「介護」というと、「支援する若者」「支援される高齢者」といった関係性が通常のように思えますが、この関係性をひっくり返し、介護される側の高齢者に「人の役に立つ充実感」を感じていただける、逆支援型介護事業という新たな介護サービスが高知県にあります。
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■高齢者に学ぶ「長老大学」
それが、「長老大学」というプロジェクト。このプロジェクトは高知県で、澤本指圧鍼灸院と、さわもと居宅介護支援事業所を営まれている澤本さんが運営されています。
長老大学では高齢者に対し、ただ介護支援をするのではなく、逆に介護する側の若者が、高齢者の方から生活の知恵であったり、様々な経験を教わることで、高齢者の支援に繋げて行こうという試みをされています。
高齢者にとって「会話をする」ということは、とても大切なことです。会話しなければ孤独感が増し、それが切っ掛けとなって病を引き起こすことも多々あるのです。
また、誰かと会話をするということは、生きがいにも繋がるという統計があります。そこに「人の役に立つ」というのがプラスされると、さらに高齢者にとっては生活に充実感も生まれてきます。
長老大学は、こうした「会話」と「人の役に立つ」ことで得られる充実感を実感していただけるデイサービスなのです。
■人の役に立つ事は「行動」が全てではない
私は今回、長老大学をご紹介させていただく際に、高齢者の方が語られた内容をブログで拝見させていただきました。その内容は、昔話であることが多いのですが、その何でもないような昔話の中には、たくさんの生活の知恵や工夫など学ぶことが多くあります。また、リアルな歴史の勉強として読んでみると、それはそれは面白いなと感じる内容が多いです。
人の役に立つ事というのは、人に何かをしてあげるというような「行動」ばかりが表だってしまいがちですが、こうした高齢者の方の昔話だって、十分立派に人の役に立つ事だと感じました。
逆支援型介護事業「長老大学」。こうしたデイサービスは、イキイキとしたシニアライフを送るための糧にもなるのではないでしょうか。