「やはり醜の裏打ちのない美は美ではなく単に綺麗なだけなのか」
天才的なサックス奏者、スタン・ゲッツの伝記『スタン・ゲッツ―音楽を生きる―』(ドナルド・L・マギン)の書評からの抜粋で、書いたのはあのタモリさんです。
1927年にアメリカのフィラデルフィアで生まれた、ジャズテナーサックス奏者スタン・ゲッツは10代からプロとして活躍するような天才だったようです。
音楽家としての成功の反面、私生活はボロボロだったようです。
麻薬中毒、結婚相手も麻薬中毒、アル中、暴力、自殺未遂、強盗未遂、ヘロイン中毒で実刑、離婚裁判、収入のほとんどが麻薬代に消えていたようですから、まあめちゃくちゃです。
正直ジャズなんてよく分からないですが、なぜそんな人が美しい演奏ができるのか?
平凡な人生を送っていると、たどり着けない表現があるんでしょうか、良いか悪いかは別として、なんだかんだと色々あった人の方がなぜだか心に響く気がします。
『 ヴァーディ 』
「拒絶されることは終わりではなく旅の始まりだ」
と言ったのはイングランドのサッカー選手であるジェイミー・ヴァーディです。
15歳でプロの道を断たれた後も、町工場で汗まみれになりながらアマチュアとしてプレーし続けます。
8部リーグから頂点のプレミアリーグに上り詰め29歳にしてデビュー、そしてレスターという絶対優勝しないようなチームを優勝に導き自身は得点王になりました。
若くから注目されてスーパースターになっていく選手もいる中で、29歳というサッカー選手としては遅咲きでありながら、夢を諦めなかったヴァーディのゴールの数々は、美しいスーパーゴールが多いのも特徴です。
たくさんの経験と数多くの挫折が、より人を輝かせるのかもしれません。
『 生きられない 』
ビリー・ブラウンは5年の刑期を終えて出所する。お金もない、女性と付き合った経験もない、性格は神経質でわがままで見栄っ張りなダメ男です。親に結婚したと嘘をついて見ず知らずの女性を誘拐して妻のふりをさせます、ほんとにめちゃくちゃです。
そんなビリーにも一つの目的があります。それは自分に多額の借金を背負わせた相手を殺して、その後に自分も自殺することです。
映画『バッファロー66』は1998年に公開されたインディーズ作品です。主人公ビリー・ブラウンを演じるのがこの映画で監督や脚本も書いているヴィンセント・ギャロです。そして一部でこの映画は彼の自伝的作品ではないかともいわれています。
そんな映画『バッファロー66』での追い詰められたビリーの言葉が「生きられない…」です。
世の中に絶望したり、死のうとしたときに初めて気付くこと、こんなくだらない世の中で死ぬほうが馬鹿らしい。
そんな気持ちにさせてくれる映画で、好き嫌いはあると思いますが個人的には大好きです。
『 9月1日 』
中高生の自殺率が最も高い時期が、夏休み明け9月1日前後だといわれています。(自殺総合対策推進センター2018年8月発表)
そして自殺率は10代の自殺率だけが近年増加しているという結果が出ているのは、大きな問題だと思います。
よく思います、人生はそんなに素晴らしいものなのか?
メディアに取り上げられるような成功者、いわゆる社会的な勝者は氷山の一角で、成功者の下には数え切れない敗者がいるわけです。そして運良く成功者になったとしても、成功するまでにはそれ以上の失敗を経験しているはずです。
良いことよりはるかに悪いことの方が多いのが、みんなが躓いているのが人生なのかもしれません。
『 蹉跌 』
目まぐるしいスピードでアップデートされる時代に置いていかれないように必死に頑張ってついていき、周りの目や価値観ばかりを気にして生きていくのは疲れてしまいますし、不幸せです。
よく自慢話ばっかりする人がいますが聞いてる側からすれば、そんなの大して面白くないわけです。それより失敗した話の方が、恥ずかしかった話の方がはるかに面白いし、みんなを笑顔にしてくれる気がします。
まあ、笑い話にまでするには少しばかりは時間がいりますが、、
そんな時代だからこそ、お年寄りの出番だと思っています。
シニア世代の方の話がなぜか大好きです。正しいかどうかなんてどうでも良くなるような、その人にしか出せない味があります。
それは長い人生でたくさんの失敗を経験してきたからかもしれません。普段はニコニコしているお年寄りも実は今では考えられないような大変な過去があったりすることがたくさんあり、ほんとに面白いです。
絵の具を何度も何度も塗り重ねてきたような、色んな色が混ざり合ってつくられた人生の経験値はいまの時代には必要で、あらためて価値を見い出すべきだと思います。
嵐の中を飛んできた翼には、これから巣立つ鳥には飛び立つヒントなんかがあるはずです。疲れてしまった心に元気を与えたり、ほっこりさせてくれる、生きづらい時代のビタミンになるはずです。
『 敬老の日 』
ちゃんとちゃんとの学校では敬老の日には何かしたいなぁと、ずいぶん前から考えていました。そして幸田さんとちゃんとちゃんとの学校を始める前からやりたかった「100歳図書館」という企画をついに開催することになりました。
シニア世代の方々の人生の一場面から、元気をもらえるような写真展を9月14日に開催します。
ちゃんとちゃんとの学校の授業「100歳図書館」企画にご賛同いただいた NPO法人つくぼ片山家さん(岡山県倉敷市)とコラボ開催させていただきます。
地域のシニアの方有志8名のストーリーテラーが、若き幼き頃の「最高の1枚の写真」を見せながら、地元倉敷市の小学生達に世代を超えて楽しく語り合う授業です。
場所は 岡山県倉敷市の 由緒ある古民家であり、地域包括ケアの拠点「つくぼ片山家」にある能楽堂を使っての授業になります。
【詳しくはこちら】
「わたしものがたり」 ~写真で語ろう!地域とわたしの歴史~(ちゃんとちゃんとの学校 100歳図書館@くらしき)
そうこうしているうちに今年も、もうすぐ敬老の日を迎えます。
私達は様々なプロジェクトを、サポーターの方々の支援のもと活動しています。
2019年度から『ちゃんとちゃんとの学校』の記念すべき1期生のサポーター募集をスタートしております。
そして追加募集も始まりました!
シニアのジリツ支援に関心がある方ならどなたでもご参加いただけますので、是非皆様のご参加をお待ちしております。
詳細はこちらをご覧ください