『 音楽は素晴らしい 』

グラミー賞がそんなに素晴らしいのかどうかは正直よくわかりませんが、音楽は素晴らしいことは少しは分かります。ここ数年は国技の野球よりもサッカーが人気というキューバは音楽の国としても知られています。

マンボ、チャチャチャ、ボレロ、ラテンジャズ、ルンバ、ソン…これらの音楽のルーツはキューバ音楽なんだそうです。

スペイン系とアフリカ系の音楽が融合して生まれたキューバ音楽はそこに様々な要素が混じり合いキューバ革命の時代も超えて、ジャズと並び20世紀の大衆音楽に大きな影響を与えた存在です。

 

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』

18年ぶりに続編が出て久しぶりに見た『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』と続編『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ アディオス』ではそんなキューバ音楽の魅力と、その個性的で魅力的なミュージシャン達を観ることが出来るドキュメンタリー映画です。

映画やアルバムのタイトルにもなっている『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』は実在した会員制の音楽クラブの名前で、そのままバンド名にもなりました。

アメリカのギタリスト、ライ・クーダーがプロデュースしたアルバムはグラミー賞を受賞し400万枚を売り上げ、また「ベルリン天使の詩」でも知られるヴィム・ヴェンダースが監督したドキュメンタリー映画も世界的ヒットを記録しアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされるなど話題になりました。

 

『18年後』

92歳のギタリストを中心に50年代のキューバの大物ミュージシャンを集めたビッグバンドである“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”の18年後、グループで行う最後の世界ツアー『アディオス』の模様が続編では見ることが出来ます。

全編を通して感じるキューバのなんとも言えない空気感と、高齢のミュージシャンの味わい深過ぎる演奏や昔話、その日常のいつも通りの生活から自然に出てくる音楽は最新のテクノロジーや飾り尽くした今どきの音楽とはまた違って、とっても心地よくて音楽に詳しくない私でも楽しくなってきます。

お年寄りのバンドと言うと、どうしても若いミュージシャンと比べて劣るように見てしまいがちですが、実際はむしろベテランバンドしか出せない魅力に溢れていて、こんな演奏は若いバンドには真似できないだろうと思えますし経験や年齢を重ねたからこその凄みが感じられます。

やっぱりおばあちゃんの煮物があんなに美味しいのも同じことかも知れないと思ったりします、クックパッドでも見たらそこそこのものは出来るんでしょうけど、あの味は、本物はそう簡単には出来ないわけです。

 

『音楽の歴史』

音楽がいつから始まったのか?、どこからが音楽なのか?、などなどそんなことは誰も分からないようですが、雨や風の音や小鳥のさえずりを真似たのが始まりだとか、歩く時の足音から始まったのではないかとか、石器を作ったりする時に石を叩いたリズムだとか、色々と言われているようですが、はるか昔から生活の中には常に音があるわけなので人と音楽は切っても切れない関係があるということでしょうか?

そして宗教の世界でもキリスト教の賛美歌や、仏教の読経や木魚のあのリズムにも心を癒してくれる効果があるのかもしれません。

その音楽を心のケアとして使い始めたのは、アメリカで第一次世界大戦時に帰還兵のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に対して行われたことが最初だといわれています。

音楽療法は認知症に対しても脳を活性化させるといわれています。音楽療法には音楽を聴く受動的音楽療法と、歌ったり楽器を演奏したりする能動的音楽療法があります。その受動的音楽療法の中には”回想法“といって昔の音楽を聴くだけで認知症の方がその時代のことや周りの人達のことを思い出すこともあるわけですから、音楽の力はすごいもんだと思います。

 

『経験にはもっと価値がある』

音楽と共に人は生きているとすれば、人それぞれにその人の暮らしに寄り添った音楽があり、たったひとつしかない人生を彩っているんだと思います。先程の映画でも素晴らしい音楽と合わせてそれ以上に魅力的なのは登場するミュージシャン達の昔話です。インタビューの合間に流れる歌や演奏は今まで生きてきたことがそのまま音楽として表れていて魅力的で心に突き刺ささります。

 

悟り世代といわれる現在では、情報だけで頭でっかちになり体験してないことでもわかったように思いがちですが、当然ながら実際には多くの時間を体当たりで経験した人には敵いません。若い人達が何かのタイミングでお年寄りの実体験に触れたときに感じられるものには、もっと価値があると思います。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブではないですが超高齢社会の日本では魅力的な経験をされたカッコいいお年寄りがたくさんいらっしゃいます。御本人は価値がないと思っているかも知れないその経験が若い人達の心を揺さぶることも、人生に疲れた心を支えるエネルギーになることもあるはずです。

かけがえのない経験に新たな価値を見いだしたり、みんなでそれを共有することはまだまだ出来ていないことのような気がします。このちゃんとちゃんとの学校でやりたいことのひとつのテーマでもあり、今年皆さまと一緒に考えていきたいテーマでもあります。

 

12月9日に東京大学でスタートした シニアの自立を学ぶ『ちゃんとちゃんとの学校 シーズン2』がいよいよ2月28日より、ゆるくまじめにスタートします。シーズン1でお世話になった方も、もちろん初参加の方も大歓迎ですのでまたご参加お待ちしております。

 

ちゃんとちゃんとの学校 シーズン2  2019

社会人クラス vol.1

2019.2.28 (木)    19:00〜21:00

東京都港区南青山2-2-8  DFビル 5F

(地下鉄大江戸線・半蔵門線・銀座線 青山一丁目駅徒歩2分)

 

 

 

 

 

『 1センチの努力 』

いつになったら出てくるのか?

ずいぶん前に注文したのに、なかなか料理が出てこないとんかつ屋さんが大阪にありますが、それを忘れるほどの美味しさで仕方がなく行くわけです。とんかつ屋さんじゃないですが、リニアモーターカーもいつになったら出て来るのか、そういえば子供の頃から待っているわけですからそれはえらく長い待ち時間です。

正式にはリニア中央新幹線というみたいですが、2027年に東京〜名古屋間、2037年に東京〜大阪間が開通予定で、そうなると東京〜大阪間が67分になります。開通までなかなか時間がかかっているのは東京オリンピック以降の経済の問題や、騒音問題、電磁波問題、南アルプスのトンネル工事問題など問題は山積みということもあるようです。

時速438キロで走り、駅に停止する場所の誤差が1センチ以内になるみたいですから、まあやっぱりすごいもんです。

 

『 サプリメント 』

サプリメントの企画や開発、また卸をしながらエンドユーザーであるシニアの方々に、健康でいることの大切さや栄養の重要性を説明することを仕事としている私ですが、高齢者の方はせっかくサプリメントを買ったのに食べていないことが多々あります。食べ忘れたり買ったときに満足してしまうようです。

せっかく買ったなら食べてもらいたいもんですが、そんなことをいいながら私もよく食べるのを忘れます。人のことを言えたもんじゃありません。

サプリメントも栄養を気遣った食事も三日坊主ではなく、毎日こつこつと地道に続けていかなければなりません、少しずつの努力が健康につながるはずです。ただほんの少しのことですが、これがなかなか難しい。

 

『たべサプリ』

1月24日、プロジェクト立ち上げメンバーの1人で、ちゃんとちゃんとの学校ではフードプロジェクトリーダーをしているミタニホールディングスCEOの三谷さんが、東京ビックサイトで開催されている健康博に出展しているので見学に行ってきました。

見学に行ったつもりが、スタッフジャンパーを渡され手伝いをすることになりました。さすがミタニホールディングスです。そのミタニホールディングスは高知県の企業で地元高知の食材を中心に全国にお届けしています。

その他にも様々な取り組みをしていますが、会社設立当初から取り扱いをしている高品質なサプリメントをより食べやすく、また普段の食事から補うことが出来ればということから一般の食品にサプリメントの素材を入れるという『たべサプリ』シリーズを開発し、今回の健康博に出展しています。

私も初めて出展ブースに立ちましたが、よく知る有名な企業がとても関心をもっていることを肌で感じることができました。

病気になったら薬を飲めばいいという時代から、病気にならないように個人個人が気をつける時代へと変わっていくいま、生活習慣、特に食事がもつ意味は今まで以上に重要です。また食事で補えない栄養や不足しがちな栄養は補助的にサプリメントで補うことも大切だと思います。

『たべサプリ』はなかなかサプリメントが続かない人にもオススメですし、家族全員で手軽に始められるのもいいところです。これからの時代にはますます必要になるセルフケア、『たべサプリ』のような日々の少しずつの努力が大きな力になるはずです。

 

 

『 あおいけあ 』

幸田さんから話を聞いて、一度見学に行ってみたかったところの一つが『 あおいけあ 』です。なかなか行けなかったのですが、今回は施設の見学ではないですがタイミングよく公開勉強会があるというので参加させていただきました。

神奈川県藤沢市で高齢者福祉サービスを提供している『株式会社あおいけあ』は2011年に加藤 忠相(かとう・ただすけ)さんが設立しました。

加藤さんは東北福祉大学を卒業後、特別養護老人ホームに就職しますが実際の介護現場にショックを受けて退職されます。その後25歳で『あおいけあ』を設立します。いままでの介護の常識を覆す取り組みが国の進める地域包括ケアシステムの理想的な形の一つとして注目されていて、日本だけではなく世界中のメディアからも取り上げられています。

介護従事者の疲弊や人手不足、要介護度が悪くなるほど介護保険料は高くなる現状などに対して発想を変えた取り組みが注目されています。高齢者に対して付きっきりで介護することをやめ出来ることは自分でやってもらう、そして一人一人の入居者に合わせたサポートをし高齢者が活躍するようにしていきます、それは今まで介護される立場だった高齢者をその地域の資源にするという発想の転換です。現実的に要介護度が改善されている例も『あおいけあ』では珍しいことではないようです。

地域包括ケアシステムとは、“高齢者が要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい生活を最期まで送れるように、地域内でサポートし合うシステム”のことですが、もちろんその形は地域によって異なります。

藤沢市の『あおいけあ』ではどんどん壁を無くして誰もが関わるような、みんなを巻き込んでいくようなアイデアに満ち溢れていて、現実にそれが実現している凄いケースだと思います

 

『 アセスメント 』

『アセスメント』とはある事象を客観的に評価することなんだそうですが、介護福祉分野における『アセスメント』とは高齢者のニーズや可能性を把握するため、さまざまな情報を収集・分析することになります。それらを記したアセスメントシートはより良い介護福祉のためには欠かせません。

アセスメントシートには厚生労働省が指定する23項目(性別、年齢、住所などから、健康状態や問題行動、)などの課題分析標準項目があります。

『あおいけあ』のアセスメントシートには驚くほど多くのきめ細やかな情報が書かれていることが知られています。それは今までのようなアセスメントシートでは、本当の意味で入居者に寄り添うようなことは出来ないからではないでしょうか。

地域の方々を巻き込む、またその結果として生き生きとしたお年寄りが増えるだけではなく、子どもの新しい遊び場になり、主婦の集まる場所になり、従来のような閉ざされた介護の施設はその枠を超えてみんなで生活する新しい居場所になっています。そのためにはまずは一人一人のお年寄りの人生のストーリーに寄り添っていくことが最重要です。それはきっと有名な人や偉い人では出来ないことで、そういうことができるのは現場しかありません。毎日最前線で介護に携わる人達が新しい地域の形を創っていくのだと思います。

昨年から様々な形で介護に関わっている方にお会いしていますが、皆さんがいうのは介護の仕事は1番クリエイティブな仕事かもしれないということです。

 

今回は公開勉強会に参加させていただいただけですので、『あおいけあ』のごくごく一部しかわかっていませんので、できれば改めてプロジェクトの人達と取材に行きたいと思います。

とても感じることが多かった事例発表があり、歌を歌いながら紙飛行機を飛ばした後に、慶應義塾大学の井出 英策(いで・えいさく)先生からの税金の使い道を考える、目から鱗の授業を受けさせていただき大満足の一日でした。

その中で井手先生が、「1センチだけでもいいから向かう方向を変えましょう、そうすればこれから大きな違いになる」 と言われていました、介護の現場で頑張っている方にはかないませんが、私たちにしか出来ないこともあるはずです。

 

12月9日に東京大学でスタートした シニアの自立を学ぶ『ちゃんとちゃんとの学校 シーズン2』が2月28日より、ゆるくまじめにスタートします。シーズン1でお世話になった方も、もちろん初参加の方も大歓迎ですのでまたご参加お待ちしております。

 

ちゃんとちゃんとの学校 シーズン2  2019

社会人クラス vol.1

2019.2.28 (木)    19:00〜21:00

東京都港区南青山2-2-8  DFビル 5F

(地下鉄大江戸線・半蔵門線・銀座線 青山一丁目駅徒歩2分)

 

 

 

 

『 距離を縮める 』

真っ暗な朝5時頃、寒さに震えながらガラガラのセブンイレブンで眠気覚ましのコーヒーを買い、車で向かったのは千葉県の多古町(たこまち)という町です。

 

『多古町』

千葉県の北東部、香取郡にある多古町は成田空港からバスで20分くらい、多古町という名前の由来は、昔は湖や沼が多かったからという多湖、また農民を意味する田子からきたとも言われています。

数々の映画やドラマのロケ地としても知られる多古町は自然に恵まれた美しい町であり、また”幻のお米” や “おかずのいらないお米” ともいわれる多古産こしひかりの多古米や、独特の粘り気があり食べるとリピーターになる人も多い大和芋などの産地としても知られています。

成田空港から駆けつけた幸田さんと予定より早く合流したので、多古町の行ってみたかった場所に行ってみました。

それは旧興新小学校です。1881年、今から138年前に出来た旧興新小学校は映画「永遠のゼロ」やNHKの連続ドラマ「梅ちゃん先生」のロケ地としても使われたことがある歴史ある史跡です。

田んぼの間にある細い凸凹の坂道を登っていくと、そこに旧興新小学校がありました。そしてとっても優しくフレンドリーなゲートボールをされている方々がいました、ご挨拶をして少しだけ見学させていただきました。

 

校舎の中には入れないですが、昔ここで学んでいた学生さんを思い浮かべたり、戦争も乗り越えて今もなおここに建ち続けることを考えるとあらためて歴史を感じました、またよそ者が来たと思ったのか分かりませんが、2人をジーっと見ていた猫もフレンドリーでした。

 

そして待ち合わせの時間に来ていただいたのは多古町役場の都市整備課の木川 祥宏さんです。遠方から毎回のようにちゃんとちゃんとの学校にも参加していただいた木川さんのおかげで、今回多古町に来ることができました。

多古町地域包括支援センターの平野 香さんをご紹介していただき多古町の地域包括ケアの取り組みについて聞かせていただきました。

 

『タコ足ケアシステム』

高齢化率とは総人口に占める65歳以上の割合ですが、人口約15000人の多古町は、2017年段階で高齢化率33.7%、全国平均の27.7%を上回り、(日本は皆そうですが)今後はさらに高齢化率も上がると予測されています。

どうしても介護職の方の人手が足りなく、その負担の中で疲弊されている介護従事者の方々も多くいらっしゃるなど、少子高齢化のいま、同じように他の多くの地域も抱える問題が山積みです。

従来の縦割り型のようなやり方では解決しない問題に対して、組織やしがらみを超えて活動されている方が今回お会いできた平野さんです。平野さんは優しく柔らかい物腰ですがお話を聞いていると、常に問題意識をもって様々な分野で活動されているスーパーな方でした。

その平野さん達がスタートした独自の取り組みが『タコ足ケアシステム』です。 

様々な地域の課題を立場や年代を超えて解決しようということは、素晴らしくて理想的です、ただ現実的には難しいのではと私は思っていました。

タコ足ケアシステムは行政に頼らず、あくまでゆるく楽しく、タコの足のように色々な壁を滑らかに乗り越え、その吸盤で人と人を繋いでいくシステムです。

そこにはリーダーになる人はいなく主人公は町の住民の一人一人なんだと感じました。リーダーは課題であるテーマによって軟体動物のようにその姿を変えます。

平野さんから今回ご紹介いただいたのは『とらや』さんです。 

そこには90歳になる女性が店番をしていて、そこによくお友達が来てお茶を飲むようなんですが、そこからこれをもとにしてランチ会を開催するようになったようです。そこには若い人や役場の人、高齢の方も参加されるようです。

そこでは年代を超えた交流があり、1人暮らしで丸一日誰とも会話をしない人も多くいる時代ですから、高齢の方にとっても1人で自宅で食べる食事とみんなで楽しく食べる食事では、その差は歴然ではないでしょうか?

こういう試みは決してすぐには数字には現れないので、成果としては分かりづらいことかもしれませんが、そういうことの積み重ねが助け合う町を作っていくものだと思いました。

私達のプロジェクトもゆるくまじめにというテーマでやっていたり、3人でスタートしたり、何か偶然とは思えない平野さんとの出会いに感謝しながら、『とらや』さんにご挨拶に寄りました。 

そして、幸田さんの昔からの知り合いの方がやっていらっしゃるバンブーさんというラーメン屋さんに、木川さんと幸田さんがランチに行くというので、私は別れて車に乗りました。

 

 

『最前線』

ラーメン屋さんに後ろ髪を引かれつつ、朝買ったコーヒーの残りを飲みながら出発しました。 

予想通り渋滞にも巻き込まれ、予定した時間からは3時間近く遅れて着いたのは東京の町田です。久しぶりに2人に会うためです。

古くからの友人でもある2人の女性はいま、介護現場の最前線にいます。現場で感じることなどを聞かせてもらうためにという理由が半分、それから大好きな2人に久しぶりに会うためという理由が半分です。

介護職はどうしても離職者も多くて、なかなか思うように休みも取れない2人とタイミングよく会うのはなかなか難しく、貴重な時間です。

 

『現場の人にはかなわない』

介護の現場では引っかかれたり噛まれたりすることはしょっちゅうですよ、急所を攻撃されたりベッドの鉄柵を折ったりする人もいて大変なこともあるけど、でも介護の仕事は好きだし楽しいですよと話をしてくれました。

あらためて最前線の現場で働いている2人を尊敬して、こういう人達のおかげで社会がまわっているんだ、やっぱり現場の人にはかなわないと思いました。

 

給料が安い介護の世界では仕事の合間にアルバイトをしている人もたくさんいるようですから、なんとも言えない気持ちになります、何か出来ることもあるはずです。お金よりも大切なことに対してこれだけ頑張っている人に対して、、楽しく話を聞いて2人と別れ仕事の打ち合わせに向かう途中で彼女達からメールが来ました。

 

「今の仕事は、何も知らないご家族とかとも良く関わるので、介護の職場意識と、介護ってことに関わりがなかった方々との距離をとても感じます。

ひろのうさんに、面白おかしく、この距離を縮めてもらいたいです!!

その距離を縮められれば、介護が必要な状態になることを恐れず、
出来ることが1つでもあることの素晴らしさを感じながら、介護も楽しめると思っています。

噛まれても、たたかれても、重度の認知症の方でも、嫌だと伝える能力が残っているということは喜ばしいことでもある、という感じでしょうか。」

とてもズシンと心に響いたメールでした。どうしても介護の世界と私達が暮らす日常生活の世界とでは距離があるということですが、超高齢社会のいま介護は遠い世界の話ではなく、ある日突然に誰にも関わってくることもあるとても身近なことです。

ただそう思っている人は私も含めてですがほとんどいなく、現場の方やそこに関わる人達とはかなりの距離があると思います。その距離を縮めることは介護現場だけでは難しいことだと思います。

今回の多古町のタコ足ケアシステムは様々な人と人との距離を近づけて問題に対して取り組んでいると思いました。私達のプロジェクトもその距離を縮めることに繋がっていくようにしなければと思い燃えています。

変わらなければならないのは高齢者や介護現場ではなく、私達なのではないでしょうか?

 

『 御調町 』

20代の後半に会社を辞めて、川崎の溝口にあるクノールのカップスープ工場で夜勤のアルバイトをしていた時期があります。

半分眠りながら乾燥した春雨をロボットみたいにカップに入れていく作業を朝まで続け、へとへとになりながら翌朝には就職活動をしていました。その頃の数少ない楽しみがラーメン巡りでした。

 

『 ラーメン 』

無職は、時間だけは沢山あるので行列のできるラーメン屋さんにはよく並びました。ラーメンの好みは年齢とともに変わったり、転職してからは全国に出張する機会も増えるとその土地土地で出会った美味しいラーメンもあります。もちろん北海道も京都も博多も美味しいですが、おすすめのラーメンのひとつが尾道ラーメンです。

濃い醤油色のスープは魚介と鶏ガラなどが合わさった深い味わいがあり、豚の背脂のミンチが浮かんでいます、麺はストレートで少し細い麺ですが、全体的に奇をてらってなくバランスがよく、昔懐かしい醤油ラーメンにも通じる味でもあります。その尾道ラーメンがある広島県の尾道市は、岡山市と広島市のちょうど間くらいにある瀬戸内の海と山の合わさる美しい街です。

 

『 御調町 』

尾道市から車で北に30分走ったところに御調町(みつぎちょう)という町があります。御調町は2005年3月28日に市町村合併により尾道市に編入された町で、古くは石見銀山の銀を、尾道まで運ぶ銀山街道の宿場町として栄えました。この御調町が超高齢社会のいま、テレビや新聞でもよく話題になる『地域包括ケアシステム』発祥の地です。

 

『 地域包括ケアシステム 』

“2025年を目途に、高齢者になっても住み慣れた地域で、自立した生活を最後まで送ることができるように、必要な医療、介護、福祉サービスなどを一体的に提供し、すべての世代で支え・支えられるまちづくりをすること”

そのためのしくみを『地域包括ケアシステム』と呼んでいるわけですが、その形は地域によって異なります。それぞれの地域にあった『地域包括ケアシステム』の構築が必要で、その中で住み慣れた地域で助け合いながら生活していくシステムづくりが求められています。そのシステムをつくることが全国各地で、来る2025年に向けて進められています。

 

『 寝たきりゼロ運動 』


この『地域包括ケアシステム』は今から40年以上も前の、1974年頃から御調町にある広島県公立みつぎ総合病院の、ある取り組みから始まりました。

【病院を退院してから寝たきりになってしまう患者が多い】その事実に対して、何か出来ないだろうか?

というところから、訪問看護、訪問リハビリなどの在宅ケアを医療と福祉が連携して「寝たきりゼロ運動」を行っていくという画期的な取り組みが始まりました。これが後に『地域包括ケアシステム』と呼ばれるようになりました。

介護保険制度が始まったり、介護や福祉の連携にプラスして医療サービスと介護サービス、生活支援なども含めて、より大きくその形を変えながら、また試行錯誤しながら『地域包括ケアシステム』が今ここにあるわけです。

 

 

 『 システム 』

4-2-3-1、4-4-2、4-3-3、、足して10になるこの数字の組み合わせはサッカーのシステムの名前です。

ゴールキーパーを除く全ての選手の配置を数字にしています。今の日本代表は4-2-3-1を使うことが多いので4人のディフェンダーと2人のボランチ、3人にミッドフィルダーと1人のフォワードみたいな感じです。

 

『 システムは重要ではない 』

世界一のサッカーの監督と言えば、プレミアリーグのマンチェスターシティを率いるジョゼップ・グアルディオラではないでしょうか?

歴史上1番強かったチームは?とサッカー好きに聞くとグアルディオラが率いていた頃のFCバルセロナだとよく言われますが、その後他のチームでもタイトルを取り続け、また常に新しいシステムを作り出す戦術のスペシャリストでもあるグアルディオラが、よく口にする言葉が「システムは重要ではない」という言葉です。

 

数秒単位で状況がコロコロと変わるサッカーでは、システム通りに選手が並んでいる瞬間はキックオフの時だけです。あとは常に動いています、つまり止まっている時間は無いわけです。

そして、その瞬間ごとに居るべき場所が変わり、やるべきことも変わる。そういうことが選手一人一人がわかっていることのほうがシステムより大切だとグアルディオラは言っています。(システム=決まりごと)その先に一人一人が何を考えてどう動くのか?

結局は選手それぞれが同じ目的に向かって自分達で考え、行動することが第1で、それをサポートするのがシステムかもしれません。

日本人は監督に怒られないようにすることを気にしてしまいがちですが、大切なことは監督に気に入られることよりもチームが勝つことです。

どうしてもシステムというとその中で決められたことだけをやればいいと思いがちですが、システムはゴールではなく、ゴールに行くための手段に過ぎないわけです。

 

『システムは誰のために 』

サッカーのシステムの目的はチームの勝利であり、『地域包括ケアシステム』の目的は高齢者が最後まで住み慣れた環境で自立した生活を送れるように細かい垣根をとっぱらってチームで協力することです。

システムのための活動ではなく、高齢者のための活動でなければならない、そして他の何かに寄り添うのではなく高齢者の方々に寄り添ったものでなければならないはずです。

そうでなければ絵に描いた餅になりそうです。

『 あと6年 』

新年明けましておめでとうございます、このプロジェクトも4年目のスタートになります。

これからもシニアの自立支援という大きなテーマを、まじめに、そしてゆるく、ちゃんとちゃんとらしくやってまいりますので、今年もよろしくお願い致します。

『 月の裏 』

2019年になり3日、中国の無人月探査機嫦娥 (じょうが) 4が月の裏側に着陸しました。月は月でも裏側は世界初のことです。月は常に同じ面を地球に向けて回っているので裏側は謎が多く、宇宙人が居るのでは?と友達から聞いたことがありますが、現実的には様々な資源などの面で注目をされています。

ちなみに嫦娥とは中国の神話に出てくる美しい女性の名前なんだそうです。いくつかのパターンの話が残っているみたいですが、嫦娥の夫がもらった不老不死の薬をめぐり争いがあり嫦娥は月の宮殿に行くことになります、夫は離れ離れになった嫦娥のために月に向かってお供えをした、これが月見の由来とも言われているようです。また道教では嫦娥は月の神になります。

『 未来のシナリオ 』

京都大学の広井良典教授と日立製作所(日立京大ラボ)AI(人工知能)を使って2050年を予測した未来のシナリオでは2万通りの未来の姿が予測されています。

未来の姿として確実な予測にあげられるのが少子高齢化と人口減少です。ポスト成長(非成長・非拡大)時代へシフトするいま、これからの日本が持続可能かどうかの大きな分岐点が、どうやら10年以内に来るということをAIが予測したようです。ふと見た元旦の新聞に書いてありました。

そして分かれ道で持続可能な道を選ぶためには、国の政策だけでは不十分で「個人の生き方が分岐を左右する」と広井教授が語っています。今までのような成長や拡大を目指すだけではそろそろ限界がきているようです。従来の固定観念にとらわれることなく、様々な新たな価値観を個人が見つけていくことに未来があるということのようです。

『もし家族が介護になったら、どうしたらいいのか?』

阿久津美栄子さんの著書『ある日突然始まる、後悔しないための介護ハンドブック』にはその答えが詳しく丁寧に書かれています。

阿久津さん御自身も30代後半の子育ての忙しい時期に御両親の介護を始められた経験から日本で初めて「母子手帳」の介護版にあたる「介護者手帳」制作し、小金井市を拠点に家族介護者の気持ちに寄り添った活動をNPO法人UPTREEにてされています。

『ある日突然始まる、後悔しないための介護ハンドブック』を読んだのは一昨年ですが、まず何をするのかということが細かく書かれています、行く窓口や、制度やかかる費用などとても勉強になります。そして同時に自分の親も永遠に元気でいるのではと思っていた自分がいることに気がつきました。さらに読んでいくと介護にはたくさんの人の助けを借りながらスタートすることが改めて感じられ、またとてもとても難しい介護のゴールのことも書かれていていました。一度は読んでみてもいい本ではないかと思います。

 

 1人では出来ないことを 』

先程の中国ではないですが、日本でも宇宙がもっと身近に感じられる時代に向け、運用コストの低減を実現した次世代ロケット「イプシロンロケット」の打ち上げプロジェクトがあります。

これまで3回行われ、今回4号機が1月17日にJAXAや民間企業や大学などの開発した機器や部品、超小型衛星、キューブサット(小型人工衛星)に宇宙実証の機会を提供する「革新的衛星技術実証プログラム」1号機として鹿児島県の内之浦宇宙観測所から打ち上げられる予定です。

ロケットの打ち上げには様々な企業やメーカー、またJAXAと軌道力学、材料力学、流体力学、熱力学、制御工学、電子工学、土木工学など各分野に精通した専門家も関わっていく大きな規模で、またそれぞれの専門性も必要とされるプロジェクトです。関わる人は十数万人を超えるのではないかともいわれており、宇宙開発のドリームチームです。

 

『 あと6年 』

3人に1人が65歳以上、65歳以上の5人に1人が認知症、介護難民が43万人を超え団塊の世代が75歳を迎えるという、いわゆる “2025年問題までいよいよあと6年になりました。

これからはシニアに関わる人も今まで以上に増えると思います。宇宙開発ではないですが高齢化問題も未知の世界という意味では同じかも知れません、日本が直面している超高齢社会は未だどの国も経験したことがないわけですから。

宇宙開発の世界も、介護の世界も、ちゃんとちゃんとの目指すシニアの自立の分野においてもこれからはドリームチームのような専門家や様々な立場の方々が数多く関わっていくことが大切で必要なことだと思います。

誰にも関わってくる問題まであと6年になりました。

 

シニアの自立とシニア支援パーソンが共に学ぶ『ちゃんとちゃんとの学校』シーズン2がいよいよ本格始動します、また今年もよろしくお願いいたします!