私たちは仕事柄、年間何千何万という多くのシニアの方と接することが多いのですが、そんなたくさんの方とお話しをさせて頂く中、よくこんな話を聞くことがあります。
「娘(息子)に世話にならずに、自分のことは自分で出来る高齢者でありたい」
本当に多くのシニアの方が、これを望んでいます。「自分のことは自分で」=「自立」ということですよね?
しかしこの自立にも種類がある事をご存じでしょうか?今回は「自立とは何か」を少し考えてみようと思います。
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■自立には種類がある
一口に「自立」と言ってもこれには「身体的自立」「経済的自立」「精神的自立」といった3つの要素があると言われています。
身体的自立とは、健康で身の回りの事などは全て自分でできること。
経済的自立とは、自分の年収(年金や預貯金など)で生活費をまかなえること。
この二つに関しては明確な指標があるのに対して、精神的自立というのは、その人の満足感であったり幸福感などに左右されるところが多く、またこれらは個人の尺度によって異なるので、一概には精神的に自立ができているかどうかを判断することは難しいです。
そこで、精神的自立について調べてみたところ、精神的自立度を評価する興味深い評価スケールを発見しましたので、ご紹介したいと思います。
精神的自立度尺度(国立長寿医療研究センターより抜粋)
A 趣味や楽しみ、好きでやる事をもっている
B これからの人生に目的を持っている
C 何か夢中になれることがある
D 何か人のためになることをしたい
E 人から指図されるよりは自分で判断して行動する方だ
F 状況や他人の意見に流されないほうだ
G 自分の意見や行動には責任を持っている
H 自分の考えに自信を持っている
これらの設問に対し、「そう思う(1点)」「どちらかというとそう思う(2点)」「どちらかというとそう思わない(3点)」「そう思わない(4点)」として、点数が低い方が精神的自立度が高いというように評されます。
あくまでも一つの目安としての評価スケールですが、案外点数が高いというシニアの方が多い事に気付かされます。
■「自立」とは自分の人生にきちんと責任を持って生きている人
健康であっても、経済的にゆとりがあっても、何の目標もなく他人に依存し、また不満ばかりを抱えて生活をしていては、それは本当の自立とは言えないのではないでしょうか。
本当の自立とは、健康であり経済的なゆとりも大切ですが、自分の意志で物事を判断し自分の責任で行動ができる、すなわち「自分の人生にきちんと責任を持って生きる」ということなのではないでしょうか。
私たちチャントチャントプロジェクトでは、本当の意味での「自立」を応援していくためのご提案などもさせていただきます!