『 ピタゴラスイッチ 』

無い無いと聞いたら欲しくなることがありますが、自分の周りの人達が無い無いと言いだすとさらに気になるもんだと思います。

偶然立ち寄ったスーパーの売り場を覗いてみるとやっぱり無い、ダメもとで店員さんに聞いてみる。

60代くらいのいかにも仕事が出来そうな女性の店員さんが「たったいま入ったところです!」突然救世主のように見えた店員さんは届いたばかりのダンボール箱をエプロンのポケットから取り出したハサミで器用に開けて、キラキラ輝く?それを取り出しました。いま話題の『どうぶつの森』というゲームです。

「今なら本体もありますよ!」と言われたので持ち運び用の本体とソフトを衝動買いしました、お金とマスクが届くことを信じて。

 

『 どうぶつの森 』

どうぶつの森は無人島でのテント暮らしから始まります、住人は動物で(人間も動物ですが)その島で釣りをしたり虫を獲ったりと好き勝手に暮らすというゲームです。

やり始めるとまず意外にシビアです、まず移住のための費用のローン返済が始まります。

それからすぐ壊れる釣竿や虫取り網にイライラしながら、支配者のようなタヌキにローン返済するために働きつづけます、ボーッとして全然働かない他の住人達の代わりに島を住みやすくしていくため、ただただ働きます。

実際の株のように値段が変動するカブ(野菜)を買って大儲けしようとしたりする要素もあるこのゲームは、可愛いキャラクターとはかなりギャップがあり、まあなんだか普通の生活みたいで、なかなか生々しいです。

そしてオンラインで離れた友人を自分の島に呼んだり、友達の島に遊びに行ったりできるのも人気の理由です。会いたくても会えないステイホームの時代にあっていたのだと思います。

ファッションや家のインテリアなど数多くのアイテムがありますが、イギリスに拠点を置くインテリア専門企業Olivia’sは新たなサービスとして『あつ森』におけるインテリアコーディネートのコンサルタントを開始するというニュースがありました、つまりバーチャル・インテリアコーディネーターです。

費用は1時間につき40ポンド(日本円で約5200円)のようです。高いのか安いのか、もうよく分からない話です。

 

世界的にも大ヒットしている『あつ森』がなぜここまでの人気があるのかは、ステイホームで会えない誰かと会えるだけではなく、島では色々なことを頼まれたり、毎日のようにやらなきゃならないことがあります、例えば草むしりをしないとそのうち島は雑草だらけになります。

「早起きは確かに面倒だけど、朝起きてやらなきゃならないことがある人は幸せだ」と誰かが言ってましたが、『あつ森』の人気の理由は誰かに必要とされていることを感じることが出来るからなんじゃないかと思います。

 

『 ピタゴラスイッチ 』

ニュージャージーと言えば初めて買ったボンジョビのアルバムを思い出しますが、今回の新型コロナウイルスでアメリカの死亡者数は10万人を超える事態となっています。

死亡者数が最悪なニューヨーク州に次いで死亡者が多かったのがニュージャージー州なんだそうです。

このニュージャージーで話題になっているのは、ナーシング・ホームです。ナーシングホームは、日本の老人ホームと老人病院を合わせたような高齢者向けの居住型福祉施設です。

コロナによってニュージャージーで死亡した1万1000人のうち5400人がナーシング・ホーム入所者で、全入所者の13人に1人が死亡したというニュースを見ました。ニュージャージー州とニューヨーク州では「施設の高齢者は重症化しても病院に移送しない」という方針が出されたことが関係しているのではとのことでした。

理由としては、施設にはベッドがあるので治療が可能ということのようですが、やはり病院と同じようにはいかなかったということで、高齢者を医療の対象から除外していたようなものだったことが問題になっています。

緊急時には何かを決めなければならないのは分かっていながら、残念で残酷な話だと思いました。

 

コロナの非常事態の中で多くの仕事が休業や、形を変えたりしています。「不要不急の外出はしないでください」と言われるときに「あなたの仕事は本当にいるの?」と言われているようでした。

確かに医療や物資の運搬などの仕事に携わっている人からすれば私の仕事は必要じゃないのかもしれないと思いましたし、それと同時にこれはなんだか嫌だなぁとも感じました。

必要かどうかを知らない誰かに決められるほど嫌なことはないなぁと。

 

多様性なんて言葉がよく使われていますが、パンデミックによってあらためて日本だけでも様々な人達がいて、世界に目を向けても様々な人達がいるんだと、あまりにも知らなかった自分がいました。

年齢、仕事や、身体の不自由な方、様々な習慣、大切にしている文化や信仰、医療や介護などの体制、衛生的とはいえない環境、それは共通の問題を抱えることになったからこそ、よりその違いが明確になってきた気がします、世界がそんなバラバラのパーツで出来ているんだとも思いました。

 

 

ピタゴラスイッチは大好きな番組のひとつですが、そのピタゴラ装置に使われるものは、オタマや、鉛筆、トイレットペーパー、金づち、、などなどたくさんの全く関係のないものを組み合わせてつくります。

効率化を目指して無駄なものを省いていくとピタゴラスイッチは面白くないし、一瞬で終わってしまいます。効率化とは真逆で無駄が多いから面白いし、バラバラの関係のないものがひとつでも欠けるとうまくいかないところがいちばんの魅力でもあります。

コロナが無くならないとすると、新しい生活が必要になりますが、気をつけながらもそれぞれが大切なものを、同じような想いの人が集まって守っていくしかない気がします。

動物がいないどうぶつの森なんて、高齢者がいない社会なんて、面白くありません。

 

 

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