『 メメント・モリ 』

自分があと何年間、何日間、何秒間生きていられるかを知らせてくれる、そんな腕時計があるそうです。

年齢や身体の基本的な情報、生活習慣などを入れると人生の残り時間が分かるという腕時計です。

いったいそれの何がいいんだろうとは思いますが、その腕時計は当たり前のことを気づかせるためにあります「いつかは死ぬんだ」、ラテン語で「メメント・モリ」というようです。

 

『 世界を救う100歳老人 』

スウェーデンのヨナス・ヨナソンの著書「世界を救う100歳老人」は大ヒットした前作「窓から逃げた100歳老人」から5年ぶりの続編です。

主人公のアラン・カールソンが101歳の誕生日にバリ島で気球に乗ります、安全装置が外れた気球は遥か彼方に飛んでいって海へ不時着、北朝鮮の貨物船に拾われ平壌まで連れて行かれる、というぶっ飛んだ話から始まります。

そして金正恩やメルケル、プーチン、トランプまで登場するという、もちろんノンフィクションではない小説です。

前作では退屈な老人ホームから脱出するところから始まりますが、今回も前作と同じく世界中でユーモアたっぷりのお年寄りが100年分の貫禄を見せつけるように、若造どもを圧倒します。

最後にアランはいいます「人生は一度きりだ。人生で確かなことはそれだけさ。どのくらいの長さか、それはいろいろだがな」

なんだか長生きすることが楽しくなる小説です。

良かったらちゃんとちゃんとのインスタのオススメブックカフェでも紹介してください、ちゃんとちゃんとの女神、清水さん。

 

『 ネオウイルス 』

“ウイルスは必ずしも人類の敵だとばかりは言えない”、という記事を見ました。

人類より遥か昔から存在するウイルスは時には生物の進化を促進することもあり、またプランクトンなどの急激な繁殖により起きる「赤潮」もウイルスの働きによって終息しているようです。

ウイルスを病原体として見るだけではなく、地球の生態系の一部として捉える。

細かく分かれているウイルス研究の専門家が、それぞれの分野を超えて研究するような”ネオウイルス学”というものもあるようです。

この世界を変えたウイルスもいつか私たちの進化を促進することにつながっているのかもしれない、言葉が適切かは置いといて、面白そうです。

 

 

 

『 new  normal 』

「さあ、新しい生活様式にしましょう」と言われても、そう簡単にはいかない仕事についてしまったことを悔やんでも仕方ないわけですが、不器用ながら出来る限り変わろうとしています。

ステイホームの時にもコソコソと犯罪者みたいに仕事をしていた者からすると、身の周りに関しては随分と元に戻りつつある気がします。

コロナで1番変わったことはマスクやソーシャルディスタンスではなく「メメント・モリ」じゃないかと思います。

 

今まで何の疑いもなく信じていたことが、本当は間違いだったのかも知れない。

新しい生活様式を海外では new normal と呼ぶようですが、普通が新しくなると思っていた以上に基本的な価値観が変わろうとしているのを感じます。

シーソーのように何かの価値が下がれば代わりに何かの価値が上がります、今まで社会的弱者だった立場の人達が世界を救うかもしれないし、アラン・カールソンみたいな、端にも棒にも引っかからないお年寄りが、角ばり続ける世界を丸く優しくするかもしれません。

メメントモリ(いつかは死ぬ)は決して後ろ向きな言葉ではないようです。

いつかは死ぬんだと思ったときに初めてやるべきことがクリアになったり、生きていく上で本当に大切にするべきことがわかったりするからのようで、やはり死を意識すること、それは大切なんだと思います。

2020年もコロナであっという間に半分が過ぎてしまいました。

ちゃんとちゃんとの学校はシニア支援プロジェクトとして、「年齢を重ねることの価値」を誰にも分かりやすい形で表現していくことを目指しています。

若者が憧れる生き方、生産性に縛られない生き方、誰かのために生きる生き方、そんなシニアの生き方が、こんなコロナの時代だからこそ光になると信じています。

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