
「老年学研究科をつくった柴田博先生という方のインタビューが聞けますから、良かったら聞いてみてください」

清水さんは介護の仕事や、マクロビオティック、老年学を学ばれたり多才な方で、ちゃんとちゃんとの学校の核になるような考え方を教えていただいてきた特別な存在です。
それは体力や記憶力が落ちたり、今まで出来ていたことが出来なくなっていくからで、つまり歳を重ねることは良いことはなく悪いことしかないと考えられてきたようです。

ただ1970年代以降、その考え方は少しづつ変化してきます、歳をとればとるだけ良くなっていく能力があることもわかってきたからです。
例えば目の前で起きたことを瞬時に判断して問題を解決する能力を『流動性知能』と呼び、これは若い頃のほうが高いようですが、過去に経験で得た知識をもとに問題解決する能力を『結晶性知能』と呼び、これは年齢と共に高くなるようです。
徐々に落ちていくというのは思い込みで、歳をとることは悪いことばかりじゃない、なんだか明るい気持ちになる内容でした。
そして印象的だったのがライフイベントの話です。
人との出会いが増えたり、出来ることが増えたり、明るいライフイベントが多い前半に比べると、後半は人との別れや、出来ていたことが出来なくなっていくことが増えたりと暗いライフイベントが増えます。

これが年齢とともに身体だけじゃなく精神的にも元気が失われる理由だと思われていたようです。
ただ現在では、歳を重ねても明るいライフイベントを増やしていけば、いくらでも精神的にも健康になれることも分かってきているようです。
確かに健康寿命が延びても楽しみがないとつまらない、これからはもっと歳をとるのが楽しみになるようなイベントが増えたらいいですね。

例えば記憶力は18歳頃がピーク、体力は20歳前後、好奇心は3~6歳、モテ期は27.8歳、収入が高いのは50代、集中力は43歳前後、語彙力は67歳前後、、、とCopilot先生が言っていました。

もちろん人によってピークは違うんでしょうが、100歳の年表を書いてみるとピークの山は前半だけに固まっておらず、後半にもありました。
そして幸福を感じるピークは90歳以降なんだそうです。
それはエイジングパラドックス(Aging Paradox)とも言われていて加齢に伴ってネガティブな状況が増えるにもかかわらず、高齢者の幸福感は低くないようです。

70代~80代はそこまで高くない幸福感が、なぜか90代以降は高くなってくる。
それは物質的で合理的な世界観から解放されて、宇宙的、超越的、非合理的な世界観に変わっていくことが関係していて、それを”老年的超越”と呼ぶんだそうです。
確かにそういう達観しているようなお年寄りは時々お会いしますし、そういう方は90代以上だったような気もしないではないです。
そういう方は自然と周りにいる人の気持ちを和ませていたり、優しい空気をつくっていたりします。
教科書に載っていた”スイミー”を書いたレオ・レオニの作品に『フレデリック』という絵本があります。
小さなネズミたちが冬に備えて食べ物を集めている、フレデリックだけは他のネズミと違ってじっとしています。
寒くて暗い冬のために光をあつめ、色をあつめ、言葉をあつめているのだと言う。

寒い冬が来て食料が底をつき暗い洞穴の中でほかのネズミを癒したのはフレデリックの話でした。大好きな話です。
何年か前にちゃんとちゃんとの学校のメンバーで食事をしているときでした「健康寿命を延ばそう」、「何歳になっても社会に出て活躍するようなお年寄りが増えたらいい」とみんなで話をしていたら
「長生きするだけで素晴らしいじゃないですか」
と清水さんに言われたことが忘れられません。

長生きするだけでも価値がある、その価値は分かりにくくて、数字にもならなくて人に伝えにくいことだと思います。
だからといって無いわけじゃないし、誰もが知っていることなのかもしれません。
長生きするのはいいことばかりではありませんが、若い頃のようにもっと楽しいライフイベントが待っていたらいいのにと思います、何かないかなぁ、来月聞いてみよう。

