『 ポダイアトリー 』

プレパラートにのせるカバーガラスのように薄いこのコラムですが、ChatGPTがあるならこれから書かなくていいやと喜んでいました。でもこんな歪な文章は流石にAIでも無理なんじゃないかと思いながら久しぶりに書いています。

インターネットは1967年から、50年くらい前にできたものですが、そこには何千年前の文献の情報やら、アニメやゲームや最近の流行りものまであり、それを24時間休みなく自動学習したAIにはそれはそれは膨大な情報があるわけです。

ダラダラしてるばかりの人間にはかなうわけがありません、ただ負け惜しみみたいに、全てがそこにはあるわけじゃないだろと思ったりします。

 

エアロスミスがフェアウェルツアーを始めるようです、そういえば20年くらい前に、当時の会社の社員総会を食中毒だとか言ってさぼってエアロスミスのライブを観に行ったことがありました。

生で見るスティーブン・タイラーはおばちゃんみたいだけどカッコよくて、50代のバンドとは思えないパワフルさとその辺のバンドには真似できない凄みがありました。まるでステージ上で大きな龍がうねってるみたいな衝撃がありました。

スティーブンタイラーはもう75歳です、今回が最後になるような話ですが、そういえば20年前のライブもこれで最後かもしれないと言っていた気がしますから、今回もそうであってほしいなぁ、いつも閉店セールをしていた大阪の靴屋さんみたいに。

 

『 ポダイアトリー 』

ポダイアトリーとはアメリカの足病医学のことなんだそうです。

日本では水虫は皮膚科、外反母趾なら整形外科、下肢静脈瘤は血管外科とそれぞれ違う科で診てもらうものが、アメリカではまとめてポダイアトリー(足病医学)というものがあり、そこにはポダイアトリスト(足病医)という足を専門に診るお医者さんがいるんだそうです。

新しい「足」のトリセツ』という本に書いてありました。

この本は日本で唯一の足の総合病院である下北沢病院の、6人の医師と2人の理学療法士の方々の共同著書で、健康寿命をのばすために必要な歩くことの大切さと、靴底の減り方を見て正しい歩き方をしているかどうかの調べ方や、正しい爪の切り方などが書いてあり、なんとも興味深い本でした。そういえば足のことは知っているようで知らないことばかりかもしれません。

 

何かのきっかけで始めた仕事ですが、自分の仕事が少しでも健康寿命を伸ばすために役に立つようにと心掛けているつもりですが、本当にそうなっているのかと悩む日々でもあります。

思うようにいかないことのほうが多いですが僅かでもそこに向けて頑張らなきゃと働いているつもりです。

そして4月にコロナも落ち着いて久しぶりに開催した、正しい歩き方を学ぶウォーキングイベントでその想いはさらに強くなりました。

ちゃんとちゃんとの学校で歩き方の授業をしていただいた、スポーツ骨格サイエンティストの鈴木学さんから教えていただいたシニア世代の方々が

“いつまでちゃんとあるける歩き方”

をベースにしながら、山梨で健康をサポートする活動をしている株式会社Greenpassの加藤寛啓さんが、ちゃんとちゃんとの学校のウォーキングプロジェクトの新たなリーダーとしてスタートをきりました。

今回は高知から三谷さんも応援に来ていただき、Greenpassのアイドル青木さん、静岡からも同じような想いをもって参加いただきましたemm.ヘルスデザインの親里さんと宮坂さん、そしてそのお客様を含めた40名の方に歩き方の授業に参加いただきました。

この授業の元をつくっていただいた鈴木学さんは

「歩き方を変えるだけで、ずいぶんと変わることがあります。正しい姿勢で立つこと、正しい一歩を覚えること、それは決して難しいことではなく、ただ日常的に少し意識するだけなんです。

人は毎日歩きます、その歩き方が間違っているだけで膝や腰に負担がかかったり、つまづきやすくなったり、そして正しい姿勢をとるだけでも呼吸も変わります。たくさん歩く必要はありません、正しく歩くことが大切です。」

そんな話を以前してくれました。

今回の加藤さんの授業も素晴らしく、50代から90代までの参加者の皆さまは、はじめは緊張されている方もいましたが、優しくユーモアたっぷりに教えてくれる加藤さんと共にしだいに楽しく参加いただいて、お友達とおしゃべりしながら、でも真面目に学びながら授業が始まりました。

また今回から運動と合わせて、運動後に栄養を補うことも必要と三谷さんのミタニホールディングスさんからも協賛いただいたり、栄養の大切さも伝えてもらって無事授業は終了しました。

「ありがとう、歩くのを勉強したのは生まれてはじめてよ」「今日は出来たけどこれからできるかしら、継続が大切よね」終わったあとにはたくさんの笑顔とお声を聞くことができました。

トータル90分ほどの短い授業ですが、ほんの少し意識するだけで姿勢や歩き方が変わっていく方々を目の当たりにして、もっともっと授業の質を上げてもっともっと多くの場所でやるべき授業だと確信しました。

 

3人で始めたちゃんとちゃんとの学校ですがそのうちの1人三谷さんと、大阪にある豊中愛整骨院の院長をされている内田泰文さんと食事をする機会がありました。

この活動をいつも優しく見守っていただいている、東京大学名誉教授の眞鍋昇先生に講演いただいた東京大学で開催したちゃんとちゃんとの学校のイベントに、わざわざ大阪から参加いただいた内田さんは、少し話をするだけで誰でも好きになるような魅力的な人でした。

今の医療に限界を感じて様々な取り組みをなさっている内田さんは、とにかく患者さんに対する想いが強い人で「患者さんのために」という言葉が何度も何度も会話に出てきて、純粋にこういう方が地域にいてくれたらその地域の方は幸せだろうと思いました。

様々な資格を持ち体の動かし方から、歩き方に関してもプロフェッショナルな内田さんに、ちゃんとちゃんとの学校のウォーキングイベントにもアドバイスをいただいたり、参加したり、ご協力いただけないですか?

と酒の力を借りながらお願いしてみました。笑顔で「もちろん!いいですよ!僕をうまく使ってください」とありがたいお言葉をいただきました。

これからのちゃんとちゃんとの学校の、正しい歩き方を学ぶ授業をぜひ楽しみにしていてください。

 

5月と言えばもう4年にもなるのかと思いますが、あのときした約束を忘れないように頑張りますので、あっちで見守っていてください。

 

『 ミーアキャット 』

いつもならば年末年始は山梨のキャンプ場で過ごしていましたが、子どもの大学受験があり久しぶりに自宅で新年を迎えました。

受験は人生の大きなイベントのひとつだとは思いますが、どのような結果になろうとも大きな壁に真剣に向かいあっていくことは大切なんだとあらためて思います。

 

そんな姿を見ていると自分は挑戦しているのだろうか?と柄にも無く考えました。今年はたくさん失敗して、いつも以上にたくさん恥をかいて生きていこうと決めました。

 

『 レカネマブ 』

あと2年で700万人になると予測されている認知症ですが、その中の約60%がアルツハイマーです。

新年早々FDA(アメリカ食品医薬品局)は、日本とアメリカの製薬会社が共同で開発した「レカネマブ」をアルツハイマーの治療薬として承認したと発表しました。

アルツハイマーになった患者の脳では「アミロイドβ」と呼ばれる異常なたんぱく質がたまっていて、これによって神経細胞が壊れると考えられています。

「レカネマブ」はその「アミロイドβ」が固まる前の段階で人工的に作った抗体を結合させて取り除こうというもので、神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行そのものを抑える効果があるといわれています。前回話題になったアデュカヌマブ以上に学術的に効果が証明されたようですから期待してしまいます。

 

ただ、壊れてしまった神経細胞を再生させることはできないため、発症する前の「軽度認知障害」の段階に使用することが重要だとされています。

軽度認知障害には ”物忘れ” も含まれるわけですが、物忘れなんてしょっちゅうありますし、そうなると認知症の一歩手前っていつなんだろう?正確に分かる人なんているのかなぁ?

と考えるとこれまた難しい問題ですが、国内でも今年から使われるようになるかもしれないとのことですから、これからも目が離せないレカネマブです。

 

『 ミーアキャット 』

仕事ではサプリメントの卸をしていますが、近年はサプリメントを含めた栄養の摂取やバランスのとれた食事だけでは健康寿命を伸ばすことは難しいと強く感じています。運動や休養、そして精神的な部分も欠くことはできません。

昔ある方に「ホリスティック」って大事ですよと教えてもらったことがあります。ホリスティック(Holistic)とは「全体」という意味ですが、語源はギリシャ語の全体性という意味のホロス(Holos)、そしてそこから「whole」(全体)や「health」(健康)という言葉が生まれたんだそうです。

 

つまりある部分だけが良くてもダメで、健康とは本来もっと全体的に考えていくものかもしれません。

身体にいいモノばかりを食べたとしても心が病んでいては健康にはなれないし、精神的には問題が無かったとしても運動を全くしないと健康になれるはずはありません。

そう考えると、受験とも似ているのかもしれません。ある教科だけがいい点数がとれたとしても合格はできないわけですから、巷で良く聞く”これさえやれば健康になれる”なんていう方法などある訳ないということなんでしょう。なにごとも楽せず勉強を続けていかなくてはなりません。

「なぜ勉強しないといけないの?」子どもから言われたことがある質問の、その答えは無数にあると思いますが、大きな理由の1つは生きていく術を身につけるためなんだと思います。

アフリカの砂漠や草原に暮らしているミーアキャットは、”キャット”と名前にありますが猫ではなくマングースの仲間です。立って日光浴をしている姿が有名なミーアキャットですが、子育てをすることでも有名です。

群れで生活するミーアキャットは子どもが生まれると、自分の子どもではなくても群れの仲間が育児を手伝います。子どもを危険から守り、食事を運び、エサの探し方や天敵から身を守る術を教えます。これは人間以外の動物では珍しいことなんだそうです。

子どもが大人になり、生きていく為の術を学ぶことが ”今までの勉強” なんだとすると、生きていく時間が倍になったいまは、健康で長生きするための ”これからの勉強” をしていく必要があるんだと思います。

 

健康寿命とは日常的に医療や介護に依存せずに、自分自身で生命を維持でき、自立生活が可能な状態での生存期間を意味します。

WHOが発表した2022年版の世界保健統計(World Health Statistics)によると、男女平均の健康寿命が最も長い国は日本で74.1歳で、世界平均は63.7歳。 逆に健康寿命が最も短い国はアフリカのレソトで44.2歳です。

1位になった理由としては日本の平均寿命が男女平均84.5歳と世界的に見てもかなり長生きなことや、国民皆保険制度による医療の充実、身体に優しい日本食、そんなことも関係しているようです。

あと2年もすれば、3人に1人が65歳以上になる時代が来ます。介護保険制度の変更や、医療費や社会保障費の問題など中身を見れば手放しでは喜べない現状だと思います。

健康寿命から平均寿命の間、健康ではないその約10年間をいかに短くしていくのかは、どの世代にとってもこれから関わってくる大きな課題ではあります。

 

昨年末に岡山駅の新幹線乗り場にある、電話ボックスみたいなzoomなんかをする個室、なんて呼ぶのか知らない個室に入り打ち合わせをしました。

サプリメントを中心とした全国に展開している健康教室をベースに歩き方教室を展開していくこと、そしてそこから新たな展開を考えていくことが主な内容でした。

今まで以上に幅広い人たちに健康寿命を伸ばす活動ができないだろうかと、まあそんな話をしました。

そろそろただ販売するだけの場所から、本当にやりたいことに本当に役に立つ内容に歩き出したいなぁと思っています。

今いるこの場所は決して嫌いではありません、それはシニア世代の方と直接触れ合う時間の中にリアルだからこそ伝わることや、同じ空間にいるからこそ感じられることがあるからです。

必要な栄養も運動の仕方もそれぞれ違う、その人に合ったものを伝えてアドバイスする、それはこれからも続けていきたいですが、一方では限界を感じてたのも事実です。

そんなやりたかったことを、ありそうでなかったものをちゃんとちゃんとの学校も含めてやっていきたいと思います。

 

三流シェフ』という本をジャケ買いしました。

昨年末に「オテル・ドゥ・ミクニ」を閉じた世界的な料理人、三國清三シェフの今までとこれからが書かれています。料理なんてよく分かりませんが面白くてあっという間に読み終えてしまいました。

北海道の増毛(ましけ)という港町にある貧しい家で育ち、世界的な料理人になるまでが描かれています。

腕のいい漁師だった父親に言われたという一言が印象的でした。冬の大荒れの海で、凍えながら船を漕いでいるときに

「大波が来たら逃げるな、船の真正面からぶつかっていけ」

逃げようとして波を横腹に受ければ船は沈む、大波が来たら逃げずに舳先を真っ直ぐ波に向けて思いっ切り漕ぐしかない。

そんな言葉がグサっと刺さりました。年男だ、今年は頑張ろう。

 

 

 

WHOが発表した2022年版の世界保健統計(World Health Statistics)

『 FINAL 』

サッカーを見過ぎて、ほとんど睡眠をとらずに体調を崩しました。講演で早口で話をすると動悸があり少し苦しくなるので、出張の合間に病院に行って診てもらいました。

病院で症状を説明すると「人前で話すると誰でもドキドキしますよ」と同世代くらいのお医者さんから笑顔で言われました。

「いや、毎日人前でしゃべってるので、、」と言うと「じゃあ念のため心電図とレントゲンとりましょうか?」とまた楽しそうな顔で言われました。それからしばらくして診察室で心電図の結果を見せてもらいながら言われました。「これは、全く悪くないですね」

ほっとするのとなんだか恥ずかしいのと複雑でしたが、とりあえずはこれでひと安心だと森保監督のように深くお辞儀をして出張に出かけました。

大丈夫と言われたのですが、しばらくは安静にしようとしていると、取引先の女性スタッフに言われました。

「病院で大丈夫って言われたんだから平気ですよ、ほんとに男の人ってビビりですね」そう言われるとそんな気がしてきました。前から知っていましたが、やはり男なんかより女の人は強くて偉大です。

 

正直オフサイドディレイにはイライラした日々でしたが、もう明日から寝不足の生活から解放されると思うと少し寂しい気もします。

地位も名誉も手に入れたスーパースターたちが、緊張しながら死にものぐるいで戦ってきたワールドカップもいよいよ決勝になりました。

選手の他に監督やコーチ、試合には出られない選手、選手の食事や身の回りのサポートをするスタッフ、現地に駆けつけたサポーターやテレビにかじりついているファン、支援するスポンサー、そんな人達も選手と一緒になり、チームとして国を背負って戦っています。

あのチームワークが単なるフットボールの試合に深みと重みをあたえています。

そんなワールドカップもいよいよ大詰めです。アルゼンチンとフランスとの決勝では脇を固めるフリアンやグリーズマンも気になりますが、やはり今回はメッシが神になるのか?エムバペが新時代を開くのか?ここが最大の見どころでしょう。

フランスが戦力的には上だと思いますが、今回だけはメッシに優勝してほしいと思います。

 

『 生産的フラストレーション 』

青森県の八戸に来ています。そういえば昨日までいた岩手は大雪でしたが、八戸はそんなに雪が降らないようですっきりと晴れていました。

ホテルの近くにあるスーパーでお土産の南部せんべいを買いに行くついでに、探している本がないかと八戸ブックセンターに立ち寄りました。

そこまで大きくない店内には普通の本屋さんでは見かけないような面白そうな本が不規則に並んでいて、気がつけば長い時間ウロウロして、結局目当ての本とは全く違う本を買っていました。

なんとなく買った「子どもは4万回質問する」という本には、好奇心が低下しない人のほうが認知機能低下が起こりにくいことや、教育心理学者スーザン・エンゲルによると好奇心は4歳から衰えていることなどが書かれていました。そうだなぁ、そういえば質問してないなぁと考えさせられる内容でした。 

いまは分からないことがあればスマホ1つで事足ります。

インターネットの普及は質問の答えを最短距離で、しかも答えだけを教えてくれます。一方でそれは算数の問題集の答えだけを見て写しているようなものかもしれません。

本屋で探していた本だってAmazonだとお目当ての本だけが自宅に届きますが、探しにくい本屋で本を探すことや、その結果として買うはずもなかった新しい本との出会は本屋さんでしか出来なかった体験でした。

偶然買った本によれば、私の八戸での本屋さんの出来事は、当初買おうとしていた本まで最短距離で行けなかった(見つけることも出来なかったですが)ということが「生産的フラストレーション」であり、ネット社会ではその生産的フラストレーションの機会を奪われているということでした。

目的地も大事ですが、そこまで自分の足で歩いていく道の中にも同じくらい大切なものがあるんだと思います。それは面倒でストレスもたまる代わりに、目的以上に大切なものに出会える可能性があります。

 

友人と3人で始めたこのシニア支援のプロジェクトも、目的のシニア支援はもちろんのこと、そこでしかなかった出会いがあり、そこでしか体験出来なかったことがありました。

うまくいくかどうかよりも仕事の合間に出来ることをやろうと取り組んだときの経験のほうに価値があるような気がしています。

 

年齢を重ねるということは、数字だけの変化ではなく肉体的にも精神的にも変化はあります。

その変化は人によってまちまちで、何歳かで仕切りがあるような分かりやすい変化ではなく、なだらかな陸続きで気がつかないうちに変化していくものだと思います。

時に変化は受け入れたくないことでもありますし、フラストレーションが溜まることでもあります。

変化を恐れてしまうと年を重ねていくことは失うことが多く引き算のようですが、実際にはそれより得るもののほうが多いのではないでしょうか、けれどもそれは誰にも分かるような分かりやすさがありません。

そんな一見分かりにくい価値を、誰もが分かる価値にしていくことが遠回りのようでじつは大切なんじゃないかと思っています。

当たり前ですがみんな平等に歳をとります、心臓が動いてくれている間にやれることをやろう、好奇心を捨てずにやれることをやろうと思っています。

といっている間にあっという間にFINALになってしまいました、あー、すいません。

頑張れ、ちゃんとちゃんと、頑張れ、アルゼンチン。