『 おせっかい 』


Googleのレイ・カーツワイル氏によると2029年に人間の知能をコンピュータが超え、2045年までにはAI(人口知能)の発達もあり社会が飛躍的に変化するシンギュラリティ(技術的特異点)がおこると予測しています。医療やエネルギー、環境などの問題が解決していき、人間の寿命がさらに伸びるなどと言われ、なんだか驚くような信じられないような話が起こる可能性があるようです。

レイ・カーツワイル氏は50代で心臓発作で亡くなった父親とAI の技術を使って再び会話をしたいと考えているようです。

 

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2045年はまだ先の話ですが、すでにAI の登場によって掃除機から自動運転まで様々な変化が身の回りでもおきています。

また人口知能の苦手分野だとされていたクリエイティブな仕事までAI が活躍して、オペラを作曲したり、絵を描いたり、より機械化が進んでいます。

世界的に高齢社会を迎えるなか、医療や福祉の分野でも注目されています。茨城県つくば市にある企業サイバーダインでは病気などで身体機能が衰えた方向けのロボットスーツ「HAL」を開発しています。

 

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身体が発する電気信号を感じ取り、その電気信号をもとにコンピュータがロボットスーツを動かす仕組みで、動かない身体を動かすとことが出来るという夢のようなロボットスーツそれが「HAL」です。

 

 

 

 

そして介護などでの素晴らしい機械化が進む一方では、AI に仕事が奪われるのではないかという問題も出てきています。

2013年9月にイギリスのオックスフォード大学のマイケル・オズボーン博士らが発表した論文「雇用の未来:私たちの仕事はどこまでコンピュータに奪われるか?」によると、今ある職業の47%がAI に奪われると予測されています。

駅に行けば昔は切符を切る駅員さんがいましたが近頃ほとんど見かけなくなりました、映画館でも窓口ではなく機械でチケットを買ったり、より効率的で合理的な世の中になってきていて、それはもうかなり前から変化が始まっているんだと思います。

 

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無駄がない効率的な社会は悪くないかもしれません、ただしそれはそこにいたはずの人がいなくなることにもなり、人と人が触れ合う機会が減るのではないかとも思います。そんなことないSNSがあるじゃないかと思う人もいるとは思いますが、実際に人と人が面と向かって会うのとでは違う気がします。

 

 

昔がいいと言っている訳ではないのですが、例えば私が子供の頃は、月に数回は酒屋さんが家に来てキリンビール1ケースと時々親の機嫌がいいときにはバヤリースを届けてくれていました。玄関先で母親と酒屋さんがしばらくあーでもないこーでもないと雑談をしたりしていたのを覚えています。

今だとネットで頼めばすぐに届きますし、もっと安いと思います。昔は色々な理由があってのことだとは思いますがそういう人と人が触れ合う機会が多かった気がします。

 

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そういう人付き合いが、私は正直苦手なほうでした。子供の頃に特に嫌だったのは、髪を切ったら近所の人に「髪切ったなぁ、男前なったなぁ、」と言われたりするのは恥ずかしくて嫌だなぁとよく思っていました、まあ、家を出ると挨拶をする人がたくさんいて息苦しいとも思っていた気がします。

 

 

ただ最近はそういう人付き合いが実は大切で意味があるんだと感じています。地域活性のイベントのお手伝いをさせてもらったり、シニアの自立支援のプロジェクトをしているときにも共通している気がしています。

昔は良いも悪くも”おせっかい”な人がいて人のことに口を出してくるんですよね、知らないおじさんに怒鳴られたり、頼んでもないのに世話好きなおばちゃんなんかが色々教えてきたり、、そういう人が昔に比べて少なくなってきた気がします。どこか自分さえ良ければいいという、人間関係が希薄になっているように感じます。

”おせっかい”な方は、言いたくて仕方がないというのもあるとは思いますが、それ以上にその人のためになればと思って言ってくれているんだとも思います。

 

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今は見て見ぬふりをしたほうがいい、面倒なことには関わらないほうがいいという風潮がある気がします。

 

これからの時代はより合理的に効率的に進んでいくと思いますが、この高齢社会を乗り越えるには自分さえ良ければいいとか、与えられた役割さえすればいいという考え方だけではなく、ちょっと”おせっかい”ぐらいの人付き合いが出来るような関係性が大切になるのかもしれません。