『 ジェロントロジー 』

タダで歌舞伎を見せてもらう代わりに、その場を盛り上げる者のことを『 さくら 』と江戸時代の頃に言ったようです。

その場限りの盛り上がりを『 桜がパッと咲いてサッと散ること 』にかけたものだといわれています。

控えめな薄いピンク色がいいんだとか、花見が出来るからだとか、なにかと桜が大好きな日本人ですが、やはり桜の魅力は、儚さだと思います。

桜を見ては、ずっと続かないことに価値を見いだしたり、物事に終わりがあることを思い出したり、どこかで人生なんかをダブらせてしまう、そんな気にさせる魅力的な桜が散り始め、いよいよ本格的なスタートの季節になります。

 

『 Gerontology 』

“ジェロントロジー” とはロシア(現ウクライナ)の免疫学者、イリヤ・メチニコフが名付けた学問で、日本語で『老年学』といいます。

イリヤ・メチニコフは世界で最も権威のある研究所の1つと言われるフランスのパスツール研究所で主任研究員を務め、その後、免疫・食細胞学説の研究で1908年にノーベル生理学・医学賞を受賞します。

晩年には老化の原因が、大腸内の細菌が作り出す腐敗物質だとして、ブルガリアに旅行中にヨーグルトが長寿に有用であるという説を唱えます。

つまりヨーグルトが健康寿命のためにいかに優れているかを、科学的に実証した世界で最初の人物でもあると、明治ブルガリアヨーグルト♪の明治ヨーグルトライブラリーに書いてありました。

話を戻して、ジェロントロジーのGerontoとは老年を意味していて、『老年学』は超高齢社会のあらゆる課題を解決するための学問です。

あまりにも幅広い課題のため、医学、心理学、社会学、福祉学、リハビリテーション科学、政策科学、死生学など、さまざまな領域の、異なる学問分野が交わるのが特徴的な『老年学』です。

超高齢社会のいま、より注目を集めています。

その『老年学』という学問があることを私に教えてくれたのは、ちゃんとちゃんとの学校に協力いただいている清水絵理さんです。

あるときに「お年寄りの方は、誰かの役に立たなくても、長生きするだけでも素晴らしいことじゃないでしょうか?」と清水さんが何気なく言われた一言に、私は何かが脳天を直撃したみたいに、ハッとしました、それはどこかに、高齢者の方々を一般的な社会の物差しで見ていた自分がいたからです、情けないなぁと猛省しました。

このプロジェクトではお年寄りならではの魅力に、光を当てて、そこに新たな価値を見つけて、発信していかなければと思いました。

そして同時に、何気なく言われた “その一言” が、老年学からなのか?、清水さんだからなのか?、それとも両方からなのか?、などなどの疑問もあり、自分にとっては、なにかと興味深い『老年学』でもありました。

 

『 桜美林大学 』

『老年学』を学ぶことができる大学は、いくつかあるようですが、日本で唯一、老年学の修士号・博士号を取得できる大学が桜美林大学です。

清水さんは介護の現場で活躍するケアマネジャーでもあり、マクロビオティックを取り入れた料理教室キッチン エリマキトカゲの主宰も務めるような多彩な人ですが、ただでさえ忙しい中にもかかわらず、『老年学』を学びに桜美林大学に通うようになったようです。

 

時々お会いする度に、老年学の魅力をお話していただいて、興味があったのですが、4月13日に桜美林大学で『桜美林大学大学院老年学研究科同窓会 総会&イベント』というイベントが開催されるということを教えていただきました。

そこで清水さんがポスターセッションとして研究・活動紹介をされるとのことでしたので、幸田さんと見学に行かせていただきました。

当日は、日本で最初にケアマネジメントに関する論文や著書を書いたという白澤政和先生からの貴重な退任記念講演や、「老年学をビジネスにどう活かすか」などの興味深いシンポジウムもあり、その後ポスターセッションの会場に行きました。

「プロレスラーの高齢化について」、「性的マイノリティの高齢期における課題」、「思いの外良かった猫型ロボット玩具」、などなど興味深い研究テーマが数多くあり、老年学の多様性と可能性を感じる、とても面白いポスターセッションがあり、そしていよいよ、我らの清水さんのポスターセッションに来ました。

清水さんは「専門職成年後見人と介護支援専門員との連携について」という研究テーマで、実際に過去にあったという問題点からスタートした研究を発表されていました。

そして活動内容として、スタートから協力いただいている「ちゃんとちゃんとの学校」の活動を紹介していただきました、清水さん、ありがとうございます! 

 

ちゃんとちゃんとの学校は発起人の3人で作っているわけではなく、主旨に共感して、関わっていただいた方々と共に作っていくプロジェクトです。

今回の清水さんのように、私達のプロジェクトに関わっていただく方が、同じような問題意識や考えを持って活動してくれる素晴らしい仲間が、本当に有り難いことに少しずつ増えています。

大学からの帰りに、幸田さんとこのプロジェクトをやる事になってから、そういえば何十回としている打ち合わせをしながら、そういう方が増えて来たのが一番の財産だなぁ、やってきて良かったなぁと、サブウェイで話ました。

 

『 モンスターズ・インク 』

最近よく幸田さんとモンスターズ・インクの話をします。

モンスターズ・インクとは2001年に公開されたピクサーのフルCGアニメーションの映画ですが、子供の悲鳴を集めてエネルギーにして、そのエネルギーを社会に供給する会社、モンスターズ・インク社が舞台です。

モンスター達は子供の悲鳴を集めるため、一生懸命に子供たちを怖がらせます。

物語の最後には、子供の悲鳴より、子供の笑い声のほうが10倍もエネルギーがあることがわかります。

そしてモンスターズ・インク社は、悲鳴をエネルギーにする会社から、笑い声をエネルギーにする会社になります。

高齢者の悲鳴をエネルギーにする社会にならないように、元気な高齢者が社会を豊かにするエネルギーになるような、そんなちゃんとちゃんとの学校にしたいと思っています。

 

今年から始まる、新しいチャレンジはどれも元気な高齢者がエネルギーになるような、そんな可能性を持ったチャレンジばかりです。ぜひ色々な方々と気楽にゆるく、一緒に作っていきたいと思っています。

 

 

■□■シニア支援パーソンが集う勉強会

ちゃんとちゃんとの学校 2019社会人クラス  vol.2

2019年 4/25 (木) 19:00〜21:00 開催!

「シニアのジリツ」にまつわる情報・お仕事・サービスの情報、ちゃんとちゃんとの学校シニアクラス、フードクラス、サポーターの取り組みのご報告をお伝えしていきます。

また各プロジェクトの取り組みの課題やアイデアをみなさまとも共有したりお話したりする時間も予定しています!

ちゃんとちゃんとの学校はオープンな勉強会ですのでサポーターに限らず社会人・学生どなたでもご受講いただけます。

是非シーズン2を迎えたちゃんとちゃんとの学校に気楽に参加してみてください!

 

【開催日時】4/25 (木)

19:00〜21:00 (開場 18:40)

【開催場所】

クラブハウス会議室

東京都港区南青山2-2-8 DFビル5F

(地下鉄大江戸線・半蔵門線・銀座線 青山一丁目駅徒歩2分)

 

 

 

 

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