『 共感の欠如 』

イタリアのサッカー選手バロテッリが試合中に観客席にボールを蹴り込み、試合が中断しました。

原因は相手チームのサポーターから出た、バロテッリに対する人種差別のチャントでした。

バロテッリは怒りで立ち去ろうとしますがチームメイトに説得され、再びピッチに戻り、ゴールを決めました。

バロテッリは問題をよく起こすことでも知られていますが、これはよくやったと思いました。

 

 

『JOKER』

圧倒的にDCよりマーベルが好きですが、『JOKER』にはやられました。久しぶりの名作でした。

映画の話です。

正しいと思うことは人によって違い、それが争いを起こすというのが世の常です。

 

1955年から約20年にもおよんだベトナム戦争は、北ベトナム側の推定戦死者数117万7千人、南ベトナム側は28万5千人、そして南北合わせた民間人の死者数は458万人以上にもなった壮絶な悲惨な戦争でした。

1960年代、ベトナム戦争にアメリカが本格的に軍事介入を始めてから、いつ徴兵されるかもしれないアメリカの若者を中心に反戦運動が活発になります。

さらに70年代にかけての雇用率の低下など先が見えない社会問題に対する不満、そんな1960〜70年代の反体制的な時代の影響をうけて作られた映画をアメリカン・ニューシネマと呼び、先程の映画『JOKER』はその現代版ともいわれています。

母親の介護をしながらコメディアンを目指していたジョーカーが、悪役のジョーカーになるまでが描かれているこの映画では、悪役が徐々に正義の味方に見えてきてしまう映画です。

監督のトッド・フィリップスが描きたかったものは「共感」と「共感の欠如」なんだそうです。

 

『 ジェネレーションX 』

ジェネレーションXとは、ケネディ政権の時代からベトナム戦争終結後までの時代にアメリカで生まれた世代のことで、13th Generation(第13世代)とも呼ばれているようです。

また日本では”新人類”なんて言われていた時代だそうです。従来とは異なる感性や価値観をもつ一風変わった若者を指す呼び方として、そういえば昔よく聞いた気がします。

その新人類と呼ばれた人達がシニアの世代になりつつあります。

シニアとは何歳からなのか?という明確な定義はないようですが、シニアは4つに分類できるのではないかと、株式会社日本SPセンターが運営するシニアマーケティングに関する専門サイト「シニアマーケティング研究室」にありました。

①ケアシニア(介護認定者)

②ギャップシニア(介護予備軍)

③ディフェンシブ・シニア(非就労健常者)

④アクティブシニア(就労健常者)

「ケアシニア」とは文字通り介護が必要なシニアのことで、

「ギャップシニア」とは要介護というわけではないけれど、日常生活の中で諦めや我慢が積み重なっている状態で「できること」と「やりたいこと」とのギャップがある人たちを意味しており、

「ディフェンシブシニア」とは年金以外の毎月の定額フローがなく、堅実な暮らしぶりの層のことで「守り」中心の消費者をイメージして、シニアマーケティング研究室が命名した、と書いてありました

「アクティブシニア」とは趣味やさまざまな活動、消費に意欲的な、元気なシニア層です。

 

マーケティングなんてよくわかりませんが、なるほど、そう言われたらそうなのかと思うのと同時に、少しの違和感も感じました。

3人に1人が65歳以上という時代にそこをさらに4つに分ける、そしてそこからさらに細かく分析していく、それはどれくらい正しくてどれくらい意味があるのかなぁ、と頭が悪い私には正直よくわかりません。

何かで分ける時に感じる違和感はなんなんでしょう?個人的にはあまり好きじゃないかもしれません。

人が人を分類するときに、どこかで得体が知れないものが怖いからなんじゃないかと思ったりします。

 

『知らない』

ちゃんとちゃんとの学校を始めてから、大きく変わった考え方のひとつが「認知症」に対する考え方かもしれません。

認知症になるということは、悲惨で恐ろしいことで、家族や社会に迷惑をかけてしまう、自分の親がなってしまったら大変だなぁ、そんな浅はかな認識しかありませんでした。

実際には認知症においてよく問題になるのは、認知症になれば誰にでも現れる「中核症状」(記憶障害や、いつやどこが分からなくなる見当識障害など)より、むしろ「BPSD(行動・心理症状)」(徘徊や暴言や暴力など)のほうです。

そして認知症でよく問題になるBPSDは、認知症になると必ず出るわけではなく、認知症の方と接する周りの人の接し方次第で、出なくすることができるようです。

ちゃんとちゃんとを始めてから、最前線で実践されている方々にお会いし、あらためて学ばせてもらった気がします。

認知症を分かっていたつもりが、現実は全く分かっていなかった自分を知りました。

認知症の予防は大切ですが、どう受け入れて、どう接していくのか、ということも同じくらい大切なことだといまは思っています。

また、知らないことは怖いことだなぁとも思いました。

 

現実には健康な人がやがて認知症になり、若い人がシニアになり、アクティブシニアがケアシニアになり、ディフェンシブシニアにもなることもあり、悪役が正義の味方にもなります。

 

シニアの自立支援を通じて感じたことは、やはりまだまだ私達はシニアを知らないということです。そして知ろうとしないことが目に見えない壁をかってに作っていることです。

シニア支援も、知ろうとする人が増えていくことがスタートであり大切だと思っています。

 

◼️⬜︎◼️ちゃんとちゃんとの学校◼️⬜︎◼️

シニア支援プロジェクト『ちゃんとちゃんとの学校』では

シニアに関わる方々やシニア支援に興味がある方と共にシニア支援を学び交流する授業、そしてシニアの方向けの授業を有志の方々を中心に2016年からスタートしています。

2019年は11月25日に大阪で『ちゃんとちゃんとの学校』を初開催、12月15日には東京大学にて『ちゃんとちゃんとの学校の学園祭』を開催いたします。

私達はゆるくまじめにをコンセプトにやっておりますので、どなたでも参加いただけます、ぜひ皆さまのご参加お待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

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