『 合理的は嫌い 』

いつものように飛行機が遅れ、長崎空港に着いたのは21時くらい、市内に向かうバスに乗り込みツイッターを見るとイチロー引退の文字が目に入ってきました。やはりという気持ちと、イチローがいる日常が無くなると思うとショックもありました。

 

『 言葉 』

野球より断然サッカー派の私ですがイチローは好きでした。昔から野球のイメージは古い日本の体質そのものというか、良いも悪いも年功序列の上下社会というイメージがありました。そんな中でイチローは異質で誰に対しても言いたいことを言う、そして凄いプレー以上にその”言葉”が面白いと思ってました。

うまく話をしようとしたり、いい話のネタを仕入れてそれらしい話をすればそれなりに評価されますし、また日頃仕事で話ばっかりしてる人は、やはりそうでない人と比べたら話は上手いわけですが、時にそういうものを軽く超えてしまうものがあります、それは子供の言葉だったりします。

子供が思ったことをストレートに言う時ほど心に刺さることは無いと思います。飾らないそのままの言葉には力があります。

 

ホラー小説『リング』や『らせん』などで知られる作家の鈴木光司さんは【表現する事は勇気を持つ事。花は美しいというと「美しくない花もある」という人が出てくる。そのクレームを想定し「美しい花もあるが美しくない花もある」と書く。それはもはや言う必要のない文となる。全ての人が納得する文では表現にならない。勇気が必要なんだ。】と言われているそうです。

 

子供だけじゃなく大人だって追い込まれるとそうかもしれません。いっぱいいっぱいで余裕がなくなると周りの空気を気にしている場合じゃない、と言いたいことを言ったりします。そういう言葉には不思議に力があります、綺麗に整えられた言葉や、有り難い教えよりも、心を動かされる力がある気がします。

生きた言葉を話すには勇気とエネルギーが必要です、そういうことが面倒で当たり障りのない言葉があふれる時代だからこそ、イチローの言葉がより深く入ってくるのかなと思います。

 

『 インタビュー 』

ようやく着いた狭いホテルの小さなテレビを付けて、イチローの記者会見を待ちながら、思いだしたのが何年か前の当時キャスターをしていた現日本代表監督の稲葉篤紀さんとの対談でした。

イチローが中学3年生の頃、バッティングセンターで1つ年上の稲葉さんのバッティングを見て”俺はプロになれると確信しました”と言ってしまうところがイチローらしいんですが、そのいくつかあるインタビューで中で大好きな場所があります。

それは情報がたくさんある今の時代で野球選手が追い求めている “最短距離で成功する考え方” に対してのイチローのコメントです。

「無理だと思います、失敗をしないでたどり着いたとして、全くミスなしで、間違いなしでそこにたどり着いたとしても、深みは出ない、やっぱり遠回りすることってすごく大事ですよ、無駄なことって結局無駄じゃないっていう考え方がすごく好きで、合理的な考え方ってすごく嫌い、遠回りすることが一番近道だと信じてやってます。」という言葉が大好きです。

久しぶりに見返してみるとイチローが稲葉さんに引退を決めたのはいつですか?と聞いている場面がありました、稲葉さんはキャンプの時に決めたようでイチローの元チームメイトのヤンキースのジーターもリベラもキャンプで引退を決めていたようですから、もしかしたらイチローもそうだったのかなぁなんて思いながらイチローの現役最後のインタビューを見ていました。

 

『 老い展 』

3月21〜25日に東京のアーツ千代田で『 おい おい 老い展 』が開催されました。

①世の中の老いや介護のイメージを変えるデザイン

②誰もが暮らしやすいまちをつくるデザイン

③介護・福祉の現場をよりよくするサービスデザイン

④介護・福祉の現場を働きやすくするデザイン

という4つをテーマとして67のプロジェクトと10の作品の展示が行われました。

 

『 菅原さん 』

そして期間中に同時開催として行われたイベントの最終日に、ちゃんとちゃんとの学校でも何回か取り上げさせていただいている俳優で介護福祉士の菅原直樹さんによる『老いと演劇』劇団 OiBokkeShiによる演劇『ポータブルトイレットシアター』が上演されました。

 

今月、劇団の主宰である菅原直樹さんは文化庁から芸術選奨文部科学大臣賞新人賞(芸術振興部門)を受賞されたばかりで、また今回は地元岡山から劇団の看板俳優でもある”おかじい”こと岡田忠雄さん(92歳)も出演されるということで、今まで以上に注目されて用意した400席が埋まり上演されました。

 

あいにく私は九州にいたので菅原さんに会いに行くことも、生おかじいを観ることも出来ませんでしたが、幸田さんと事務局の渡部佳子さんが観に行ってくれました。初めて観る佳子さんの感想は、素晴らしくて面白くて最高だったみたいです。

『 おい おい 老い展 』も佳子さんからはとても面白かったと、たくさんの写真を送ってもらいました、また以前からご縁があるハ崎さんという方も運営に関わっているみたいなので是非とも行きたかったなぁと思って悔やんでいます。またやってください。

 

『 時代 』

合理的な考え方が全て悪いわけじゃ無いですが、人生100年時代では昔の人からすればびっくりするような人生の時間があり、よりたくさんの経験を積むことが出来ます。

最短距離を目指すだけじゃなく遠回りしてみるのも、非効率だとか無駄な努力だとか言われようが好きなことをやっているほうが、自分の信じたことをチャレンジしているほうが、楽しいしやり甲斐があります。合理的なことばかり考えていると、たどり着けない場所や、人との出会いがあるかもしれません。

より豊かな人生100年時代において、無駄な時間は無駄じゃないんだということでしょうか。

あと2日で新元号が発表されます、それの何がどうだというのかわからないですが、やはり元号が変わるのはワクワクします。

 

 

 

■□■シニア支援パーソンが集う勉強会

ちゃんとちゃんとの学校 2019社会人クラス  vol.2

2019年 4/25 (木) 19:00〜21:00 開催!

「シニアのジリツ」にまつわる情報・お仕事・サービスの情報、ちゃんとちゃんとの学校シニアクラス、フードクラス、サポーターの取り組みのご報告をお伝えしていきます。

また各プロジェクトの取り組みの課題やアイデアをみなさまとも共有したりお話したりする時間も予定しています!

ちゃんとちゃんとの学校はオープンな勉強会ですのでサポーターに限らず社会人・学生どなたでもご受講いただけます。

是非シーズン2を迎えたちゃんとちゃんとの学校に気楽に参加してみてください!

 

【開催日時】4/25 (木)

19:00〜21:00 (開場 18:40)

【開催場所】

クラブハウス会議室

東京都港区南青山2-2-8 DFビル5F

(地下鉄大江戸線・半蔵門線・銀座線 青山一丁目駅徒歩2分)

 

 

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