参加者の皆さまに100歳図書館を体験していただくことになりました。

ストーリーテラーとして参加いただくことになった星島さんのお話は、東京でもやはり感動的でした。

星島さんに会った人は星島さんが好きになります、星島さんのお話を聞いた人は笑顔になります、そしてもっと頑張らなきゃと勇気をもらえます。

シニアに関わる人が主役ではなく、シニアの方が主役になるようなものがいいなぁと、ちゃんとちゃんとはそうでありたいなぁと常々思っています。

こういう星島さんのような方が活躍されることは、周りにその影響を広げていきます、そしてこういう本当に素晴らしい体験はお店には売っていません。

そんな値札がつかないものを、いつか共通する価値としてもっと広めたいと思ってちゃんとちゃんとの学校を始めたんだと、お話しされている星島さんを見ながらそう思いました。

そんな星島さんにちゃんとちゃんとの学校の最優秀選手賞「ちゃんとちゃんとバロンドール」をお渡しさせていただきました。

 

『 手紙 』

半分くらいのお店がシャッターが閉まっている中部国際空港で飛行機を待っているときでした、事務局の渡部さんから「星島さんからお手紙が届いています。」と連絡が来ました。

出張ばかりで帰れない身なので失礼だとは思いながらも「すぐに開けて内容を送ってください」と伝えました。

4枚にわたるお手紙は星島さんのお人柄がとても伝わる、内容でした。

不安の中東京まで来ていただいたこと、いま戦っていらっしゃること、そして決してあきらめないこと、ちゃんとちゃんとの学校でお会いした方々の一人一人の方からいただいたお礼のメッセージを何回も読んでいること、手紙ですが、星島さんを近くに感じて、とにかくありがたくて胸が熱くなりました。ちゃんとちゃんとの運営メンバーもお手紙を見て感激していました。

コロナで言い訳ばかりしていた自分が恥ずかしくなりました。

 

『 奇跡をおこすと決めています 』

今は何でもすぐにスマホで調べられる時代ですが、それは単なる情報で全てが分かるわけでも、あらゆる困難を解決できるわけでもありません。

コロナの影響で暗い気持ちになったり先が見えない日々が続きますが、そんなときにはスマホでは調べることのできないリアルな実体験がより必要な気がしています。

こんな時だからこそ人生の経験が、誰かのエネルギーになると思います。いまでは想像もできないような大変な時代を乗り越えてきた方のお話が何かの力になり、誰かの希望になるはずです。

 

星島さんの手紙に影響された私と幸田さんは12月にオンラインで100歳図書館をやろうと話をしています。

出来たらコロナを吹っ飛ばすようなシニアのお話を全国の方々と共有できたらと思っています。

 

「奇跡をおこすと決めています」というお手紙の一文が素晴らしくて頭から離れません。あの花火大会の日に雨が降ってくれて本当に良かったです。

ちゃんとちゃんとの学校のみんなは全国各地から星島さんを応援しています! 応援チャントが届きますように!

 

 

『 すべて忘れてしまうから 』

いつまでも大人になりきれない、意識低い系の私ですが、最近ノックアウトされた本があります。

燃え殻さんの「すべて忘れてしまうから」です。

別に綺麗でもない、何気ない瞬間が急に愛おしくなるような、そんな2〜3ページの忘れてしまうかもしれない出来事が、いくつも書かれています。

誰にも気を遣っていない、飾っていない言葉の集まりがどんどん心に突き刺ささります。

疲れた時に気持ちが楽になる、家に置いておきたくなる本でした。

あー、いい本だ。

 

『 チャンピオンズリーグ 』

世界的なパンデミックの中、サッカーのヨーロッパNo. 1を決める大会、チャンピオンズリーグが開催されました。

本来はホーム&アウェイで行われるこの大会ですが、なるべく移動を減らすため今回は全てポルトガルでの1発勝負で行われ、試合後のユニフォームの交換は禁止され、もちろん無観客で行われました。

かなりハイレベルな今大会でしたが、決勝は恐ろしさまで感じる強さのドイツのバイエルンミュンヘンと、あのネイマール率いるフランスのパリサンジェルマンとの対決になりました。

対戦相手にサッカーを全くさせない圧倒的なバイエルンのサッカーは、敵にボールが渡るとすぐに全員でプレッシャーをかけて奪い取りすぐさまゴールを目指します。

しかも身体能力が高い選手達が機械のように休むことなく90分間動き続ける、こんなサッカーに勝てるチームは今のところ無いような気がします。

決勝もまるで将棋のAI対人類のような一方的な展開を予想していましたが、パリサンジェルマンはそんなバイエルンに対して個人技で互角以上に善戦します。

結局は総合的に上回るバイエルンが大方の予想通りに優勝しましたが、それ以上に記憶に残ったのはそんな強敵を相手に必至に戦い続けたパリサンジェルマンと、試合後に人目を憚らず号泣したネイマールの姿でした。

 

『 zoom 』

お盆明けに、久しぶりにちゃんとちゃんとの皆さまとzoomでそれぞれの近況報告をしました。

今回は個人的にも興味があったコロナ以降の介護現場の状況を知りたいということもありまして、トークゲストとしてちゃんとちゃんとの中心的なメンバーで介護付有料老人ホームライフ&シニアハウス川越南七彩の街ハウス長の平野勝仁さんから、介護の最前線のお話をお聞かせいただきました。

コロナで浮き彫りになったことは医療と介護がなくては社会は成り立たないということだと思います。

同じように生活に無くてはならない医療と介護ですが、メディアで取り上げられることの多い医療に比べると介護のことはそこまで報道されていません。

ソーシャルディスタンスが取れない、重症化しやすいいといわれている高齢者が集まる場所、認知症の方もいる、もしクラスターが出てしまったら、そんな中でも休むことなく働き続けなければならない介護従事者の方々のストレスや不安はとてつもないものではないかと想像できます。

 

介護施設の施設長をされている平野さんの言葉は、どれも入居者の方やスタッフの方への優しさにあふれていました。

「コロナの影響でできなくなったことも確かにありますが、入居者の方にあまりコロナのことを言いすぎると、どうしても暗い雰囲気になるので、なるべくそれを感じさせないようにしています。」と言われていたことがとても印象的でした。

 

 

感染症にかからないように外出を控えすぎると筋力の低下につながり、また人と接する機会が少なくなると認知機能の低下につながります。何より今まで当たり前にできていたことが制限されすぎてしまうと大きなストレスにもなります。

感染症対策と高齢者の健康はとてもバランスが難しい気がします、これはどっちが正しいとか正しくないとか白黒はっきりつける問題ではなく、その人によって異なるちょうどいいバランスをとるしかないと思います。

そのあたりまで細やかに考えて対応されている平野さんは、やはりすごい方だと思いましたし、何より平野さんのような真剣に介護に携わる方が日本にはたくさんいらっしゃって、そういう方々のおかげで私たちは普通の暮らしを送れているわけですから、あらためて介護の重要性とそこに携わる人のレベルの高さを感じました。

これからのちゃんとちゃんとに役立つヒントをたくさんいただきました。

平野さんお忙しい中にもかかわらず本当にありがとうございました。

 

『 記憶 』

長く生きればその分だけ記憶の量は増えますが、全て覚えれるわけじゃありません。

 

自分が残しておきたい、自分にとって大切なものを、そのままハードディスクのように保存しているわけではなく、その後の新しい記憶なんかと混ざり合いながら、日々記憶は形を変え続けます。そして無駄を省き、自分にとって都合のいいように編集しながら残しているようです。

意外といい加減で、あてにならないのが記憶なのかもしれません。

生きていくことは忘れていくことかもしれない、とよく思います。認知症であるとかないとかは関係なく、誰もが忘れながら生きていきます。

生きていくうちにいらないと思って捨てて来た記憶が、突然無くしたものが出てきたように見つかると、なんとも言えない気持ちになります。

やっぱり要らないと思っていたことも本当は必要だったのかもしれません。

 

「認知症の方はスタッフがマスクをしていると最初は不思議そうにしています、でも次第に自然とそれを理解してくれるようになってきました、認知症の方もわかってくれるんですよ」と平野さんがニコニコ言っていました。

こんな平野さんみたいな方がいる介護って、やっぱり素晴らしいなぁと思いました。

今回こういう時期だからこそ介護に携わる方の寄り添っていく姿勢や、そこまで考えているんだという驚きも含め勉強になりました。

もっと凄い仕事なんだと、もっとこの方達がいないと社会は成り立たないんだと、誰もが知るべきだと思いました。

 

 

『 ぐち 』

アナログな私がパソコンを買いました。

買う前に色々なことを調べて欲しいものを決めて、とりあえず買う前に詳しい人にも聞いてることにしました。

「広納さんだったらそんな性能がいい機種は必要ないと思いますよ、パワポとかエクセルくらいでしょ?、パソコンは何に使うかによって機種を選ぶほうがいいですよ」ともっともらしいことを言われ、でも「赤は嫌なんだよ、シルバーがいいんだよ」と頭の悪い反論をすると、詳しい人の奥さんから「アイアンマンと一緒ですよ、広納さん好きでしょ?」と子供を説得するように諭され、結局欲しいものよりランクを落としたものを買いました。

ちなみに使ってみると立ち上がりも早くサクサク動くので大満足です、愚痴なんて何もありません。

 

『 ストレス 』

やっと梅雨が明けたにも関わらずなかなか出口が見えない状況になっています、こんなに盛り上がらない夏は久しぶりです。

いいことなのか悪いことなのかはさておき、当たり前にマスクをして、人との距離をとることは自然とできるようになってきました。

三密を避けることは感染症予防には有効なことなのかもしれませんが、それが健康的かと言えばそうとは言えない気がします。

御年配の方は外に出なくなることは、フレイルを引き起こしたり、人とコミュニケーションをとらなくなることは鬱や認知症の原因にもなりかねません。

 

ITジャーナリストの島田範正さんの「島田範正のIT徒然」によると米国で3番目に大きいケーブルテレビ局CoxCommunicationsの従業員が、コロナで外出できず孤立している高齢者に毎日1回電話をかけるボランティア活動があるようです「One Call a Day」という活動です。

電話の内容は、何か必要なことはないかと尋ねたり、励ましたりと言った内容のようですが、外出も出来ず孤独な中でもらった1本の電話は、想像以上にお年寄りを元気にし、生きるパワーを与えるようです。

その他にもこのケーブルテレビ局はロックダウンで外出できない高齢者施設の入居者を、他の施設や地元コミュニティとネットで繋ぎ、友人らと再会したり、新たな仲間づくりをしていくVirtual Senior Centresという活動もしていて、これらは「高齢者のストレス対処への支援」になるようです。

 

『 ヤバT 』

ヤバイTシャツ屋さんはインディーズ時代から大好きなバンドです。大阪芸術大学出身の3人のバンドは基本的にはふざけていますが、ライブは最高で音楽も良くできています。今年は生で見てみたいなぁと思っていたらこんなことになってしまい、ガッカリしていました。

そんな中、ヤバイTシャツ屋さんがYouTubeで無料ライブを配信しました。

「音楽業界は多くの関係者が仕事を奪われて生活に困っています、こんどアルバムを発売します、予約された全てのアルバムにメンバーの直筆サインを入れます、絶対に売りたいです。」

色々なものを背負って悩んで悩んでたどり着いたアイデアや、それが伝わる純粋なパフォーマンスをしているバンドに、なんだか泣きそうになりました。ろくな仕事もしてない政治屋さんよりヤバイTシャツ屋さんのほうが真剣にいまを考えている気がしました。

 

『 愚痴 』

非常事態宣言の真っ只中のときでした、乗客が誰もいないタクシー乗り場には何十台ものタクシーがありました。

なぜ客も来ないのは分かっているのにここにいるんだろう?と思ったことがありました。でもすぐに思いました、自分も同じかもしれない。

今までを変えることはそんな簡単じゃあないわけです。

この状況だから、やれなくなったことは山ほどあり、

この状況だから生まれたことも山ほどあります、

ただうまくいかないことのほうが、その何倍も、もっともっと山ほどありますから、愚痴を言いたいと思います。

愚痴はいいことじゃないかもしれませんが真実です、綺麗事ばっかりの嘘ばっかりのいま、珍しい本音です。

愚痴の裏側には変わろうとする気持ちがあるはずです。こんなときだからたまには愚痴もいいかもしれません。