『 距離を縮める 』

真っ暗な朝5時頃、寒さに震えながらガラガラのセブンイレブンで眠気覚ましのコーヒーを買い、車で向かったのは千葉県の多古町(たこまち)という町です。

 

『多古町』

千葉県の北東部、香取郡にある多古町は成田空港からバスで20分くらい、多古町という名前の由来は、昔は湖や沼が多かったからという多湖、また農民を意味する田子からきたとも言われています。

数々の映画やドラマのロケ地としても知られる多古町は自然に恵まれた美しい町であり、また”幻のお米” や “おかずのいらないお米” ともいわれる多古産こしひかりの多古米や、独特の粘り気があり食べるとリピーターになる人も多い大和芋などの産地としても知られています。

成田空港から駆けつけた幸田さんと予定より早く合流したので、多古町の行ってみたかった場所に行ってみました。

それは旧興新小学校です。1881年、今から138年前に出来た旧興新小学校は映画「永遠のゼロ」やNHKの連続ドラマ「梅ちゃん先生」のロケ地としても使われたことがある歴史ある史跡です。

田んぼの間にある細い凸凹の坂道を登っていくと、そこに旧興新小学校がありました。そしてとっても優しくフレンドリーなゲートボールをされている方々がいました、ご挨拶をして少しだけ見学させていただきました。

 

校舎の中には入れないですが、昔ここで学んでいた学生さんを思い浮かべたり、戦争も乗り越えて今もなおここに建ち続けることを考えるとあらためて歴史を感じました、またよそ者が来たと思ったのか分かりませんが、2人をジーっと見ていた猫もフレンドリーでした。

 

そして待ち合わせの時間に来ていただいたのは多古町役場の都市整備課の木川 祥宏さんです。遠方から毎回のようにちゃんとちゃんとの学校にも参加していただいた木川さんのおかげで、今回多古町に来ることができました。

多古町地域包括支援センターの平野 香さんをご紹介していただき多古町の地域包括ケアの取り組みについて聞かせていただきました。

 

『タコ足ケアシステム』

高齢化率とは総人口に占める65歳以上の割合ですが、人口約15000人の多古町は、2017年段階で高齢化率33.7%、全国平均の27.7%を上回り、(日本は皆そうですが)今後はさらに高齢化率も上がると予測されています。

どうしても介護職の方の人手が足りなく、その負担の中で疲弊されている介護従事者の方々も多くいらっしゃるなど、少子高齢化のいま、同じように他の多くの地域も抱える問題が山積みです。

従来の縦割り型のようなやり方では解決しない問題に対して、組織やしがらみを超えて活動されている方が今回お会いできた平野さんです。平野さんは優しく柔らかい物腰ですがお話を聞いていると、常に問題意識をもって様々な分野で活動されているスーパーな方でした。

その平野さん達がスタートした独自の取り組みが『タコ足ケアシステム』です。 

様々な地域の課題を立場や年代を超えて解決しようということは、素晴らしくて理想的です、ただ現実的には難しいのではと私は思っていました。

タコ足ケアシステムは行政に頼らず、あくまでゆるく楽しく、タコの足のように色々な壁を滑らかに乗り越え、その吸盤で人と人を繋いでいくシステムです。

そこにはリーダーになる人はいなく主人公は町の住民の一人一人なんだと感じました。リーダーは課題であるテーマによって軟体動物のようにその姿を変えます。

平野さんから今回ご紹介いただいたのは『とらや』さんです。 

そこには90歳になる女性が店番をしていて、そこによくお友達が来てお茶を飲むようなんですが、そこからこれをもとにしてランチ会を開催するようになったようです。そこには若い人や役場の人、高齢の方も参加されるようです。

そこでは年代を超えた交流があり、1人暮らしで丸一日誰とも会話をしない人も多くいる時代ですから、高齢の方にとっても1人で自宅で食べる食事とみんなで楽しく食べる食事では、その差は歴然ではないでしょうか?

こういう試みは決してすぐには数字には現れないので、成果としては分かりづらいことかもしれませんが、そういうことの積み重ねが助け合う町を作っていくものだと思いました。

私達のプロジェクトもゆるくまじめにというテーマでやっていたり、3人でスタートしたり、何か偶然とは思えない平野さんとの出会いに感謝しながら、『とらや』さんにご挨拶に寄りました。 

そして、幸田さんの昔からの知り合いの方がやっていらっしゃるバンブーさんというラーメン屋さんに、木川さんと幸田さんがランチに行くというので、私は別れて車に乗りました。

 

 

『最前線』

ラーメン屋さんに後ろ髪を引かれつつ、朝買ったコーヒーの残りを飲みながら出発しました。 

予想通り渋滞にも巻き込まれ、予定した時間からは3時間近く遅れて着いたのは東京の町田です。久しぶりに2人に会うためです。

古くからの友人でもある2人の女性はいま、介護現場の最前線にいます。現場で感じることなどを聞かせてもらうためにという理由が半分、それから大好きな2人に久しぶりに会うためという理由が半分です。

介護職はどうしても離職者も多くて、なかなか思うように休みも取れない2人とタイミングよく会うのはなかなか難しく、貴重な時間です。

 

『現場の人にはかなわない』

介護の現場では引っかかれたり噛まれたりすることはしょっちゅうですよ、急所を攻撃されたりベッドの鉄柵を折ったりする人もいて大変なこともあるけど、でも介護の仕事は好きだし楽しいですよと話をしてくれました。

あらためて最前線の現場で働いている2人を尊敬して、こういう人達のおかげで社会がまわっているんだ、やっぱり現場の人にはかなわないと思いました。

 

給料が安い介護の世界では仕事の合間にアルバイトをしている人もたくさんいるようですから、なんとも言えない気持ちになります、何か出来ることもあるはずです。お金よりも大切なことに対してこれだけ頑張っている人に対して、、楽しく話を聞いて2人と別れ仕事の打ち合わせに向かう途中で彼女達からメールが来ました。

 

「今の仕事は、何も知らないご家族とかとも良く関わるので、介護の職場意識と、介護ってことに関わりがなかった方々との距離をとても感じます。

ひろのうさんに、面白おかしく、この距離を縮めてもらいたいです!!

その距離を縮められれば、介護が必要な状態になることを恐れず、
出来ることが1つでもあることの素晴らしさを感じながら、介護も楽しめると思っています。

噛まれても、たたかれても、重度の認知症の方でも、嫌だと伝える能力が残っているということは喜ばしいことでもある、という感じでしょうか。」

とてもズシンと心に響いたメールでした。どうしても介護の世界と私達が暮らす日常生活の世界とでは距離があるということですが、超高齢社会のいま介護は遠い世界の話ではなく、ある日突然に誰にも関わってくることもあるとても身近なことです。

ただそう思っている人は私も含めてですがほとんどいなく、現場の方やそこに関わる人達とはかなりの距離があると思います。その距離を縮めることは介護現場だけでは難しいことだと思います。

今回の多古町のタコ足ケアシステムは様々な人と人との距離を近づけて問題に対して取り組んでいると思いました。私達のプロジェクトもその距離を縮めることに繋がっていくようにしなければと思い燃えています。

変わらなければならないのは高齢者や介護現場ではなく、私達なのではないでしょうか?

 

『 御調町 』

20代の後半に会社を辞めて、川崎の溝口にあるクノールのカップスープ工場で夜勤のアルバイトをしていた時期があります。

半分眠りながら乾燥した春雨をロボットみたいにカップに入れていく作業を朝まで続け、へとへとになりながら翌朝には就職活動をしていました。その頃の数少ない楽しみがラーメン巡りでした。

 

『 ラーメン 』

無職は、時間だけは沢山あるので行列のできるラーメン屋さんにはよく並びました。ラーメンの好みは年齢とともに変わったり、転職してからは全国に出張する機会も増えるとその土地土地で出会った美味しいラーメンもあります。もちろん北海道も京都も博多も美味しいですが、おすすめのラーメンのひとつが尾道ラーメンです。

濃い醤油色のスープは魚介と鶏ガラなどが合わさった深い味わいがあり、豚の背脂のミンチが浮かんでいます、麺はストレートで少し細い麺ですが、全体的に奇をてらってなくバランスがよく、昔懐かしい醤油ラーメンにも通じる味でもあります。その尾道ラーメンがある広島県の尾道市は、岡山市と広島市のちょうど間くらいにある瀬戸内の海と山の合わさる美しい街です。

 

『 御調町 』

尾道市から車で北に30分走ったところに御調町(みつぎちょう)という町があります。御調町は2005年3月28日に市町村合併により尾道市に編入された町で、古くは石見銀山の銀を、尾道まで運ぶ銀山街道の宿場町として栄えました。この御調町が超高齢社会のいま、テレビや新聞でもよく話題になる『地域包括ケアシステム』発祥の地です。

 

『 地域包括ケアシステム 』

“2025年を目途に、高齢者になっても住み慣れた地域で、自立した生活を最後まで送ることができるように、必要な医療、介護、福祉サービスなどを一体的に提供し、すべての世代で支え・支えられるまちづくりをすること”

そのためのしくみを『地域包括ケアシステム』と呼んでいるわけですが、その形は地域によって異なります。それぞれの地域にあった『地域包括ケアシステム』の構築が必要で、その中で住み慣れた地域で助け合いながら生活していくシステムづくりが求められています。そのシステムをつくることが全国各地で、来る2025年に向けて進められています。

 

『 寝たきりゼロ運動 』


この『地域包括ケアシステム』は今から40年以上も前の、1974年頃から御調町にある広島県公立みつぎ総合病院の、ある取り組みから始まりました。

【病院を退院してから寝たきりになってしまう患者が多い】その事実に対して、何か出来ないだろうか?

というところから、訪問看護、訪問リハビリなどの在宅ケアを医療と福祉が連携して「寝たきりゼロ運動」を行っていくという画期的な取り組みが始まりました。これが後に『地域包括ケアシステム』と呼ばれるようになりました。

介護保険制度が始まったり、介護や福祉の連携にプラスして医療サービスと介護サービス、生活支援なども含めて、より大きくその形を変えながら、また試行錯誤しながら『地域包括ケアシステム』が今ここにあるわけです。

 

 

 『 システム 』

4-2-3-1、4-4-2、4-3-3、、足して10になるこの数字の組み合わせはサッカーのシステムの名前です。

ゴールキーパーを除く全ての選手の配置を数字にしています。今の日本代表は4-2-3-1を使うことが多いので4人のディフェンダーと2人のボランチ、3人にミッドフィルダーと1人のフォワードみたいな感じです。

 

『 システムは重要ではない 』

世界一のサッカーの監督と言えば、プレミアリーグのマンチェスターシティを率いるジョゼップ・グアルディオラではないでしょうか?

歴史上1番強かったチームは?とサッカー好きに聞くとグアルディオラが率いていた頃のFCバルセロナだとよく言われますが、その後他のチームでもタイトルを取り続け、また常に新しいシステムを作り出す戦術のスペシャリストでもあるグアルディオラが、よく口にする言葉が「システムは重要ではない」という言葉です。

 

数秒単位で状況がコロコロと変わるサッカーでは、システム通りに選手が並んでいる瞬間はキックオフの時だけです。あとは常に動いています、つまり止まっている時間は無いわけです。

そして、その瞬間ごとに居るべき場所が変わり、やるべきことも変わる。そういうことが選手一人一人がわかっていることのほうがシステムより大切だとグアルディオラは言っています。(システム=決まりごと)その先に一人一人が何を考えてどう動くのか?

結局は選手それぞれが同じ目的に向かって自分達で考え、行動することが第1で、それをサポートするのがシステムかもしれません。

日本人は監督に怒られないようにすることを気にしてしまいがちですが、大切なことは監督に気に入られることよりもチームが勝つことです。

どうしてもシステムというとその中で決められたことだけをやればいいと思いがちですが、システムはゴールではなく、ゴールに行くための手段に過ぎないわけです。

 

『システムは誰のために 』

サッカーのシステムの目的はチームの勝利であり、『地域包括ケアシステム』の目的は高齢者が最後まで住み慣れた環境で自立した生活を送れるように細かい垣根をとっぱらってチームで協力することです。

システムのための活動ではなく、高齢者のための活動でなければならない、そして他の何かに寄り添うのではなく高齢者の方々に寄り添ったものでなければならないはずです。

そうでなければ絵に描いた餅になりそうです。

『 あと6年 』

新年明けましておめでとうございます、このプロジェクトも4年目のスタートになります。

これからもシニアの自立支援という大きなテーマを、まじめに、そしてゆるく、ちゃんとちゃんとらしくやってまいりますので、今年もよろしくお願い致します。

『 月の裏 』

2019年になり3日、中国の無人月探査機嫦娥 (じょうが) 4が月の裏側に着陸しました。月は月でも裏側は世界初のことです。月は常に同じ面を地球に向けて回っているので裏側は謎が多く、宇宙人が居るのでは?と友達から聞いたことがありますが、現実的には様々な資源などの面で注目をされています。

ちなみに嫦娥とは中国の神話に出てくる美しい女性の名前なんだそうです。いくつかのパターンの話が残っているみたいですが、嫦娥の夫がもらった不老不死の薬をめぐり争いがあり嫦娥は月の宮殿に行くことになります、夫は離れ離れになった嫦娥のために月に向かってお供えをした、これが月見の由来とも言われているようです。また道教では嫦娥は月の神になります。

『 未来のシナリオ 』

京都大学の広井良典教授と日立製作所(日立京大ラボ)AI(人工知能)を使って2050年を予測した未来のシナリオでは2万通りの未来の姿が予測されています。

未来の姿として確実な予測にあげられるのが少子高齢化と人口減少です。ポスト成長(非成長・非拡大)時代へシフトするいま、これからの日本が持続可能かどうかの大きな分岐点が、どうやら10年以内に来るということをAIが予測したようです。ふと見た元旦の新聞に書いてありました。

そして分かれ道で持続可能な道を選ぶためには、国の政策だけでは不十分で「個人の生き方が分岐を左右する」と広井教授が語っています。今までのような成長や拡大を目指すだけではそろそろ限界がきているようです。従来の固定観念にとらわれることなく、様々な新たな価値観を個人が見つけていくことに未来があるということのようです。

『もし家族が介護になったら、どうしたらいいのか?』

阿久津美栄子さんの著書『ある日突然始まる、後悔しないための介護ハンドブック』にはその答えが詳しく丁寧に書かれています。

阿久津さん御自身も30代後半の子育ての忙しい時期に御両親の介護を始められた経験から日本で初めて「母子手帳」の介護版にあたる「介護者手帳」制作し、小金井市を拠点に家族介護者の気持ちに寄り添った活動をNPO法人UPTREEにてされています。

『ある日突然始まる、後悔しないための介護ハンドブック』を読んだのは一昨年ですが、まず何をするのかということが細かく書かれています、行く窓口や、制度やかかる費用などとても勉強になります。そして同時に自分の親も永遠に元気でいるのではと思っていた自分がいることに気がつきました。さらに読んでいくと介護にはたくさんの人の助けを借りながらスタートすることが改めて感じられ、またとてもとても難しい介護のゴールのことも書かれていていました。一度は読んでみてもいい本ではないかと思います。

 

 1人では出来ないことを 』

先程の中国ではないですが、日本でも宇宙がもっと身近に感じられる時代に向け、運用コストの低減を実現した次世代ロケット「イプシロンロケット」の打ち上げプロジェクトがあります。

これまで3回行われ、今回4号機が1月17日にJAXAや民間企業や大学などの開発した機器や部品、超小型衛星、キューブサット(小型人工衛星)に宇宙実証の機会を提供する「革新的衛星技術実証プログラム」1号機として鹿児島県の内之浦宇宙観測所から打ち上げられる予定です。

ロケットの打ち上げには様々な企業やメーカー、またJAXAと軌道力学、材料力学、流体力学、熱力学、制御工学、電子工学、土木工学など各分野に精通した専門家も関わっていく大きな規模で、またそれぞれの専門性も必要とされるプロジェクトです。関わる人は十数万人を超えるのではないかともいわれており、宇宙開発のドリームチームです。

 

『 あと6年 』

3人に1人が65歳以上、65歳以上の5人に1人が認知症、介護難民が43万人を超え団塊の世代が75歳を迎えるという、いわゆる “2025年問題までいよいよあと6年になりました。

これからはシニアに関わる人も今まで以上に増えると思います。宇宙開発ではないですが高齢化問題も未知の世界という意味では同じかも知れません、日本が直面している超高齢社会は未だどの国も経験したことがないわけですから。

宇宙開発の世界も、介護の世界も、ちゃんとちゃんとの目指すシニアの自立の分野においてもこれからはドリームチームのような専門家や様々な立場の方々が数多く関わっていくことが大切で必要なことだと思います。

誰にも関わってくる問題まであと6年になりました。

 

シニアの自立とシニア支援パーソンが共に学ぶ『ちゃんとちゃんとの学校』シーズン2がいよいよ本格始動します、また今年もよろしくお願いいたします!

『 クリキンディ 』

スズメの半分もない世界最小の鳥、毎秒5080回も羽ばたき、その音がブンブンと飛ぶハチの羽音に似ていることからハチドリといわれている鳥がいます。

南アメリカの先住民に伝わる「ハチドリのひとしずく」という物語があります。

日本では10年以上前に文化人類学者で環境運動家の 信一(つじ・しんいち)さんが訳し話題になりました。

 

【 森が燃えていました

森の生き物たちは われさきにと 逃げて いきました

でもクリキンディという名のハチドリだけは 行ったり来たり

口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは 火の上に落としていきます

動物たちはそれを見て

「そんなことをして いったい何になるんだ」と笑います クリキンディはこう答えました

「私は、私にできることをしているだけ」】

地球規模で環境破壊が進む中、たった1人の努力ではどうにもならないかもしれない、ただそれでも出来ることをやることの大切さを考えさせられる話です。

『 ボヘミアンラプソディ 』

イギリスの伝説的なロックバンドQUEENのボーカリスト、フレディマーキュリーの半生を描いた映画が大ヒットしています。

昔よく聴いていたQUEENの歌とフレディマーキュリーの華やかで悲しい生き様に感動する映画で、特にラストのライヴエイドのコンサートは圧倒的です、その完全な再現は実際のライブエイドをYouTubeで見ればさらにわかります。

『 ライヴエイド 』

今から33年前、1985年7月13日に行われた20世紀最大規模のチャリティーコンサートがライブエイドです。

アフリカの飢餓救済のため、”1億人の飢餓を救う”というスローガンのもとにQUEENや、デヴィッド・ボウイ、U2、ミックジャガー、など世界中のミュージシャンが集結したライヴエイドはロンドンのウェンブリースタジアムに7万2000人、フィラデルフィアのJFKスタジアムに10万人の観客を集め全世界同時中継で130の国、190万の人が視聴し、あのWe are the worldもこのときに作られたという伝説的なチャリティーコンサートです。

『 ボブとミッジ 』

ブームタウン・ラッツのリーダー、ボブ・ゲルドフとウルトラヴォックスのヴォーカリスト、ミッジ・ユーロは雑談の中でテレビで見たエチオピアの飢餓問題について話題になり、何かできないかとイギリスとアイルランドのミュージシャンが集まり作ったのが『バンドエイド』というチャリティープロジェクトです。

バンドエイドの成功をもとにボブ・ゲルドフが世界中のミュージシャンを呼びかけてあの『ライヴエイド』になっていきます。20世紀最大規模のライヴエイドも最初は2人の雑談から始まったと考えると凄い話です。

『 老人ハイスクール 』

12月22日、23日に三重県文化会館で上演された『老人ハイスクール』を観るために私と幸田さんは三重県の津に行ってきました。

老人ハイスクールは「老人と演劇」OiBokkeshi(オイ・ボッケ・シ)と三重文化会館の「介護を楽しむ」「明るく老いる」をテーマにしたアートプロジェクトです。

今回「老人ハイスクール」に出演される方は19歳〜90歳の公募メンバーで、その大半は演劇をやったことがない人々です。

そして構成と演出をする菅原 直樹(すがわら・なおき)さんは岡山で介護に演劇を取り入れたワークショップや、高齢者とともに演劇をつくる活動をしている俳優で介護福祉士でもある多才な方です。

来場者で賑わっている受付では、明るいギターの生演奏が鳴りひびき、楽しく棺桶に入る入棺体験ができたり、最後に伝えたいラストワードを入れる可愛らしいポストがあったり、暗くなりがちな”死”を明るく考える空気がそこにはありました。

超満員で椅子を増設しながら、とうとう待ちに待った開演です。いきなり度肝を抜かれました。とても大半の人が初めて演劇をするとは考えられないレベルでした。よくテレビドラマに出てくるいぶし銀の俳優に引けを取らない、味わい深い、濃いキャラクターの人ばかりで、本当に楽しそうに舞台に立っている姿はキラキラ輝いて魅力的でした。お客さんも笑い声が絶えない不思議なあたたかい空間でした。

演劇ユニットの名前にもなっているOiBokkeshi(オイ・ボッケ・シ)(老い・ボケ・死)に、目を背けるのではなくどう向き合うか?避けて通ることの難しい問題に対して演劇の手法を取り入れることによって、介護者や介護される方もよりスムーズに気持ちよく過ごせるのではないか?

そんなヒントがたくさん出てくる見事な「老人ハイスクール」でした。

終演後に菅原さんとはお話をさせていただいて、タイミングが合えばちゃんとちゃんとの学校にも参加いただけるとの有難い言葉をお土産に津を後にしました。

菅原さんのように、このプロジェクトを始めたからお会いできた方々がいます、そういう方々は常に新しい挑戦をされていて、はじめるのはいつも小さな小さなスタートだと思います。熱意だったり考え方だったり、そのエネルギーが周りに伝染し、細胞分裂を繰り返し、大きな何かになるんだなぁと最近よく思います。そのためには挑戦を続けていくことが大切なんだとも、あらためて感じた気がします。

『 クリキンディ 』

何事も永遠に続くことは無いと思うことが昨日ありました。当たり前だったことがなくなるのはやっぱりつらいことですが、それはきっと後になって振り返ると意味があることなのかも知れないと思っています。今までの当たり前に感謝して新しいスタートを切ろうと思います。

いよいよ今年も終わろうとしています、来年にはクリキンディのような小さくても意味があるシニアの自立支援の活動を、どんどんチャレンジしていけたらと思っています。

今年も1年間、ちゃんとちゃんとの学校を応援いただきありがとうございます。皆さまの応援で成り立っているこのちゃんとちゃんとの学校もなんとか1年無事に終わることができました。本当にありがとうございます!

来年は4年目をスタートするこのプロジェクトを、また引き続き応援していただけると幸いです。良いお年をお迎えください。

『 シーズン2は東大から 』

2018年12月9日は、プロジェクトにとって忘れられない1日になりました。

師走の忙しい日曜日、しかもやっと冬らしくなった寒さの中にもかかわらず、全国各地からシニアの自立支援に関心のある方々にお集まりいただいて、美しいイチョウが舞う東京大学で “ちゃんとちゃんとの学校” のシーズン2がスタートしました。

 

『 苦しんだ再スタート 』

今回の感想を一言で表すなら、「苦しんだなぁ」ということかもしれません。

それはちゃんとちゃんとの向かっていく方向や、ちゃんとちゃんとしか出来ないことが果たしてあるのか?。

東京大学でチャレンジする機会をいただいたことは同時に、これからやっていく意味があるのか?ということを改めて私達が考える機会にもなりました。

そういう時間がとても長かったから “苦しんだなぁ” と感じたのかもしれません。

ただそういう時間がこのプロジェクトには必要だった気がします、12月9日はそういった気持ちが吹っ飛ぶような素晴らしい時間を過ごせた気がします。

 

『 素晴らしいチーム 』

シーズン1は幸田さんと私で、ある程度作っていた “ちゃんとちゃんとの学校” ですが、シーズン2からは立ち上げメンバーの三谷さんもしっかりと参加していただくことになり心強い限りです。

そしてシーズン1に参加いただいた森脇さん、楠本さん、清水さん、唐澤さん、三谷さんの会社から曽我部さん、シーズン1の事務局の渡部さんの有志9名と、シーズン1からいつも最高の写真を撮っていただいているカメラマンの松岡さん、今回風邪で参加出来なかった事務局の中山さん、当日にはシーズン1からの方々からのあたたかい応援もいただきながら、”チームちゃんとちゃんと”としてスタートを迎えました。

 

 

『 いよいよスタート! 』

張り詰めた緊張感の中、幸田さんと清水さんの司会でスタートした “ちゃんとちゃんとの学校” のシーズン2は、初参加の方々も多数いらしていたので、まず私から超高齢社会のキーワードでもある2025年問題や、プロジェクトの目的、そして “ちゃんとちゃんとの学校” のシーズン1の取り組みを説明させていただきました。 

そして今回からしっかり参加いただくミタニホールディングスの三谷さんからは、チャントチャントプロジェクトの立ち上げた頃から、真っ先に取り組んでいただいている料理教室などの話や(ちなみにプロジェクトの炎のマークも、私の子供の落書きの様な絵をミタニホールディングスの加藤さんにカッコよくデザインしてもらっています。)、 会社として取り組んでいる超高齢社会に対しての対策にもなるようなたべサプリや、来年に予定しているカフェ事業についても説明があり、ちゃんとちゃんとの学校を様々な角度からバックアップしてくれています。

そして今回はミタニホールディングスさんから参加者の方全員に、たべサプリシリーズ(乳酸菌マヨネーズ、サプリパン、タレサプリのアイケアドレッシング)のプレゼントがありました。 

ずいぶん前に東大でちゃんとちゃんとをするかもしれないと相談したら、ひとつ返事で僕も行きますと言ってくれたことが全てですが、今回も高知から飛んで来てくれることになった三谷さんは、とても行動力のある、とても熱く、とても頑固なプロジェクトに欠かせない人です。

 

『 100歳ごはん 』

そして今回の1部のメインでもある東京大学名誉教授、眞鍋 昇先生からの『100歳ごはん』という特別授業が始まりました。

東京大学名誉教授、内閣府食品安全委員会専門委員、学者の国会とも言われている日本学術会議の会員で日本を代表する食のスペシャリストでもある眞鍋先生からの特別授業は、何回聞かせていただいてもやはり特別でした。

健康寿命を伸ばしていくためには “食” は避けて通れないほど大切で、しかも間違った情報や、偏った健康法などの情報が氾濫するいま、正しい食の知識はかえって知ることが難しくなっているのかもしれません。先生の講義は自然体でとても分かりやすいので幅広い層の方々にも伝わります、またユーモアたっぷりであっという間に終わった気がします。とても深い内容の濃厚な”100歳ごはん”でした。

超高齢社会に対しての答えの1つになるような眞鍋先生の話を、1人でも多くの人に聞いていただくことがプロジェクトとしても大切なことだと思っています。 

眞鍋先生がいないとこの日は無かったわけですから、感謝してもしきれませんが、とんでもなく凄い方なのに誰に対してもとても優しく、そのお人柄に誰もが好きになってしまう先生です。この未熟なプロジェクトを優しく見守っていただいている気がして有難い気持ちでいっぱいになります。

 

 

後半のスタートは今回の”ちゃんとちゃんとの学校@東京大学”の運営のスタッフメンバーを紹介させていただきました、またプロジェクトのアドバイザーをしていただいている綿貫さんにも有難いご挨拶をいただいて始まりました。

 

『 人生100歳時代のお金との付き合い方 』

後半のスタートにふさわしいテーマ “人生100歳時代のお金との付き合い方” ではちゃんとちゃんとの学校シーズン1から参加いただいていて、今回のサポートメンバーでもある森脇 剛さんからの授業でした。 

山口県出身の森脇さんはファッション業界に憧れて18歳で上京しアパレル業界に入りますが、35歳の時に奥様の乳がんが見つかり保険の大切さやライフプランの重要性を知り、アクサ生命保険株式会社に転職されました。

今回はアクサ生命保険の大人気Webサイト「人生100年の歩き方」をもとにして、100歳が当たり前になる時代に向けて、今までの考え方を改める必要があるのではないか?またシニア世代の方々や若い方々も含めてお金に対していつ頃からどう取り組むべきなのか?私達がどういうライフプランを立てるべきなのか?などなど、日々の生活に欠かせないお金と超高齢社会についての興味深い授業をしていただきました。

森脇さんは私がよく知る保険会社の人とは雰囲気が違います。とても熱くて誠実で、少し不器用でもあるところがなんだか大好きです。こういうテーマは難しいのですが森脇さんの真っ直ぐな言葉には情熱があり、参加者の方々も考えさせられる、とてもためになる “100歳時代のお金との付き合い方” の授業でした。

 

『 人生100歳時代の介護と演劇の授業 』

「老いと演劇」OiBokkeShi(オイ・ボッケ・シ)という演劇ユニットで活動されている俳優であり、介護福祉士でもある菅原直樹さんの “介護と演劇” の活動内容を取材させていただいて授業にさせていただきました。

偶然にも見つけた「老人ハイスクール」演劇のチラシを見て、幸田さんとこれは素晴らしい!ということになり、1ヵ月前にも関わらず、駄目元で是非ともちゃんとちゃんとに来てもらいたいと、失礼と思いながら突然のメールをさせていただきました。

残念ながら菅原さんは予定があり来ていただくことが出来なかったわけですが「とても興味深い活動でぜひ協力させていただきたい」と、とても有難いお言葉をいただき、幸田さんが三重県まで行き稽古の取材をさせていただいたり、私は菅原さんの介護と演劇のワークショップを体験させていただきました。 

どうしても暗いイメージがある介護や、老い、ボケ、死に対してどう向き合うのか?、介護に演劇の要素を取り入れたという方法は画期的で、一筋の光のように私は感じました。

例えば認知症の方が正しいことを言っていない場合であってもあからさまに否定するのではなく、受け入れる、少しでも寄り添っていくということは介護される方だけではなく、介護者にもいい影響を与えることがあるようです。今回の授業では菅原さんの活動の一端を紹介させていただきました。

「介護はクリエイティブな仕事です」と菅原さんは言います、介護現場は第2の人生をつくっていく場所なのかもしれません。

そんな菅原さんが構成・演出をされる「老人ハイスクール」が12月22日(土)、23日(日)に三重県文化会館で上演されます、私と幸田さんはワクワクしながら観に行く予定です。

 

『 あったらいいな、こんな授業 』

後半は参加者の方々にちゃんとちゃんとの学校でこういう授業があったらいいなぁというご意見をいただきました。

シニアのファッションショーや合コンなどなどたくさんのユニークなご意見をいただきました、このプロジェクトは参加者の方々が主役でもありますので、またご紹介させていただきたいと思っています。

 

 

『ちゃんとちゃんとの学校のこれから』

シーズン2のスタートにあたり、3つの部門をつくり活動していくことになり、プロジェクト立ち上げメンバー3人の役割を明確にしました。

 

フードプロジェクトリーダー(食品の開発や、カフェ事業など)

三谷 浩幸

 

 

クラスプロジェクトリーダー(シニア向けのちゃんとちゃんとの授業をつくる)

広納 真介 

 

 

プロジェクトマネージャー(事務局、シニア支援の方々向けの研修)

幸田 涼

 

この体制でシーズン2はより幅広く活動していく予定です。

 

 

『 新たな価値観をつくりたい 』

ちゃんとちゃんとの学校は ” ゆるく、まじめに ” という気持ちでやっています。それは高齢者の自立支援というテーマは、とても重要であるからこそ、なかなか多くの人にとって気軽に参加しずらいテーマでもあります。1人でも多くの方に気軽に来ていただいて、楽しくまじめに考え始めていただきたいからです。

年齢を重ねると出来ないことが増えます、若い頃とは違います、足し算より引き算かもしれません。逆に年齢にかかわらず若い人に負けないくらいバリバリ働くスーパーシニアの方々もたくさんいらっしゃいます。これからの日本はお年寄りも働かなければならないということもひとつの事実です。

ただしそういう方々ばかりではありません、シニアも色々です。働かなければ価値がないというような考え方や、常に進歩しなければならないというような考え方だけでは、豊かな長寿国とはいえないのではと思っています。甘い考えと言われてもそういう方々に対して、新たな価値を見出していくちゃんとちゃんとの学校でありたいと思っています。

今回は全国のあらゆるところでちゃんとちゃんとの学校が出来たら素晴らしいなぁと感じました。

またシニアを応援するちゃんとちゃんとの学校では今回からサポーターも募集を開始しました!様々な形で高齢者の自立支援プロジェクトにご協力いただけたら幸いです。

今回はお忙しい中お時間を作っていただいたり、遠方からわざわざ参加いただいた方々も多数いらっしゃいまして有難い気持ちでいっぱいです。少しでもこのプロジェクトに関わって良かったと思っていただけるように頑張ってまいりますので、今後ともプロジェクトをよろしくお願いいたします。

最後にこのプロジェクトは幸田さんがいなくては何も始まらない、今回も誰よりも頑張っていただいたこのプロジェクトの核になる幸田さんに感謝したいです。そしてちゃんとちゃんとの炎のマークの周りに、まるでキャンプファイヤーのように多くの方々とみんなで集まって、最高のシーズン2にしていきたいと思っています。