『 食事と心の関係 』

『象10頭分食べる』

日本人が一生で食べる量が約50トン?、女子栄養大学の五明 紀春(ごみょう としはる)教授によるとそのうち米は6トン。これはご飯11万杯分になるそうです。

 

50トン、象10頭分、と言われてもあまりピンとこない方は新幹線の1車両分ほどのようです。ただこれもあまりピンときませんね、まあ、とにかくかなり食べているということだと思います。

 

『精神疾患と栄養療法』

「我が国の精神医学書には、精神疾患の栄養療法はのっていない。また臨床栄養学の書には、精神疾患は取り上げられていない。統合失調症を含めて、精神疾患への栄養療法は全く研究されていないのが、我が国の現状と思われる。」と『統合失調症の栄養療法』に書かれているのは、心と栄養の関係を研究されている岩手大学名誉教授の大沢博先生です。

大沢博先生によると米国やカナダでは『Orthomolecular Psychiatry』という栄養を補うことによる精神医学が発展して成果をあげているにもかかわらず、日本では病院の医師も「知らない」や「栄養で治るはずがない」と無視されたり否定されたりしていることが多いようです。

カナダのホッファー博士を中心に1950年代から始まった栄養を補うことによる精神疾患への試みは、様々な圧力にも屈することなく成果を発表をしてきているようです。例えばビタミンB3という栄養があります。ビタミンB3は”ナイアシン”ともいうようですが、そのナイアシンが統合失調症の治療の助けになるような研究もあるようです。ちなみにナイアシンは(カツオ、サバ、ブリ、イワシ、レバー、鶏ささみ、マグロ、シラス干し、たらこ、豆類、コーヒー)などに多く含まれます。

 

『薬の問題』

日本では高齢化社会の問題と同じように”薬”のことが問題になることが増えてきている気がします。

ポリファーマシー“という言葉があります、これは複数の病院にかかり、それぞれで薬を処方されて、結果的にたくさんの薬を飲んでいることになるという、つまりポリファーマシーとは”薬の飲み過ぎ”のことです。高齢者にとっては、体に大きな負担をかけることがあります。

また年間1000億円以上とも言われる残薬の問題(医師から処方された薬を飲み残したり飲み忘れたりして余った薬)もあり、医療費の面でも問題があると言えます。

例えば統合失調症などの精神疾患には向精神薬が使われますが、その副作用も問題になることがあります。

以前、福岡の門司でお会いした70代の女性は31種類もの薬を服用していました。薬が全て悪いわけではないと思いますが、人間の身体を作るのは薬ではなく、食事です、一生にすると50トンにもなる食事をおろそかにしてはならないと感じるのは私だけではないと思います。

 

 

『心と食事』

長野県の旧真田町(現在の上田市)では過去に学校給食を変えたことにより、大きな変化を起こした例があります。


消費税が3%から5%に上昇した1997年、学校の非行問題があった旧真田町に教育長として赴任した大塚貢さんは、生徒の非行の原因が食事内容にあるのではないかと考え改革を始めます。

生徒の食事を調査すると、朝ごはんを食べない生徒や、食べる生徒にしても菓子パン、ジュース、インスタント食品などの朝ごはんが多いことがわかり、そこから変えてもらおうとするわけですがなかなか保護者の理解が得られない。

だったら生徒が必ず食べる給食を和食にしてしまおうと改革を行ったようです。ご飯が週に1回程度だったものを毎日にするというのは相当大変なことだったはずですが、大塚さんは”食”が良くならないと生徒は変わらないという信念のもと様々な困難を乗り越えて改革を断行します。そしてサッカーのワールドカップが日本で初開催された2002年には完全米飯の給食になります。努力の結果、和食の給食にしたわけですが、給食を変えた成果が出てきます。

キレる生徒が減り、アトピーなどのいわゆるアレルギー症状の生徒が少なくなり、学力も向上したようです。また不登校の生徒もゼロになりました。

食べるものがいかに心を変えるのかという凄い話だと思います。

 

今回のちゃんとちゃんとの学校 vol.4では、忘年会続きで大変な方もいらっしゃるのでは?ということで身体と心に優しい食事を参加者の方々に味わっていただこうということになりました。ちゃんとちゃんとの学校に参加いただいている清水 絵里さんにクリスマスパーティーの食事をお願いさせていただきました。

清水 絵里さんは介護の現場から”食”の大切さを伝える活動をされているクシマクロビオティックス・コンシェルジュでもあり、いわゆるマクロビオティックのスペシャリストです。

 

『マクロビオティック』(Macrobiotic)

マクロ    = 大きな

ビオ       = 生命

ティック = 術・学

という3つの言葉からなる「マクロビオティック」は古代ギリシャ語が語源の「自然に即した命のあり方」という意味だそうです。

マクロビオティックは桜沢如一(さくらざわ  ・ゆきかず)氏が「玄米菜食」という自然に則した食事法を提唱したことからはじまったようです。

玄米、全粒粉を主食にし、豆類、野菜、海藻類から作られた食事になります。

身体と環境(土)は切り離せない(不二)という考え方、その土地、その季節にあった食べ物をとる「身土不二」(しんどふじ)、一つの食べものをまるごと全部食べる「一物全体」(いちぶつぜんたい)、食べものを陰と陽に分ける「陰陽調和」(いんようちょうわ)などの考え方のもと世界中に広がっていった食事法です。

 

12月14日の”ちゃんとちゃんとの学校”の打ち合わせで清水 絵里さんとお会いしたときに、わざわざマクロビオティックのお弁当を作ってきていただきました。恥ずかしながら初めてのマクロビだったのですが、本当に食材の味がしっかりして、もちろん美味しく、優しい味で普段食べている食事がいかに良くないものを食べているのかと考えさせられる食事でした。

今回はお忙しい中、清水 絵里さんのご協力のもと心と身体に優しい食事をいただきながらのクリスマスパーティーになりますので、是非お気軽にご参加ください。

 

 

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【12/14(木) ちゃんとちゃんとの学校 vol.4】
  クリスマスパーティ
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■開催日時:12月14日(木)19:00~20:30(開場 18:40)
■開催場所:クラブハウス会議室
東京都港区南青山2-2-8 DFビル5F
(地下鉄大江戸線・半蔵門線・銀座線 青山一丁目駅徒歩2分)

■受講料 :一般 2,000円(税込)
パーティ参加費: 1,000円(税込)マクロビ食ドリンク付き
■定員:30名

https://www.facebook.com/events/1276115312492431/?ti=icl