『迫りくる2025年介護ショックを乗り切るには?』

最近話題となっている「介護ショック」という言葉。今から9年後の2025年には1947年~49年生まれの団塊の世代が一斉に75歳を迎え、後期高齢者となります。75歳を過ぎると介護認定を受ける人の数は格段に増加することがわかっており、この問題のことを表したのが先に述べた「介護ショック」という言葉です。

介護士不足・医療・年金・福祉財源不足は、後期高齢者が全国民の約5人に1人となる2025年にどれほどの影響を及ぼすのか。こうした問題は私たち若い世代も他人事ではなく、しっかりと考えていかなければならない問題だと思います。

増え続ける高齢者の医療費をカバーするために増額される保険料と税金。これらは若い世代に重くのしかかり、一方では高齢者への年金支給年齢が70歳へと引き上げれ生活を圧迫。当然のように介護サービスの費用も増えてきます。いざという時に、国が守ってくれるとは限らないのが現状です。

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Photo by Vanessa Kay

■新たな試み「サービス付き高齢者向け住宅」

こうした中、元気なうちに自宅に代わる新たな介護の住まいとして近年注目されているのが、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。サ高住は、高額な入居一時金がかかる介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームなどと違い、安さと自由を売りにしています。一時金なし、介護は外注で月額費用が10万円を切る物件もあります。

こうした取り組みを早くから行っているのがアメリカです。アメリカでは、日本のように一生同じ家に住み、子供が家を受け継ぐという習慣がなく、子供が成長して親元を離れると、夫婦で小さな家に住み替えていくという習慣があります。こうした習慣を活用して出来上がったのが、健康時から介護時まで同じ敷地でケアを受けられる「シニアコミュニティ」です。アメリカではシニアコミュニティが約2000カ所あると言われています。

日本ではまだまだサ高住は定着していませんが、今後やってくる介護ショックを乗り切るためにも、こうしたアメリカのシニアコミュニティは参考事例となるのではないでしょうか。