『 You’ll Never Walk Alone 』

圧倒的な力を前にすると、チームワークでは立ち向かえないこともあります。

頑張っても越えられない壁や、明らかな実力差は、どれだけ力を合わせたところでどうしようもない、勝負の世界は甘くはないわけです。

一方で、強烈なチームワークが、とんでもない大番狂わせを起こすことだってあります。

 

『 チャンピオンズリーグ 』

サッカーで最もハイレベルな試合が観れるのは、ワールドカップではなくチャンピオンズリーグだと思います。

ヨーロッパのクラブNo. 1を決めるその大会で14年前に起きたのが、イスタンブールの奇跡です。

イスタンブールで行われたチャンピオンズリーグの決勝戦は、イタリアのACミランとイングランドのリバプールFCとの戦いでした。

圧倒的に前評判が高かったのはACミランでした。スーパースターを揃えた強豪ACミランと、地味なメンバーでなんとか決勝戦までたどり着いたリバプールでは、やはり誰もがACミランの勝利を疑いませんでした。

前半が終わった時点で3-0、大方の予想通りACミランが圧倒しました。

ところがハーフタイムを境にリバプールは全く別のチームになります、怒涛の勢いで同点に追いつき、PK戦の末にACミランを下しました。歴史に残る大逆転劇でした。

 

『 You’ll Never Walk Alone 』

たった15分のハーフタイムに一体何があったのか?、チームを変えたのは、ある歌でした。

ハーフタイムの間にリバプールのサポーターが歌い続けた歌が『 You’ll Never Walk Alone 』です。

“君は1人じゃない” という意味のこの歌は、昔から熱狂的なリバプールのサポーターが歌うことで知られています。

“どんなに負けていても俺たちがついている”というメッセージが、控え室にいる選手達に伝わったのではないかといわれています。

サポーターのことを12番目の選手といいますが、リバプールは12人目の選手の力が特に大きかった気がします。

その逆転劇から14年、再びリバプールはセミファイナルで、あのメッシ率いるFCバルセロナを初戦0-3から大逆転し、決勝戦も勝利し見事にビッグイヤー(優勝トロフィー)を獲得しました。

優勝後にスタジアムで大合唱が起こったのは、やはり『 You’ll Never Walk Alone 』でした。

 

『 生活の一部に 』

気がつけば、またサッカーの話を書いてしまいました、ちゃんとちゃんとの”ちゃんと”はサッカーの応援チャントからきていますので、と苦しい言い訳をしていますが、ご勘弁ください。

昔は今のようにサッカーは人気がありませんでした。

Jリーグもなかった時代は、今のような緑の芝生も珍しく、ほぼ観客がいないスタンドからファ〜と鉄のラッパの音が聞こえるだけでした。ましてや、海外のサッカーなんかはダイヤモンドサッカーという番組でしか見ることが出来ませんでした。

子供の頃からなぜ野球は人気があるのにサッカーは人気がないのかなぁ?とよく考えていた者からすると、まさかこんなにサッカーが人気になるとは?といまだに信じられない気持ちです。

「日本人がサッカーの観戦後、ビールを飲みながら飲み屋でその試合を振り返るような雰囲気を作れたとき、初めてサッカーは国民の間に浸透したことになるだろう。」 

と元日本代表のトルシエ監督が言っていました。Jリーグの開幕から一時的なサッカーブームが起こりましたが、それ以降は人気が低迷し、再び人気がでるまでには時間がかかりました。

一時的な流行がやがて定着する、いつのまにか生活の一部になる、日本のサッカーがそこまで来たのか?それはわかりませんが、昔に比べれば、その日は近づいている気がします。

そこにはただのプロサッカーリーグではなく、地域に根ざしたクラブを目指したことが理由のひとつではないかと思います。

 

『 割れた窓 』

ある街に、窓が割れたままの建物があったとします。それをそのままにしておくと、その街の治安がどんどん悪くなる。

という考え方を「割れ窓理論」というようです。

 

ニューヨークの地下鉄には落書きが絶えませんでした、それを落書きの度にひとつひとつ消すことによって、落書きだけではなく犯罪が減りました。

ディズニーランドでは少しでも建物に傷が入ったりすると、すぐに修理し、またゴミが出たらすぐに掃除する、それを続けることによってゲストのマナーを良くすることに成功したようです。

割れた窓をそのままにしないためには、地域の人々が協力して自分の家以外にも気を配ることが求められます。

地域をひとつの共同体として考えていくことが、自分が住む街をより良い街にしていくわけです。

プロのサッカーチームには多くの人が関わります、スポンサー、GM、広報、スカウト、コーチ、サポーター…さらにその地域が関わっていくことがブームで終わらないことに繋がり、たかがサッカーが、生活の一部になりつつあるのではないかと思います。

 

『 ポジション 』

サッカーにはゴールを決めるフォワードや、ミッドフィルダー、ディフェンダー、ゴールキーパー、などのポジションがあり、それぞれの役割があります。

最近ではそのポジション以外の役割も求められています。ディフェンダーのように守るフォワードや、ミッドフィルダーのようにパスを出すディフェンダー、強いチームの特徴はそれぞれのポジションの役割はもちろんのこと、自分以外のポジションの役割もこなすことが求めらます。 

同じ目的のためには、ポジションなんて関係ないわけです。それぞれの選手達がひとつの大きな生き物のように連動して動き始めるときに、本当に強いチームになります。

 

『 ひとつのゴール 』

シニアの自立支援という大きなテーマでは、サッカーのポジション以上に様々な分野に分かれていて、それぞれの役割があります。

「シニアの自立支援」というゴールは同じであったとしても、その分野によって課題が違ったり、目的も異なることはよくあることだと思います。

その分野だけでは解決出来ない課題を、他の分野の人も手分けしてやっていくようなことは、まさに地域包括ケアシステムの考えですが、それは同じゴールを目指すことが最も重要です。

またより幅広い分野の方々が、シニアの自立支援に関わった方が様々な課題を解決できるはずですし、よりカラフルな、より豊かなシニアの時代になるはずです。

そのためには、楽しみであり、手軽さが、ある意味でゆるさも必要です。サッカーの楽しさや手軽さが多くの人々を惹きつけるように、ちゃんとちゃんとのシニアの自立支援もそうでありたいと思います。

よくわからないけどおばあちゃんが好きだとか、あのおじいちゃんは面白いなぁとか、きっかけはなんだっていいはずです。

いまの与えられたポジションを時には少しはみ出してみることや、ちょっと視点を変える、他のポジションの立場を考えてみることも、とても意味があるのではないでしょうか?

ゆるくつながる、私たちの『ちゃんとちゃんとの学校』がそういうきっかけになればなぁと、よく思います。

とてもとても有り難いことに『ちゃんとちゃんとの学校』の考えに共感していただいて、この活動を応援していただくサポーターの方が徐々に増えています。

問題意識を持ち集まった方々と、もっと強いチームになり、シニアの方々にたくさんの応援チャントを送りたいと思っています!

 

そしてサッカーの話はしばらく封印します。

 

 

シニアのジリツ支援プロジェクト『ちゃんとちゃんとの学校』では初めて東京を飛び出し、7月13日に岡山でちゃんとちゃんとの学校を開催します。

私達は様々なプロジェクトを、サポーターの方々の支援のもと活動しています。

2019年度から『ちゃんとちゃんとの学校』の記念すべき1期生のサポーター募集をスタートしますので、シニアのジリツ支援に関心がある方ならどなたでもご参加いただけますので、是非皆様のご参加をお待ちしております。

詳細はこちらをご覧ください。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です