『 音楽は素晴らしい 』

グラミー賞がそんなに素晴らしいのかどうかは正直よくわかりませんが、音楽は素晴らしいことは少しは分かります。ここ数年は国技の野球よりもサッカーが人気というキューバは音楽の国としても知られています。

マンボ、チャチャチャ、ボレロ、ラテンジャズ、ルンバ、ソン…これらの音楽のルーツはキューバ音楽なんだそうです。

スペイン系とアフリカ系の音楽が融合して生まれたキューバ音楽はそこに様々な要素が混じり合いキューバ革命の時代も超えて、ジャズと並び20世紀の大衆音楽に大きな影響を与えた存在です。

 

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』

18年ぶりに続編が出て久しぶりに見た『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』と続編『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ アディオス』ではそんなキューバ音楽の魅力と、その個性的で魅力的なミュージシャン達を観ることが出来るドキュメンタリー映画です。

映画やアルバムのタイトルにもなっている『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』は実在した会員制の音楽クラブの名前で、そのままバンド名にもなりました。

アメリカのギタリスト、ライ・クーダーがプロデュースしたアルバムはグラミー賞を受賞し400万枚を売り上げ、また「ベルリン天使の詩」でも知られるヴィム・ヴェンダースが監督したドキュメンタリー映画も世界的ヒットを記録しアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされるなど話題になりました。

 

『18年後』

92歳のギタリストを中心に50年代のキューバの大物ミュージシャンを集めたビッグバンドである“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”の18年後、グループで行う最後の世界ツアー『アディオス』の模様が続編では見ることが出来ます。

全編を通して感じるキューバのなんとも言えない空気感と、高齢のミュージシャンの味わい深過ぎる演奏や昔話、その日常のいつも通りの生活から自然に出てくる音楽は最新のテクノロジーや飾り尽くした今どきの音楽とはまた違って、とっても心地よくて音楽に詳しくない私でも楽しくなってきます。

お年寄りのバンドと言うと、どうしても若いミュージシャンと比べて劣るように見てしまいがちですが、実際はむしろベテランバンドしか出せない魅力に溢れていて、こんな演奏は若いバンドには真似できないだろうと思えますし経験や年齢を重ねたからこその凄みが感じられます。

やっぱりおばあちゃんの煮物があんなに美味しいのも同じことかも知れないと思ったりします、クックパッドでも見たらそこそこのものは出来るんでしょうけど、あの味は、本物はそう簡単には出来ないわけです。

 

『音楽の歴史』

音楽がいつから始まったのか?、どこからが音楽なのか?、などなどそんなことは誰も分からないようですが、雨や風の音や小鳥のさえずりを真似たのが始まりだとか、歩く時の足音から始まったのではないかとか、石器を作ったりする時に石を叩いたリズムだとか、色々と言われているようですが、はるか昔から生活の中には常に音があるわけなので人と音楽は切っても切れない関係があるということでしょうか?

そして宗教の世界でもキリスト教の賛美歌や、仏教の読経や木魚のあのリズムにも心を癒してくれる効果があるのかもしれません。

その音楽を心のケアとして使い始めたのは、アメリカで第一次世界大戦時に帰還兵のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に対して行われたことが最初だといわれています。

音楽療法は認知症に対しても脳を活性化させるといわれています。音楽療法には音楽を聴く受動的音楽療法と、歌ったり楽器を演奏したりする能動的音楽療法があります。その受動的音楽療法の中には”回想法“といって昔の音楽を聴くだけで認知症の方がその時代のことや周りの人達のことを思い出すこともあるわけですから、音楽の力はすごいもんだと思います。

 

『経験にはもっと価値がある』

音楽と共に人は生きているとすれば、人それぞれにその人の暮らしに寄り添った音楽があり、たったひとつしかない人生を彩っているんだと思います。先程の映画でも素晴らしい音楽と合わせてそれ以上に魅力的なのは登場するミュージシャン達の昔話です。インタビューの合間に流れる歌や演奏は今まで生きてきたことがそのまま音楽として表れていて魅力的で心に突き刺ささります。

 

悟り世代といわれる現在では、情報だけで頭でっかちになり体験してないことでもわかったように思いがちですが、当然ながら実際には多くの時間を体当たりで経験した人には敵いません。若い人達が何かのタイミングでお年寄りの実体験に触れたときに感じられるものには、もっと価値があると思います。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブではないですが超高齢社会の日本では魅力的な経験をされたカッコいいお年寄りがたくさんいらっしゃいます。御本人は価値がないと思っているかも知れないその経験が若い人達の心を揺さぶることも、人生に疲れた心を支えるエネルギーになることもあるはずです。

かけがえのない経験に新たな価値を見いだしたり、みんなでそれを共有することはまだまだ出来ていないことのような気がします。このちゃんとちゃんとの学校でやりたいことのひとつのテーマでもあり、今年皆さまと一緒に考えていきたいテーマでもあります。

 

12月9日に東京大学でスタートした シニアの自立を学ぶ『ちゃんとちゃんとの学校 シーズン2』がいよいよ2月28日より、ゆるくまじめにスタートします。シーズン1でお世話になった方も、もちろん初参加の方も大歓迎ですのでまたご参加お待ちしております。

 

ちゃんとちゃんとの学校 シーズン2  2019

社会人クラス vol.1

2019.2.28 (木)    19:00〜21:00

東京都港区南青山2-2-8  DFビル 5F

(地下鉄大江戸線・半蔵門線・銀座線 青山一丁目駅徒歩2分)

 

 

 

 

 

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