『 ちゃんとちゃんとのトリセツ 』

同じことを繰り返すのはやめようとスタートした『 ちゃんとちゃんとの学校 シーズン2 』ですが、昨年末に東京大学でキックオフして、いよいよ2月28日に社会人クラスがスタートしました。

 

『 東大の後 』

昨年の12月9日に東京大学で開催した『 ちゃんとちゃんとの学校@東京大学 』の後、私達が思っていた以上に反響がありました。『 ちゃんとちゃんとの学校 』を私達の街でもやってもらえませんか?というお問い合わせをいただいたり、何かの形で一緒に活動できないかなど、本当にありがたいお声を思いのほかいただきました。

ちゃんとちゃんとの学校の考え方に共感していただいて、そして今年中に実現の可能性がありそうなものを中心に幸田さんと出来る限り2人でお会いしに行きました。仕事の合間の時間にあっちに行ったりこっちに行ったりしている間に2ヵ月が経ちました。そしてたくさんの授業の種が、シニアの自立支援に繋がるゆめのたねが集まりました。

 

『 シーズン1からシーズン2へ 』

シニアの自立支援を “学ぶ” ことをテーマにしていたシーズン1から、シーズン2ではより具体的にしていく予定です。シーズン1の ”学ぶ“ からシーズン2では ”学ぶ“ ことに加えて ”実行する “ という段階にステップアップしていこうということです。そして2019年でちゃんとちゃんとならではのシニアの自立支援の形を模索しながら創っていきたいと思っています。

 

そのためにシーズン2から、ちゃんとちゃんとの学校は

・シニアクラス (シニア向けの授業を行う)【担当:広納】

・フードクラス (シニアの健康寿命を伸ばすためのフード開発)【担当:三谷】

・社会人クラス (シニア自立支援の事例を学ぶ、またシニア向け授業を作る企画)【担当:幸田】

と3つに分け、役割をより明確にしていきます。

 

『 トリセツ 』

今回は『 ちゃんとちゃんとの学校のトリセツ 』ということで、あなたがちゃんとちゃんとの学校をどう使うのか?というテーマで進めました。

 

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まず1つめの使い方として『 ① 事例を学ぶ 』ことがあげられます。全国の様々なシニア自立支援の興味深い取り組みを学ぶという使い方です。

今回は地域包括ケアシステムの説明と、その理想的なモデルにも取り上げられることがある神奈川藤沢市の高齢者福祉サービスの『あおいけあ』さんの取り組みを事例紹介させていただきました。

 

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また私と幸田さんも2回ほど行かせていただきましたが、日本全国から視察や見学が絶えないという千葉県多古町のタコ足ケアシステムの事例を紹介させていただきました。ちゃんとちゃんとの学校でも幸田さんが課外体験授業として3/9に行われる『 多古町 歩け歩け大会 』に参加しますので是非ご興味のある方は一緒にタコ足ケアシステムを体験してみませんか?

 

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そしてちゃんとちゃんとの学校@東京大学でも取り上げさせていただきましたが、俳優で介護福祉士でもある菅原直樹さんの劇団OiBokkeShiと三重文化会館の「介護を楽しむ」「明るく老いる」アートプロジェクトの老いのプレーパーク発表公演 『老いたら遊ぼう!老人ハイスクール』のレポートをさせていただきました。 

事例を学ぶことはシーズン1からですが、最新の高齢者の自立支援の取り組みを学ぶことが出来る。それがちゃんとちゃんとの学校の使い方の1つになります。

 

2つ目の使い方として『 ② 関わる 』という使い方を紹介しました。企業とちゃんとちゃんとの学校の関わり方など、今までにないような可能性が広がっていくのではないかということで、山梨で2つの企業と今年予定しているウォーキングイベント企画などを紹介しました。

 

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3つ目の使い方としては『 ③ 企画・実践する 』ということです。ここからがシーズン2らしくなってきます。

今回はちゃんとちゃんとの学校の一押しの “たべサプリ”  を取り上げてみました。

たべサプリはフードクラスのプロジェクトリーダーでもあるミタニホールディングスの三谷さんの商品です。サプリメントの素材を食べ物に入れるという試みは、超高齢社会のいま健康寿命を縮める要因でもある高齢者の栄養不足にも最適です。また一人暮らしの高齢者からするとどうしても栄養も偏りがちになりますから、手軽にバランスよく栄養を摂取する意味でも重要です。

三谷さんもちゃんとちゃんとの学校の取り組みからも一部ヒントをもらって開発した、という経緯もある “たべサプリ” は今年開催された健康博覧会などでも大注目されている話題の商品です。

今回はその考え方をもとに、ちゃんとちゃんとらしい、シニアの自立支援に繋がる『ちゃんとちゃんとの学校のオリジナルのたべサプリ』を開発し、そして販売しようというプロジェクトを立ち上げました。

フードクラスのプロジェクトリーダーである三谷さんを中心に一緒に作っていきたい人を募ってプロジェクトチームを作って実現していく予定です。ワクワクする企画だと思います、ご興味のある方はどんどん気軽にご参加ください。

 

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そしてこれは介護の現場から出てきた課題として、これだけ超高齢社会のいまも介護や認知症など高齢化社会の問題にたいして、多くの人は自分とは関係がないと思っていたり、介護や認知症を誤解している人も多くいるのが現実です。

そこにはどうしても距離があり、それを縮めるようなものが必要な気がしています、どうしても介護や認知症などの高齢化問題は暗い深刻なイメージがあり、近づきにくい気がしています。

その距離を縮めるようなことを出来ないかと考え始めたのが “まんが” です。より幅広く高齢化問題を理解してもらったり、正しく理解することはとても意味がありますし “まんが” や “アニメ” は言語の壁や国境も平気で越えていきます。

超高齢化社会は決して暗いことばかりではありません、超高齢化社会ならではの素晴らしさも”まんが”を通じて、例えば子供にも伝えていけたら素晴らしいなぁと思っています。このプロジェクトはまだまだなので企画段階からしっかりと作っていきたいと思っています、ご興味のある方ややる気のある方と一緒にスタート出来たらと思っています!

 

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今年岡山のある場所でスタート出来たらと考えているシニアと写真を通じて若い人達が交流するとっても魅力的なプロジェクトの話をさせていただきました。また他の地域でもスタートするかもしれないというプロジェクトを皆様にご紹介しました、是非関わっていただける方には詳しく決まり次第お知らせしますのでご協力いただけたらと思っています!

 

『シニア向けの未来の授業をつくる』

前半は私から色々と書いてきたような授業というよりも、シニア支援の授業のタネになるお話をさせていただきました。

そしていよいよ後半は幸田さんからそのタネをどう育てていくのか?というシニア支援に繋がる授業のつくり方についての授業がありました。

まずはこんな授業があったらいいというものを参加者の方たちで出し合いました。ルールはとにかく人の意見を否定しないで肯定する、そしてなるべく突拍子も無いアイデアを、みんなが驚くようなアイデアを出し合いましょうということになり、参加者の皆さんが目を輝かせながらどんどんと書いていただきました!

それからこれをもとにどんどん意見を出し合い、人の意見を伝えたり、質問したり、どんどん混ぜこぜにしていきました。

 

そして幸田さんのほうから、そのアイデアをどういう授業にしていくのか?という授業のつくり方のレクチャーがありました。内容は企業秘密です…。

たくさんのみずみずしいアイデアと、驚くような面白いアイデア、すぐにでもやりたいと思えるアイデアがたくさんでてきて参加者の方々の熱意と柔軟な発想に驚かされました、本当にやって良かったと思う瞬間でした。

 

 

『 ちゃんとちゃんとって何? 』

これはよく言われる言葉です、やっていながらなんですが、正直なんて答えたらいいのか、いつも難しいです。

「シニアの自立支援プロジェクトですよ」って答えたらこんどは「それは会社ですか? NPOですか?」とよく聞かれます。それに対して「いえいえ、民間の任意団体ですよ」って答えたら、不思議そうな顔で「そうなんですか」と言われる、そんなやりとりをよくします。

結局、好きでやっているだけなんです。企業だと通用しない考えだと思います、ただこれは仕事ではないので企業では出来ないことが出来るわけです。仕事では出来ないことをする、あー楽しい。

好きでやってることですが、もちろんそれだけじゃありません、絶対に変えていきたいことがあります、それが私達のエネルギーかもしれません。

シニアクラス、フードクラス、社会人クラス、だけではなく何らかの形でプロジェクトに関わってくれている皆さまと変えていきたいことがあります、昔から続いているような考え方をそろそろ変えていきたいんです。

お年寄りはこうなんだという固定概念から未だに脱却できていない気がします、お年寄りはみんな衰えるから助けてあげなきゃいけないというのは違うのではないかと思います。

もちろん助けが必要な人に対しては当然助けは必要です。ただみんなそうとは限らない、お年寄りだって若い人に負けないくらいバリバリ働く人もいます、お年寄りだってたくさん恋もします、お年寄りだって若い人より早く走れる人もいます、お年寄りに手を差し伸べるだけの社会ではなく、お年寄りは何かをしてもらうのではなくて、お年寄りが活躍するような社会にならなきゃいけないと思っています。ただそのときに若い人と同じ物差しで比べるのではなく、もっと様々な価値感があるはずです。

泥にまみれて畑仕事をするお年寄りの姿に感動する人がいたり、病気と闘いながら精一杯生きているお年寄りの姿や、そこにいるだけでみんなが和むような存在、バリバリ働いて輝くお年寄り、誰よりも笑いをとるお年寄り、超高齢社会になることでお年寄りは増えます、その多様なお年寄りの数だけ新しい価値が出来るんじゃないでしょうか?

ストリートミュージシャンに小銭を払う人がいるように、お年寄りの面白い昔話に小銭を払う人も出てくると素敵だなぁと思っています。

今までになかった新たな価値感がどんどん生まれていくような、それが形に出来るようなちゃんとちゃんとの学校にしたいと思っています!

 

『ちゃんとちゃんとの学校 シーズン2 』社会人クラスは隔月に開催します。2回目は4月の後半を予定しています。

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