あの若乃花以来、19年ぶりに日本出身の横綱となった稀勢の里の活躍でまた大相撲人気が盛り上がりを見せています、相撲は日本の国技でありまた伝統文化でもあり、その歴史は古く日本相撲協会のHPによると相撲の起源は古事記や日本書紀にも神話として残っているほどです。
農作物の収穫を占う祭りの儀式として行われることもあった相撲ですが、鎌倉時代では武士の戦闘の訓練として、また江戸時代には相撲を職業とする力士が現れ興行として行われるようになり今日の大相撲の基礎が確立されるようになったとされ、歌舞伎と並んで一般庶民の娯楽となってきた歴史があり古くから日本の文化に深く根ざし、いつも人々の生活とともにあったことがわかります。
元力士の豊錦(とよにしき)【*写真中央でインタビューに答えている方】圓山正俊(まるやま まさとし)さんは相撲が高齢者の寝たきり予防に役立てることは出来ないかと考え、高齢者の自立につながるような運動を1人でも多くの人にわかりやすく伝えていくことを目的に、ご自身で運営する『どすこい整骨院』
http://itabashi-dosukoi.on.omisenomikata.jp/
を中心に幅広く活動されている方でチャントチャントプロジェクトのメンバーでもあります。
新潟県出身の圓山さん(写真1番左側が圓山さんです。)は時津風部屋で『豊錦』という四股名で昭和48年3月に初土俵に立ちながらも怪我のために早く引退を余儀なくされた後、僧侶になるという異例の経歴の持ち主でもあります。当時130キロまであった体重も70キロにまで減り、現在はご自身の経験を活かした相撲を取り入れた高齢者の寝たきり予防の体操や、心の健康も含めた高齢者の自立に繋がるような講演会なども行なっています。
圓山さんは「高齢者は下半身から弱っていきますから、その下半身を鍛えることが出来る相撲は高齢者にはぴったりなんです。」とよく言われています。
いまchant-chant-projectでは高齢者の自立を応援する目的で、”寝たきりにならない相撲エクササイズ”を相撲関係者の方々と考えています。
高齢者だけでなく、日本は少子高齢化ですが不妊に悩む女性にも大切なのが丈夫な下半身だと、先日お会いした助産師の林祐子さんが講演されていました。その理由のひとつに和式トイレが使えない人が増えている現状があるということでした。その下半身を強くする為の運動が相撲にはたくさんあるのだそうです。
中京大学の湯浅景元教授の研究によると、横綱白鵬の立ち合いのスピードが、陸上100メートル記録保持者のウサインボルトのスタートのスピードとほぼ変わらないというデータもあり、あらためてスポーツとしての素晴らしさも注目されている相撲、そしてシニアの方々にも若い世代にも人気がある相撲が、高齢者の自立に、日本の超高齢社会に役にたつのではと期待せずにはいられません。