『壊れたおもちゃを修理するおもちゃ病院~シニアボランティア~』

12月の一大イベントの一つともなったクリスマス。今年も各おもちゃメーカーではクリスマス商戦が繰り広げられています。シニア世代の皆様の中にも、お孫さんからクリスマスプレゼントを頼まれている人も多いのではないでしょうか。

最近では、子供のおもちゃとは思えない程の精巧なもの、それに伴って高額なものというのが増えたように感じます。私たちが子供の頃に比べ、おもちゃを選ぶ幅が増え、次々と新しいおもちゃが発売されることで、子供たちが夢中になるようなおもちゃを見つけることが難しくなりました。

さらに、新しいおもちゃが次々と発売されることで、壊れたら次のものを買って、それが壊れたらまた次と、長く使わずに処分されてしまうおもちゃも増えたのではないでしょうか。使っているうちに壊れてしまうのは仕方のないことですが、それをすぐに捨ててしまうのではなく、修理できればなと思った事はありませんか?

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Photo by donnierayjones

■壊れたおもちゃを修理する「おもちゃ病院」

実は、壊れたおもちゃを無料で修理してくれるところがあるのです。それが「おもちゃ病院」です。おもちゃ病院とは、その名の通り壊れたおもちゃを治してくれる病院のことで、日本おもちゃ病院協会というボランティア団体が開設しています。

日本おもちゃ病院協会が開設するおもちゃ病院は、全国に470カ所ほどあり、1300名以上のおもちゃドクターがおもちゃの修理に携わっています。

おもちゃドクターは、各地域にお住まいのシニアの方々です。長年の経験や専門技術を生かして、丁寧に壊れたおもちゃを治してくれます。当然治す事のできないおもちゃもあるそうですが、完治率はなんと約9割だそうです。

壊れたおもちゃを治して、また使える様にするというのは、「物を大切にする心」を学んだり、「科学に対する興味」の切っ掛けとなったり、「物作りの楽しみ」や「思いやりの心」を養うためにも繋がり、子供たちにとって大変大きな意味があります。

さらに、おもちゃ病院は子供たちにとって有益なだけでなく、おもちゃドクターとして活躍するシニアにとってもメリットがあります。

■おもちゃドクターとして活躍するメリット

おもちゃドクターとして活躍することは、おもちゃの修理を通して、子供たちや地域住民との交流が持てたり、社会問題ともなっているシニアの引きこもりを防ぐことにも繋がります。

外に出て人と交流することは、認知症の予防にもなりますし、何よりシニアにとって良い刺激となり、元気に生き生きと毎日を暮らす糧ともなります。

実際におもちゃドクターとして働く人の多くは、「おもちゃを修理してあげた時に子供たちが見せる、割れんばかりの笑顔が何よりの励みになる」と言われます。また、悪戦苦闘しておもちゃの修理を終えた時には、「やりがい」や「いきがい」を感じると言う人も。

現在おもちゃ病院は、先に紹介した日本おもちゃ病院協会が開設しているだけでなく、各地域で独自におもちゃ病院を設立しているところも多く見られます。

「おもちゃの修理なんて経験ないから」「細かい作業が得意じゃないから」と言う人も、おもちゃドクターになる前には丁寧な研修を行ってくれるとのことですので、未経験からでも全く問題ないそうです。

是非皆様も街でも、こうしたおもちゃ病院があるようでしたら、一度覗いてみてはいかがでしょうか。

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