『 ロンサム・ジョージ 』

一度だけ野宿したことがあります、18歳の頃、鳥取に合宿で運転免許を取りに行ったときのことです。

合宿だと早く免許を取れるはずが、色々あり予定より長くかかって、あと1日を残して合宿場から追い出されました。

お金がなく、仕方なく国道沿いのベンチ以外はなんにも無い、子供はきっとガッカリする公園で朝を待ちました。

夏でしたが、夜はやはり肌寒く、国道が横を走っていたのでオレンジの街灯はありましたが、トラックが時々通るだけで人気の無い公園は、やはり孤独と不安でいっぱいで、当時は携帯電話も持っていないので、名刺入れくらいのラジオを、冷たく硬いベンチに横になって聴いていました。 

このタイミングで聴くとよりグッとくる”ジェットストリーム”とか、地方ラジオのよく分からないDJの、よくわからない話も、1人よりはマシですからありがたく聴いていたら、2時頃に電池が切れて、本当に何も無くなってしまいました。

そこからは頭の中で妄想するしかありません、帰ったらああしようとか、友達はいま家でぬくぬくと寝てるんだろうなぁとか、牢獄に入ったらこんな気持ちになるんだろうか?…なんてことを色々と考えて、何度も時計を見ても、ほとんど進まない時間にうんざりしながら、夜の暗さと独りの辛さを知った、18の長い長い夜を過ごしました。

 

『 トータスとタートル 』

「鶴は千年、亀は万年」と亀は長生きの象徴でもありますが、実際には「鶴は20〜30年、亀は100〜200年」ぐらいのようです。

ちなみに英語ではウミガメをタートル(Turtle)、リクガメをトータス(Tortoise) というようです、そうなるとミュータントタートルズはマンハッタンの下水道生まれだからタートル(ウミガメ)、またウルフルズのトータス松本は大のリクガメ好きなのでトータス(リクガメ)なんだとか、まあ、そう考えると面白いですが、リクガメの中でも最大の大きさを誇るのが “Giant Tortoise” ゾウガメです。

 

『 ロンサム・ジョージ 』

そのゾウガメの中で、最も大きいゾウガメがガラパゴスゾウガメです。 

南米のエクアドルにあるガラパゴス諸島に生息するガラパゴスゾウガメは、大きなものは体長1.3m、体重300kgにもなります。

自然界には天敵がいなかったガラパゴスゾウガメですが、人間による乱獲で一時は絶滅の危機に瀕します、そしてガラパゴス諸島にあるピンタ島にいたガラパゴスゾウガメの仲間のひとつであるピンタゾウガメ(学名:Chelonoidis nigra abingdoni)は絶滅したと考えられていました。

それから60年以上してピンタ島で絶滅したと思われていたピンタゾウガメが発見されました。それが『ロンサム・ジョージ 』”ひとりぼっちのジョージ” です。

1971年に発見されたロンサム・ジョージがはガラパゴス国立公園に保護され、何十年にもわたって近くの島のゾウガメとの交配を試みましたが、どうやってもうまくいきませんでした。

そして2012年6月24日に亡くなったロンサム・ジョージは、もしかしたら100年近くの時をひとりぼっちで過ごし、そして最後のピンタゾウガメとなりました。

 

『 一人暮らし896万人 』

一人暮らしをする65歳以上の高齢者が2040年に896万人3千人になり、2015年より43.4%も増えることが国立社会保障・人口問題研究所が公表しました。

一人暮らしは、人に気を使わず、好きなことが自分のペースで出来るわけですから悪いことばかりではありません。実際に一人暮らしの高齢者の76.3%が『今のまま一人暮らしでよい』と考えている」という内閣府の調査結果もあります。

ただし、もしもの時に頼れる人が周りにいるかどうか、ということでは心配ではあります。

 

内閣府による平成27年度 第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果 (アメリカ・ドイツ・スウェーデン・日本) によると、

【同居の家族以外に頼れる人がいるか?】
という問いの中にある項目のひとつ

「頼れる人がいない割合は?」に対して日本(16.1%)が調査を行なった国で、最も高いという結果がでたようですから、心配ではあります。

 

『 ゆるいつながり 』

東日本大震災が、近所付き合いを含む、いわゆる地域コミュニティの大切さを再確認させてくれたと言われています。

昔に比べて、また都市部では特に稀薄になってしまった地域の繋がりは、災害時、つまり何かがあったときにはより重要で、大切な命を守る繋がりに変わります。

 

超高齢社会を生きていくには、何かの繋がりを持つことはこれから大切になるのではないでしょうか?

それは昔からあるご近所づきあいや、地域の祭りなどの行事だけではなく、趣味でもなんでもいいはずです。カラオケ仲間や、旅行仲間、80歳以上の女子会や、ズーズー弁を思いっきりしゃべる会、とにかくどこかに関わっていることは大切だと思います。

 

『 話がしたいよ 』

“2週間、誰とも話さない一人暮らしの男性高齢者が17%もいた” という衝撃的な調査結果が出たことがある調査、国立社会保障・人口問題研究所が行なった『生活と支え合いに関する調査』の2017年度調査によると、「長生きすることは良いことだと思う」割合が出ています。

全体的に年齢が高くになるにつれて、長生きすることは良いことだと答える割合が下がっています。

また会話頻度が毎日、2〜3日に1回、1週間に1回、2週間に1回以下、と分けると会話頻度が高いほど長生きするのは良いことだと答え、少ないほど否定的にとらえていることがわかります。

少しの挨拶や、普段の何気ない会話が、心に与える影響はかなり大きいわけですから、例えばただ一緒にご飯を食べるだけでも、そういう時間を作ることは、私達が思っている以上に価値があるのかもしれません。

反面、過度な付き合いはプライバシーや、心が疲れてしまう原因にもなりかねません。

隣の家に醤油を借りにいくと、驚かれてしまう時代ですが、その時代にあったちょうどよい距離感や、少しは楽しめるゆるさが大切だと思います。

アドラーによると「人は1人では生きていけない」わけですから、今までより、もっと自由で、どんどんゆるくつながっていくような形が、求められている気がします。

 

 

■□■シニア支援パーソンが集う勉強会

ちゃんとちゃんとの学校 2019社会人クラス  vol.2

2019年 4/25 (木) 19:00〜21:00 開催!

「シニアのジリツ」にまつわる情報・お仕事・サービスの情報、ちゃんとちゃんとの学校シニアクラス、フードクラス、サポーターの取り組みのご報告をお伝えしていきます。

また各プロジェクトの取り組みの課題やアイデアをみなさまとも共有したりお話したりする時間も予定しています!

ちゃんとちゃんとの学校はオープンな勉強会ですのでサポーターに限らず社会人・学生どなたでもご受講いただけます。

是非シーズン2を迎えたちゃんとちゃんとの学校に気楽に参加してみてください!

 

【開催日時】4/25 (木)

19:00〜21:00 (開場 18:40)

【開催場所】

クラブハウス会議室

東京都港区南青山2-2-8 DFビル5F

(地下鉄大江戸線・半蔵門線・銀座線 青山一丁目駅徒歩2分)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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