『 すべて忘れてしまうから 』

いつまでも大人になりきれない、意識低い系の私ですが、最近ノックアウトされた本があります。

燃え殻さんの「すべて忘れてしまうから」です。

別に綺麗でもない、何気ない瞬間が急に愛おしくなるような、そんな2〜3ページの忘れてしまうかもしれない出来事が、いくつも書かれています。

誰にも気を遣っていない、飾っていない言葉の集まりがどんどん心に突き刺ささります。

疲れた時に気持ちが楽になる、家に置いておきたくなる本でした。

あー、いい本だ。

 

『 チャンピオンズリーグ 』

世界的なパンデミックの中、サッカーのヨーロッパNo. 1を決める大会、チャンピオンズリーグが開催されました。

本来はホーム&アウェイで行われるこの大会ですが、なるべく移動を減らすため今回は全てポルトガルでの1発勝負で行われ、試合後のユニフォームの交換は禁止され、もちろん無観客で行われました。

かなりハイレベルな今大会でしたが、決勝は恐ろしさまで感じる強さのドイツのバイエルンミュンヘンと、あのネイマール率いるフランスのパリサンジェルマンとの対決になりました。

対戦相手にサッカーを全くさせない圧倒的なバイエルンのサッカーは、敵にボールが渡るとすぐに全員でプレッシャーをかけて奪い取りすぐさまゴールを目指します。

しかも身体能力が高い選手達が機械のように休むことなく90分間動き続ける、こんなサッカーに勝てるチームは今のところ無いような気がします。

決勝もまるで将棋のAI対人類のような一方的な展開を予想していましたが、パリサンジェルマンはそんなバイエルンに対して個人技で互角以上に善戦します。

結局は総合的に上回るバイエルンが大方の予想通りに優勝しましたが、それ以上に記憶に残ったのはそんな強敵を相手に必至に戦い続けたパリサンジェルマンと、試合後に人目を憚らず号泣したネイマールの姿でした。

 

『 zoom 』

お盆明けに、久しぶりにちゃんとちゃんとの皆さまとzoomでそれぞれの近況報告をしました。

今回は個人的にも興味があったコロナ以降の介護現場の状況を知りたいということもありまして、トークゲストとしてちゃんとちゃんとの中心的なメンバーで介護付有料老人ホームライフ&シニアハウス川越南七彩の街ハウス長の平野勝仁さんから、介護の最前線のお話をお聞かせいただきました。

コロナで浮き彫りになったことは医療と介護がなくては社会は成り立たないということだと思います。

同じように生活に無くてはならない医療と介護ですが、メディアで取り上げられることの多い医療に比べると介護のことはそこまで報道されていません。

ソーシャルディスタンスが取れない、重症化しやすいいといわれている高齢者が集まる場所、認知症の方もいる、もしクラスターが出てしまったら、そんな中でも休むことなく働き続けなければならない介護従事者の方々のストレスや不安はとてつもないものではないかと想像できます。

 

介護施設の施設長をされている平野さんの言葉は、どれも入居者の方やスタッフの方への優しさにあふれていました。

「コロナの影響でできなくなったことも確かにありますが、入居者の方にあまりコロナのことを言いすぎると、どうしても暗い雰囲気になるので、なるべくそれを感じさせないようにしています。」と言われていたことがとても印象的でした。

 

 

感染症にかからないように外出を控えすぎると筋力の低下につながり、また人と接する機会が少なくなると認知機能の低下につながります。何より今まで当たり前にできていたことが制限されすぎてしまうと大きなストレスにもなります。

感染症対策と高齢者の健康はとてもバランスが難しい気がします、これはどっちが正しいとか正しくないとか白黒はっきりつける問題ではなく、その人によって異なるちょうどいいバランスをとるしかないと思います。

そのあたりまで細やかに考えて対応されている平野さんは、やはりすごい方だと思いましたし、何より平野さんのような真剣に介護に携わる方が日本にはたくさんいらっしゃって、そういう方々のおかげで私たちは普通の暮らしを送れているわけですから、あらためて介護の重要性とそこに携わる人のレベルの高さを感じました。

これからのちゃんとちゃんとに役立つヒントをたくさんいただきました。

平野さんお忙しい中にもかかわらず本当にありがとうございました。

 

『 記憶 』

長く生きればその分だけ記憶の量は増えますが、全て覚えれるわけじゃありません。

 

自分が残しておきたい、自分にとって大切なものを、そのままハードディスクのように保存しているわけではなく、その後の新しい記憶なんかと混ざり合いながら、日々記憶は形を変え続けます。そして無駄を省き、自分にとって都合のいいように編集しながら残しているようです。

意外といい加減で、あてにならないのが記憶なのかもしれません。

生きていくことは忘れていくことかもしれない、とよく思います。認知症であるとかないとかは関係なく、誰もが忘れながら生きていきます。

生きていくうちにいらないと思って捨てて来た記憶が、突然無くしたものが出てきたように見つかると、なんとも言えない気持ちになります。

やっぱり要らないと思っていたことも本当は必要だったのかもしれません。

 

「認知症の方はスタッフがマスクをしていると最初は不思議そうにしています、でも次第に自然とそれを理解してくれるようになってきました、認知症の方もわかってくれるんですよ」と平野さんがニコニコ言っていました。

こんな平野さんみたいな方がいる介護って、やっぱり素晴らしいなぁと思いました。

今回こういう時期だからこそ介護に携わる方の寄り添っていく姿勢や、そこまで考えているんだという驚きも含め勉強になりました。

もっと凄い仕事なんだと、もっとこの方達がいないと社会は成り立たないんだと、誰もが知るべきだと思いました。

 

 

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