『 まだまだ 』

(「ダンテが『新曲』を書き始めたのは42歳からです。海賊に掠められて強制労働させられたり恩給が貰えなくて情けない生活をしていたセルバンテスが『ドン・キホーテ』を書こうと思ったのが57歳、出版したのは58歳です。あるイギリス人の男が32歳の時に事業に失敗して破産します。それから何とか持ち直す、けど無名の人として過ごす。そしてその中で59歳で小説を書き出すわけです。それが『ロビンソン・クルーソー』であり、その男とはデフォーのことです。スウィフトが『ガリヴァー旅行記』を書いたのは53歳、スタンダールが初めての小説『赤と黒』を書いたのは52歳です、

〜中略〜

男の話ばかりするのはよくないですからね。女性の例を。20世紀最大の作家であるヴァージニア・ウルフが初めての小説『船出』を書いたのは33歳です。しかし彼女が本領を発揮するのは43歳の時の『ダロウェイ夫人』からです。マドモアゼル・シャネルはナチスの将校と恋愛関係にあったせいで、戦後事業を放棄し服飾の世界から退いてスイスに隠棲する。しかしファッション界の惨状を見て、敢然とカムバックを決意し、第一線に復帰を果たします。71歳の時です。デザイナーとしての代表作「シャネル・スーツ」を完成するのは何と復帰後の71歳から死ぬ直前の86歳までの15年間なんです。」)

思想家で作家の佐々木中さんの『この日々を歌い交わす』からの引用です。

当時の平均寿命を考えると、その凄さがわかると佐々木中さんも書かれていますが、この本を読むと、何かを始めるのはいつからでも遅くないんだと改めて思います。

 

 

『平均寿命と平均余命と健康寿命』

厚生労働省の平成28年度簡易生命表の概況によると2016年の日本の『平均寿命』(0歳時にあと何年生きられるかを示す)は男性が80.98歳、女性が87.14歳、そして『平均余命』(各年齢であと何年生きれるかを示す)が65歳で男性が19.55歳、女性が24.38歳という数字が出ています。

1947年の平均寿命、男性50.06歳、女性53.96歳と比べるとやはり長生きの時代になったんだなぁと感じます。

なにかを始めるのに遅いことはないと冒頭から紹介していますが、昔の人と比べるとその時間がより長くあるのが今の時代ですから幸せな時代なのかもしれません。

そしてもう一つのポイントが『健康寿命』です。健康寿命(日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のこと)は2013年で男性が71.19歳、女性が74.21歳、つまり男性は9年、女性は12年が人生の最後の時期を健康では過ごせないということです。

長生きはいいことですが、元気で長生きするのは難しいというわけです。

 

 

『年金が70歳から?』

1月17日、政府は「高齢社会対策大綱案」の見直し案をまとめました。「高齢社会対策大綱案」とは政府が推進すべき基本的、総合的な高齢社会対策の指針です。2012年に一度見直しが行われ、今回が三度目になります。

今回のポイントとしては

・65歳以上を一律に高齢者と見ず、エイジレス社会を目指す。

・公的年金の70歳超の受給開始を選択可能にする。

・高齢者の再就職や起業を後押しし、就業率を上げる。

などが注目されているわけですが、世界でもいち早く超高齢社会に突入している日本では、今後は今まで以上に年齢にかかわらず、高齢者が社会に関わっていくという時代になっていく、またそうしないと乗り越えられない時代になるということだと思います。

そういう時代になるということは、もちろん好きなことをするにも、誰かのために仕事をするにも”健康寿命”が必要になります。

 

 

『寝たきりの原因』

英語で寝たきりのことを”Bedridden”と言うようです。bedはベッド、riddenはrideの過去分詞形で(…にがんじがらめになっている、支配されている、悩まされている)という意味のようです。

まるでベッドにがんじがらめになってしまうような “寝たきり” 、平成25年度国民生活基礎調査の概況によると”要介護”になる原因のうち『骨折・転倒』『関節疾患』『脊髄損傷』を合わせると全体の約25%になります、つまり寝たきりになる人の4人に1人は、”骨”に関係する理由で寝たきりになっています。

そして2016年の内閣府の高齢社会白書には高齢者の事故発生の場所は、77%が住宅内とあります。つまりいつも通りの生活をしている中で、ちょっとした不注意から転倒し、骨折し、そのまま寝たきりになる方が非常に多いわけですから、これは誰にでも起こる問題だと思います。

 

仕事でお会いする女性のシニアの方々が、よくのんでいる薬の一つが骨粗鬆症の薬です。ビスフォスホネートという薬で、よく効く薬ですが、副作用も問題になる薬でもあり、顎骨壊死(あごの骨が腐る)という恐ろしい副作用がまれに出る場合があります。必ずしも薬が悪いとは思いませんが、どうしても年齢と共に骨は弱くなりますから、その前に気をつけることがより大切です。

とにかくこれからは誰もが、自分自身や家族のために要介護にならないように取り組むことが求められています。

 

『まだまだ』

何歳になっても、人生まだまだこれからですが、いつまで好きなことに取り組んだり、社会と関わっていくためにも自立していくことがより大切な時代なんだと思っています。

いよいよ2月8日は “ちゃんとちゃんとの学校 vol.5 ” シーズン1の集大成になる東京大学名誉教授の眞鍋昇先生からの特別授業『シニアの栄養学』です。

そしてテーマは”骨”です。

 

 

 

 

 

▼▽▼参加受付中▼▽▼

シニア支援パーソンが集う勉強会

ちゃんとちゃんとの学校 vol.5
2018. 2/8(木) 19:00~20:30 開催!

✳︎✳︎ 新春特別授業 ✳︎✳︎

日本を代表する食のスペシャリスト
東京大学名誉教授 眞鍋 昇先生 による

いつまでも”ちゃんと”できるための食を学ぶ

『シニアの栄養学』です。

要介護にならないための『骨』をテーマにした特別授業、シニアとシニアに関わる人達に学んでいただきたい”ちゃんとちゃんとの学校”の集大成になる授業です!

ぜひ皆様のご参加をお待ちしております!

詳細・ご予約

<ご予約はコチラから>

→FBイベントページ
https://www.facebook.com/events/523975257978625/
→WEBより
http://chant0208.peatix.com/

日時 : 2018年2月8日(木)19:00~20:30
会場 :パークスターズ東京青山会議室(青山一丁目駅)
主催 :  chant-chant プロジェクト