『 CKDってご存知ですか? 』

新たな国民病と言われている病気があります。それが『CKD』です。CKD(Chronic Kidney Disease)とは2002年にアメリカの米国腎臓財団が提唱した概念で日本語で『慢性腎臓病』とよばれています。

日本では患者数が1330万人、成人以上の8人に1人にもなる慢性腎臓病は放置すると取り返しがつかない怖い病気です。

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腎臓は腰の辺りに2つある臓器で、握りこぶしよりは少し小さなサイズですが1日でドラム缶1本ほど血液の濾過を行い、血圧も調節します。人間が生きていくためにとてもとても重要な臓器です。

大切な腎臓ですが1度悪くなるとほとんど良くなることがないので腎臓病が悪化すると”人工透析”が必要になります。

人工透析患者数は32万人を超えており、世界の透析患者の6人に1人が日本人と言われ2025年までは毎年増加していくと予測されています。週に3回、4〜5時間かけて行う透析は日常生活に大きな負担になります。ある患者さんは「透析患者には盆も正月もないよ、死ぬまで2日に1回は病院に行かなきゃならない」と言われていたことがありました。

人工透析は患者の精神的、肉体的な負担は非常に大きく、そして医療費の部分でも大きな負担になっている現状があります。

年間500万円近くかかるとされる人工透析の費用は単純計算で1兆6000億円もかかっているということになります。

人工透析より患者にとってQOL(生活の質)が高く負担が少ないのが腎臓移植になります。ただ日本では厳しい移植の基準の問題などがあり、また透析の利権の問題もあり腎臓移植は海外に比べて積極的ではありません。

今週は兵庫県の尼崎市に来ています。

尼崎市といえばあのダウンタウンさんの出身地として知られていますが、今年市制100周年を迎えた尼崎市は腎臓病を予防する取り組みでも知られています。

2011年にNHKの『ためしてガッテン』で新たに透析を開始する患者数を3年連続で減らすことに成功したと紹介されたことがあります。尼崎市では透析療法は自治体にとっても大きな経済的負担になるので実際に透析をするようになった患者を調べていったようです。そうすると多くの場合透析の1〜4年前からしか受診しておらず、おそらく予防が間に合わなかったのでないかということで、ただ健康診断を受けるだけではなくその結果をチャートにして市民に配ったことが透析患者を減らした結果につながったようです。

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医療費の問題は深刻です。医学は日々進歩していきますが、本当の意味で健康でい続けることや医療費を抑えるには個人個人が病気を知り、予防していくことしかないと思います。

自分の身体は自分で守る”

『言うは易く行うは難し』ですがこれからは病気になったら医者に行くという考え方から、なるべく病気にならないように元気なうちから気をつけていくことが、自分の将来や子供や孫の時代までを考えていくと、より大切になっていく気がします。

『未来とは、今である』

アメリカの文化人類学者マーガレット・ミードの言葉です。誰もが出来ることなら人工透析はしたくありません、この先も健康でいれるかどうかは

今日どういう一日を過ごすのか”

にかかっているのだと思います。