『 そこらじゅう 』

どうやら2022年になりました。

 

昔に比べてお正月らしい雰囲気が少なくなったような気がして、好きでもないお餅を食べました。あんなに嫌だったお正月も無いよりはあったほうがいいように感じる、どうやらそんな歳になったようです。

昨年の大晦日にはちゃんとちゃんとの学校のバロンドーラー、岡山の星島美子さんからいただいた世界一美味しいイチゴをごちそうになりました。

2019年の年末に開催した『ちゃんとちゃんとの学校の学園祭』にわざわざ参加いただいた星島さんと、手伝いに来ていた当時中学3年生だった私の息子がたまたま仲良くさせていただくようになり、それ以来その恩恵を受けさせていただいています。

 

『 今年は… 』

今年はサッカーのワールドカップが開催されます。もしかしたら日本代表も出場できるかもしれない今年の大会は初めての中東、カタールでの開催になります。

カタールはアラビア半島にある国で、サウジアラビアの右側にちょこっとくっ付いているような形で、面積は秋田県くらいの小さな国です。

石油プラントのおかげで世界一裕福な国として取り上げられたこともあるカタールは学費、医療費、電気代、水道代、電話代はすべて無料で、所得税も消費税もないというから驚きです。

なんてうらやましい。

ちなみにイスラム教徒の国なので基本的にアルコール、豚肉がダメなんだそうです、これはうらやましくない。

カタールはほとんどが砂漠です。5月〜9月頃は気温が50度近くになることもあるようなので、通常6月〜7月に行われるワールドカップですが、11月〜12月にかけての開催に変更されました。

人口に占める65歳以上の方の割合を高齢化率といいますが、2019年のカタールの高齢化率は1.5%、人口のほとんどが海外からの出稼ぎで成り立っている国ならではの数字ですが、日本の高齢化率が29.1%ですから、それを考えると、やはりすごいと思います。

 

『 ヤングケアラー 』

本来は大人がやるべき家事や家族の世話などを日常的にする子どもを、「ヤングケアラー」と呼びます。

昨年4月に発表された国の実態調査によると、中学生の17人に1人がこのヤングケアラーになるとのことでした。

1日平均4時間もの時間を食事の準備や洗濯、保育園などの送迎、祖父母の介護や見守りなどに費やしているようです。

その結果として自分の時間が取れない、勉強の時間が取れない、睡眠時間が十分に取れない、などの問題が出てきており、また7割近い中学生はそのことを人に相談したこともないということでした。

 

 

わたしが間違っていなければ、今年で7年目になるこのちゃんとちゃんとの学校はシニア支援プロジェクトとしてスタートしました。

そしてあっちに行ったりこっちに行ったりしながら、自分たちにできるシニア支援のかたちを探してきました。

要介護の予防、自立支援、病気の予防、そして認知症に対する考え方、またシニア世代の方が中心になって生み出していく新しい価値観、そして誰かに支えられながら生きていくことも大切な時代なんだということ。

そんなことをちゃんとちゃんとの学校を通じて学んできた気がします。

そして今思うのはシニア支援はシニアだけの問題ではなく、誰かの人生は誰かの人生に必ずつながっているということです。

誰もが元気で長生きであればいいですが、病気になったり身の回りのことが出来なくなり介護が必要になったり、様々なことが起こる、それが長生きの時代です。

ヤングケアラーのことを考えるとますますシニア支援は全ての世代に関わる問題だと痛感します。

 

神奈川県の藤沢にある小規模多機能ホームぐるんとびーの代表を務める菅原健介さんのTwitterを見てハッとしました。

写真には高齢の女性の手に小さな手をちょこんと乗せる赤ちゃんの姿がありました。(*この写真ではありません。)

「この小さな手がどんな専門性よりも大きな力を発揮することもある

人が人をケアする中では専門性は一つのツールでしかない」

この投稿を見ると、カタチにこだわる必要はないというか、シニア支援もシニア支援に関わる人だけでやることではないんだと改めて考えさせられました。

「シニア支援」という言葉を出した瞬間から、人によってはどうしても人ごとに思ってしまうことがあります。そして「シニア支援」と言ってしまえば伝わりやすい代わりにそれ以上に拡がらない、そんな気がします。 

 

今年の抱負なんて言ったことも言う気もないですが、シニア支援と宣言するよりも自分たちが面白いと思うことをやりながら、結果としてそれがシニア支援につながるようなことができたら、誰にでもできるシニア支援ができたら素晴らしいなぁと思っています。

そしてそういうものはそこらじゅうにあるのかもしれません。

 

 

冒頭にご紹介した星島さんは、現在ご病気と闘いながらも、畑の草むしりをしたり、持ち前の明るさで周囲の皆さんを元気にしながら暮らしていらっしゃるようです。

時々星島さんと電話でお話をすることがあります。元気づけようと思っていてもいつのまにか逆に励まされています、そして星島さんみたいになりたいなぁとお話をするたびに思います。

「東京に行ったときにあんたの息子が私の手のひらを見て言ったんだよ『おばあちゃんは150まで生きるよ』って、だからその言葉を信じて頑張って元気になるよ。」

星島さんに聞くまで2人の間にそんな会話があったことも全く知りませんでした。

かたちにこだわらず、まだまだできることはあるのかもしれないと思いました、そこらじゅうに。

 

 

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